GK

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝、チェルシー対マンチェスター・シティが現地時間29日に行われる。2011/12シーズン以来の欧州王者の座を狙うチェルシーは、どのようなメンバーでシティ戦に臨むのだろうか。今回は決勝で先発出場が予想されるチェルシーの11人を紹介する。

——————————

エドゥアール・メンディ(セネガル代表/背番号16)
生年月日:1992年3月1日(29歳)
20/21リーグ戦成績:31試合出場/25失点
今大会成績:11試合出場/3失点

 一時期は所属クラブがなくなり、失業手当を受けながらの生活を余儀なくされたこともあった。しかしそこから見事這い上がり、昨年夏にチェルシー移籍を掴み取る。そして同クラブでケパ・アリサバラガから正守護神の座を奪い、チャンピオンズリーグ(CL)決勝進出の立役者となった。選手本人は「僕はこれまで一生懸命努力してきた。今回の決勝戦はその努力が報われた結果」と話す。

 23日に行われたアストン・ヴィラ戦で負傷し途中交代を強いられたが、トーマス・トゥヘル監督曰く大事には至らなかったようで、今回のマンチェスター・シティ戦には無事間に合う見込み。長い手足と抜群の反射神経を武器に今季何度もチームのピンチを救ってきたセネガル人は、ファイナルの舞台でもビッグセーブを披露してくれるだろうか。

DF

セサル・アスピリクエタ(スペイン代表/背番号28)
生年月日:1989年8月28日(31歳)
20/21リーグ戦成績:26試合出場/1得点2アシスト
今大会成績:10試合出場/0得点0アシスト

 チェルシー在籍9年目を迎えている最古参で、チームの頼れるリーダーでもある。これまでジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテ、フランク・ランパード、そしてトーマス・トゥヘルなど名だたる監督の下でプレーしてきたが、このスペイン人はすべての指揮官から変わらず高い評価を得てきた。練習へ取り組む態度、そして努力する姿は若手選手にとっても最高のお手本となっている。

 サイドバックとセンターバックをハイレベルに務めるユーティリティー性と守備力の高さが魅力。スピード不足は否めないがとにかくタフで粘り強く、ボールホルダーにとって厄介な存在となることを可能としている。チェルシー在籍9年目にしてようやくたどり着いたチャンピオンズリーグ(CL)決勝の舞台。自らの手でビッグイヤーを掲げることができるか。

チアゴ・シウバ(ブラジル代表/背番号6)
生年月日:1984年9月22日(36歳)
20/21リーグ戦成績:23試合出場/2得点0アシスト
今大会成績:7試合出場/0得点0アシスト

 パリ・サンジェルマン(PSG)からフリーで加入して瞬く間に最終ラインの中心となった世界最高峰のセンターバックだ。現在36歳でさすがにフル稼働が難しい身体になったとはいえ、ピッチに立った際の輝きは健在。元チェルシーのDFアシュリー・コールからは「彼は確かにディフェンスに落ち着きをもたらした」と賞賛されており、若い選手に良い影響を与えているとも言われていた。

 身長183cmと欧州で活躍する他のCBと比較すると小柄な部類に入るが、とにかく身体能力が高く、対人守備で大きく後手に回ることがない。また、カバーリングが抜群に冴えるなどクレバーな守備にも定評があり、試合の中で大きな穴となることがほぼないと言っていい。個人としてチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出は2季連続。昨年の悔しさを、ここで思い切りぶつけたいところだ。

アントニオ・リュディガー(ドイツ代表/背番号2)
生年月日:1993年3月3日(28歳)
20/21リーグ戦成績:19試合出場/1得点0アシスト
今大会成績:10試合出場/0得点1アシスト

 昨季中断明け以降にパフォーマンスレベルをやや落とし、今季は開幕からほとんど出番を与えられず、他クラブへの移籍も噂されていた。しかし、途中より同じドイツ人のトーマス・トゥヘルが新監督に就任すると、状況は好転。再びセンターバックのファーストチョイスに指名されるようになり、プレミアリーグやチャンピオンズリーグ(CL)で奮闘して評価を取り戻すことに成功した。

 身長190cm・体重85kgという魅力的な体格を誇っており、デュエルや空中戦では抜群の強さを誇っている。また、ただパワフルで後ろにどっしりと構えるだけでなく、その巨体からは想像できないようなスピードと機動力の良さを武器に広範囲をカバーできる点も大きな強みだ。そして、現代のCBには欠かせない足元のテクニックも高いレベルで兼備。能力の高さに疑いの余地はない。

MF

リース・ジェームズ(イングランド代表/背番号24)
生年月日:1999年12月8日(21歳)
20/21リーグ戦成績:32試合出場/1得点2アシスト
今大会成績:9試合出場/0得点1アシスト

 フランク・ランパード政権下で台頭し、イングランド代表に名を連ねるまでの存在となった若きサイドバック。1ゴール1アシストの大活躍でスタートを切った今季は途中で負傷離脱を経験することもあったが、トーマス・トゥヘル新監督就任後もコンスタントに出番を確保していた。終盤戦には、チェルシーのトップチーム昇格後初となる3バック一角としてのプレーも経験している。

 走力と豊富な運動量、そして強靭なフィジカルを兼ね備えており、特徴的なドレッドヘアーを靡かせながらサイドを全力疾走して攻撃に厚みをもたらすプレーが最大の持ち味。そのスタイルから同世代メイソン・マウントに「ビースト(野獣)」というニックネームをつけられている。クロスも非常に鋭い。一方で、守備面でやや粗さが見られる点がマイナスポイントとなっている。

ジョルジーニョ(イタリア代表/背番号5)
生年月日:1991年12月20日(29歳)
20/21リーグ戦成績:28試合出場/7得点1アシスト
今大会成績:11試合出場/1得点1アシスト

 恩師マウリツィオ・サッリ監督とともにチェルシーへやって来て3年目。当初は批判の的となることも多く、フランク・ランパード政権下ではベンチスタートを余儀なくされることも増えていたが、トーマス・トゥヘル新監督就任後はほぼすべての試合でスタメン起用されているなど、ここにきて再び評価を高めている。この男がいなければ、チャンピオンズリーグ(CL)決勝進出はなかっただろう。

 最終ラインからボールを引き出してワンタッチや浮き球パスで捌き、攻撃のリズムを生み出す。このゲームメイク能力に関しては間違いなくワールドクラスで、もちろんチェルシーでもこうした役割を担う上で背番号5の右に出る者はいない。ファイナルにおいても同選手が攻撃の起点になり続けるだろう。あとは、強度が低いとしばしば指摘される守備面でどれだけ貢献できるかに注目したい。

エンゴロ・カンテ(フランス代表/背番号7)
生年月日:1991年3月29日(30歳)
20/21リーグ戦成績:30試合出場/0得点2アシスト
今大会成績:12試合出場/0得点0アシスト

 2016年にレスターの奇跡のプレミアリーグ制覇に貢献し、一気に注目の的に。そこからどんどんと凄みを増していき、今や世界トップクラスの守備的MFとして認められるようになった。そんな背番号7は18日のレスター戦で負傷交代。最終節アストン・ヴィラ戦も欠場していたが、どうやら今回の決勝には間に合う見込み。ひとまず、サポーターにとっては安心といったところだろうか。

 小柄な体に搭載された無尽蔵のスタミナを武器に広範囲をカバーし、ボールを確実に狩り取るなど守備能力の高さがよくフォーカスされるが、攻撃面の存在感もピカイチ。マイボール移行後の縦への推進力は凄まじく、あっという間にゴール前まで侵入してチャンスの幅を広げることができる。準決勝レアル・マドリード戦でもこうしたプレーが効きまくっていた。もちろん、決勝でも期待「大」。

ベン・チルウェル(イングランド代表/背番号21)
生年月日:1996年12月21日(24歳)
20/21リーグ戦成績:27試合出場/3得点5アシスト
今大会成績:9試合出場/1得点0アシスト

 レスターからチェルシーにやって来た当初は不安定なプレーを見せることも多かったが、試合を重ねるごとに存在価値はどんどん上昇。豊富な運動量と脚力を武器に90分間サイドでのスプリントを繰り返し、DFながらリーグ戦3得点5アシストの成績を残した。また、守備でも粘り強く戦い、自身の受け持つサイドに責任もって蓋を。高い移籍金に見合うだけの活躍を披露したと言えるだろう。

 プロキャリアの中で“主力として”タイトルを獲ったことは一度もない。2015/16シーズンにプレミアリーグ制覇を経験したが、この時は出場が0試合。今季FAカップ決勝では終盤に同点ゴールを決めた…と思いきやオフサイド判定でノーゴールとなり、最終的に古巣レスターに0-1で敗れてしまった。今回はチームのレギュラーとして、タイトルを掴み取ることができるだろうか。

FW

ハキム・ツィエク(モロッコ代表/背番号22)
生年月日:1993年3月19日(28歳)
20/21リーグ戦成績:23試合出場/2得点3アシスト
今大会成績:10試合出場/2得点0アシスト

 ツーシャドーは最も予想が難しいポジションだ。メイソン・マウントはほぼ確実だが、他にクリスティアン・プリシッチやカイ・ハフェルツがおり、ティモ・ヴェルナーもできる。ただ、プリシッチは終盤全く調子が良くなく、ヴェルナーは最前線での出場が濃厚。そうなると終盤に1トップとして調子を上げたハフェルツはベンチに回ると予想する。そのため今回は、モロッコ代表MFを挙げた。

 今季アヤックスから加わった背番号22はとにかく足元のテクニックに長けており、狭いエリアでボールを受けても巧みなタッチを使いながら難なくキープすることができる。また、左足のキック精度の高さも大きな武器で、とくに右サイドから相手GKに向かっていくようなクロスは絶品。文字通りゴールに「直結」する。ビッグイヤーが懸かった試合で、この男の左足から歓喜の瞬間は生まれるか。

メイソン・マウント(イングランド代表/背番号19)
生年月日:1999年1月10日(22歳)
20/21リーグ戦成績:36試合出場/6得点6アシスト
今大会成績:10試合出場/2得点1アシスト

 フランク・ランパード監督の下で昨季ブレイクしたチェルシーの未来だ。今季も開幕からスタメン出場を継続しており、FAカップではキャプテンも経験。恩師ランパードが去りトーマス・トゥヘルが新監督に就任した後も、変わらずレギュラーとしてシーズンを駆け抜けた。今季の最終的なリーグ戦成績は6得点6アシスト。チームで2番目に多く得点に関与した選手となった。

 オフェンスセンスは22歳とは思えぬほど光るものがある。正確なキックと視野の広さを武器にチャンスメークすることもできれば、非凡な動き出しから危険なエリアに侵入し自らフィニッシャーになることも。そして、強度の高いプレミアリーグで十分に通用するほどのフィジカルも持っており、それを活かしたドリブル突破でも存在感を誇示する。まさに、何でもできてしまう恐ろしいMFだ。

ティモ・ヴェルナー(ドイツ代表/背番号11)
生年月日:1996年3月6日(25歳)
20/21リーグ戦成績:35試合出場/6得点12アシスト
今大会成績:11試合出場/4得点2アシスト

 RBライプツィヒでゴールを大量生産し、昨夏大きな期待を受けてチェルシーにやって来た。しかし、プレミアリーグ参戦1年目はなかなか苦労した。超がつくほどのビッグチャンスを逃すことが何度かあり、継続してゴールを記録することができず。最終的にリーグ戦では6得点を奪ったが、やはりストライカーとしてはかなり寂しい数字。加入当初の期待値を下回ったのは事実だろう。

 ただ、まったくダメダメだったわけではない。自慢のスピードを活かして相手背後へのランニングを繰り返すなど動き自体は悪くなく、プレミアリーグでは12アシストを記録している通り、チャンスに絡む機会も決して少なくなかった。もちろん、ゴール数は褒められたものではないが、チームに馴染んできているのは事実だろう。決勝で、何かをやってくれる雰囲気は漂っている。

予想フォーメーション

▽GK
エドゥアール・メンディ

▽DF
セサル・アスピリクエタ
チアゴ・シウバ
アントニオ・リュディガー

▽MF
リース・ジェームズ
ジョルジーニョ
エンゴロ・カンテ
ベン・チルウェル

▽FW
ハキム・ツィエク
メイソン・マウント
ティモ・ヴェルナー

監督
トーマス・トゥヘル