10位:35歳でも衰える気配のない世界最高のMF

リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。
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MF:ルカ・モドリッチ(クロアチア代表/レアル・マドリード)
生年月日:1985年9月9日(35歳)
市場価格:1000万ユーロ(約12億円)
19/20リーグ戦成績:31試合出場/3得点8アシスト

 クロアチアで生まれ育ったルカ・モドリッチは、世界最高のMFと呼ばれるまでに成長した。172cmと小柄で、強靭な「フィジカル」や「スピード」があるわけではない。にもかかわらず、レアル・マドリードという巨大なクラブで9年間もプレーし、15年に渡ってクロアチア代表の中心選手として活躍している。モドリッチのプレーを見ても、今年36歳になるとは到底思えない。

 特筆すべきはモドリッチの「IQ」だ。身体能力で劣るモドリッチは、自分がどこにいるべきかを常に理解し、適切なポジションを取っている。ビルドアップのサポートに入り、サイドに開いて数的優位を生み出し、空いたスペースに飛び出していく。セントラルMFというポジションは多くのタスクが要求されるが、それを高いレベルで遂行している。

 もちろん、ボールを扱う技術も高い。相棒のトニ・クロースには劣るが、ロングレンジのパスは正確で、ラストパスの質も高い。90分間落ちない走力と、巧みなコース取りから生まれる「ドリブル」はチームに推進力を生む。モドリッチの技術とインテリジェンスに、MFとして必要なプレーが詰まっていると言っても過言ではない。

<h2>9位:リバプールで奇跡を起こしたMF

MF:ジョルジニオ・ワイナルドゥム(オランダ代表/リバプール)
生年月日:1990年11月11日(30歳)
19/20リーグ戦成績:37試合4得点0アシスト
市場価値:4000万ユーロ(約48億円)

 ジョルジニオ・ワイナルドゥムは5年間プレーしたリバプールを離れる決断を下した。オランダ時代やニューカッスルではトップ下やウイングでプレーすることが多かったが、ユルゲン・クロップ監督はワイナルドゥムをインサイドハーフで起用した。ときにはアンカーとしてもプレーするポリバレントさを見せ、欧州制覇と初のプレミアリーグ優勝を成し遂げたチームを支えた。

 175cmと上背はないが、身体能力とボールタッチに優れている。巧みなボールタッチから生まれる「ドリブル」で相手をかわし、アタッキングサードにボールを運んでいく。「空中戦」にも強く、高精度を誇るリバプールの両サイドバックが放つクロスボールに対しても、積極的に飛び込んでいく。「リバプールの奇跡」と呼ばれた18/19シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ準決勝では、2ndレグで2得点をマーク。1得点目はトレント・アレクサンダー=アーノルドのグラウンダーのクロスを右足で決めたもので、ジェルダン・シャキリのクロスを頭で押し込んで2戦合計スコアを3-3のタイとした。

 ハードワークを基調に、攻守において高いクオリティを見せるワイナルドゥムは、まさにリバプールのエンジンのような存在だった。リバプールでの最後の試合ではキャプテンマークを巻き、78分までプレーした。ピッチを後にする際に本拠地アンフィールドの約1万人の観客から送られた万雷の拍手は、リバプールにおける存在の大きさを表していた。

<h2>8位:イタリアが生んだ最高品質のエンジン

MF:ニコロ・バレッラ(イタリア代表/インテル)
生年月日:1997年2月7日(24歳)
19/20リーグ戦成績:27試合1得点5アシスト
市場価値:5500万ユーロ(約66億円)

 ロシアワールドカップ出場を逃したイタリア代表は若返りを図ったが、その中心的存在となったのがニコロ・バレッラだ。21歳で代表デビューを飾り、昨季はアントニオ・コンテ監督の誘いを受けてインテルに移籍。完全移籍に切り替わった今季はチームの心臓としてリーグ優勝の原動力となった。

 MFとして求められる能力のほとんどを備えている。172cmという小柄な身体は「空中戦」こそウィークポイントになっているが、オン・ザ・ボールでもオフ・ザ・ボールでもプレーの質は高い。非凡なボールテクニックでつなぎ役となり、鋭いパスでチャンスを生み出す。直接FKやミドルシュートを決められるキック力にも目を見張るものがある。

 守備における貢献度も高い。豊富な運動量でピッチ全体をカバーし、鋭いタックルで果敢にボールを奪う。体格で優る相手にも物おじせずに立ち向かうのも魅力。カリアリ時代は若くしてPKキッカーを任されているように、その「メンタル」の強さもバレッラの活躍を物語る要素の1つとなっている。最高品質の動力源となっているバレッラが、イタリア産最高のMFの1人であることに疑いの余地はない。

<h2>7位:驚異的な得点感覚、マンC最多ゴールのMF

MF:イルカイ・ギュンドアン(ドイツ代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1990年10月24日(30歳)
市場価格:4000万ユーロ(約48億円)
19/20リーグ戦成績:31試合出場/2得点1アシスト

 少なくとも昨季までは、中盤のプレーメイカーという役割がイルカイ・ギュンドアンという選手を示すのにぴったりだった。インサイドハーフやアンカーとして、適切なポジションで味方をサポートし、正確なキックでボールをつないでいく。あまり目立つことはないが、その活躍をペップ・グアルディオラ監督も高く評価しており、UEFAチャンピオンズリーグやプレミアリーグのビッグマッチでは、必ずと言っていいほどギュンドアンを起用していた。

 しかし、20/21シーズンはプレミアリーグで13得点をマーク。ブンデスリーガ時代を含めてギュンドアンにとっては初の2ケタ得点で、今季のチーム最多得点者となった。セルヒオ・アグエロが負傷に苦しんだ中、ギュンドアンはフィニッシャーとしての役割を担っていた。

 優秀なパスの出し手は、受け手としても優秀だった。グアルディオラ監督はギュンドアンを「ボックスへ入り込む動きの驚異的なセンスがある」と称賛している。相手の背後を取る動きは巧妙で、ボックス内に走りこむタイミングも絶妙。出し手として動いてほしい動きを理解しているからこそ、受け手に回ったときもそれを実践することができるのだろう。

<h2>6位:中盤ならどこでも! アトレティコに優勝をもたらした熱血漢

MF:コケ(スペイン代表/アトレティコ・マドリード)
生年月日:1992年1月8日(29歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
19/20リーグ戦成績:32試合出場/4得点5アシスト

 20/21シーズンのアトレティコ・マドリードは7シーズンぶりのラ・リーガ制覇を成し遂げた。一時は独走したものの、終盤戦ではバルセロナ、レアル・マドリード、セビージャとの四つ巴となる時期もあった。それでも強い信念で逃げ切り、コケはキャプテンとして初めてチームをタイトルに導いている。

 強い精神力はディエゴ・シメオネ監督が作り上げたチームを表す要素の1つだが、それをピッチで体現しているのがコケだ。誰よりも長い距離を走り、プレーと言葉でチームを引っ張る。今季のアトレティコは複数の布陣を使い分けていたが、コケはアンカーから攻撃的MFまで、中盤のすべてのポジションをこなした。その万能性も、コケの特徴の1つである。

 MFとしては、ボール捌きにも非凡なものがあり、当たり負けしないフィジカルや推進力のあるドリブルも魅力だ。アンカーなど低い位置でプレーする際はよりバランスを意識し、サイドで起用されたときは積極的に攻撃にかかわっていく。ポジションによって適切なプレーを選べることも、コケが第一線で活躍できる要因の1つと言えるだろう。

【了】