GK

EURO2020(欧州選手権)が1年の延期を経て現地時間6月11日に開幕を迎える。世界が注目するビッグイベントに、果たしてどのような選手たちが挑むのだろうか。今回は、3年前のロシアワールドカップで3位に輝いたベルギー代表の招集メンバー全26名と基本スタメン&フォーメーションを紹介する。(代表通算成績は2021年6月6日クロアチア代表戦終了時点のもの)
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ティボー・クルトワ(背番号1)
生年月日:1992年5月11日(29歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
20/21リーグ戦成績:38試合出場/28失点
代表通算成績:84試合出場/61失点

 レッドデビルズ(赤い悪魔)の愛称を持つベルギー代表の正GKを務めるティボー・クルトワは、相手チームにとっては悪魔のような存在だ。昨季のレアル・マドリードでは最多クリーンシート(無失点)をマークしたGKに与えられるサモラ賞を受賞した。今季も昨季の18回にあと1回に迫るクリーンシート数をマーク。ベルギー代表が悲願の優勝をつかみ取るには、83試合に出場してきた29歳の守護神の活躍が不可欠だ。

シモン・ミニョレ(背番号12)
生年月日:1988年3月6日(33歳)
所属クラブ:クラブ・ブルージュ
20/21リーグ戦成績:33試合出場/24失点
代表通算成績:31試合出場/32失点

 経験豊富なシモン・ミニョレがクルトワの控えにいるのは心強い。リバプール時代は批判の的にされることも多かったが、ベルギー国内での実力は圧倒的。昨季加入したクラブ・ブルージュでリーグ連覇に貢献している。シュートストップ技術は欧州でもトップレベルで、PKにも強い。ミニョレがベルギー代表のヒーローになる場面が訪れるかもしれない。

マッツ・セルス(背番号13)
生年月日:1992年2月26日(29歳)
所属クラブ:ストラスブール(フランス)
20/21リーグ戦成績:6試合出場/13失点
代表通算成績:1試合出場/0失点

 A代表見出場のマッツ・セルスがEUROに臨む。世代別のベルギー代表にはコンスタントに選ばれていたが、ティボー・クルトワらの陰に隠れる存在だった。ストラスブールでは2年間、正GKとして活躍してきたが、今年7月にアキレス腱を断裂。川島永嗣にポジションを奪われたが、シーズン終盤に復帰して6試合に出場している。クルトワ、ミニョレに次ぐ3番手としてチャンスを待つことになりそうだ。

<h2>DF

トビー・アルデルワイレルド(背番号2)
生年月日:1989年3月2日(32歳)
所属クラブ:トッテナム(イングランド)
20/21リーグ戦成績:25試合出場/1得点0アシスト
代表通算成績:109試合出場/5得点10アシスト

 ベルギー代表デビューから12年、トビー・アルデルワイレルドは100試合を超えるキャップ数を誇る。今季のトッテナムではベンチを温める時期もあったが、ベルギー代表に還元される実績と経験は計り知れない。クレバーな守備対応と正確なロングフィードは健在。長年に渡ってプレーしてきたヤン・フェルトンゲンやトーマス・フェルマーレンとともに、鉄壁のDFを築き上げる。

トーマス・フェルマーレン(背番号3)
生年月日:1985年11月14日(35歳)
所属クラブ:ヴィッセル神戸(日本)
20/21リーグ戦成績:9試合出場/1得点0アシスト
代表通算成績:80試合出場/2得点0アシスト

 トーマス・フェルマーレンは遠く離れた日本からEUROに参戦する。バルセロナから移籍して2年が経ち、今季はJリーグ初ゴールも決めた。正確なフィード能力や、ボールホルダーと対峙した際の冷静な対応は、世界最高峰の舞台でやってきた貫禄がある。ポジションは保証されていないが、35歳までにオランダ、イングランド、スペイン、日本と各国を渡り歩いてきた経験は活かされるはずだ。

デドリック・ボヤタ(背番号4)
生年月日:1990年11月28日(30歳)
所属クラブ:ヘルタ・ベルリン(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:23試合出場/1得点0アシスト
代表通算成績:22試合出場/0得点0アシスト

 デドリック・ボヤタは所属するヘルタ・ベルリンで主将を務めている。強靭な肉体を活かしたパワフルな守備を持ち味としている。昨年12月に中足骨を疲労骨折して欠場が続いていたが、3月の代表戦に強行召集された。しかし、3か月ぶりに復帰した試合で太ももを負傷。幸いにも5月に復帰を果たし、ベルギー代表のメンバーにも加わっている。

ヤン・フェルトンゲン(背番号5)
生年月日:1987年4月24日(34歳)
所属クラブ:ベンフィカ(ポルトガル)
20/21リーグ戦成績:28試合出場/0得点0アシスト
代表通算成績:127試合出場/9得点6アシスト

 8シーズンプレーしたトッテナムとの契約が昨夏で満了となったヤン・フェルトンゲンは、ポルトガルのベンフィカへ移籍した。2019年4月の試合中に負った脳震盪がその後のプレーに影響を及ぼしたが、今季のベンフィカではシーズンを通して活躍。ベルギー代表の最多出場記録を持つキャプテンは、優勝に必要な存在だ。

トーマス・ムニエ(背番号15)
生年月日:1991年9月12日(29歳)
所属クラブ:ドルトムント(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:21試合出場/1得点1アシスト
代表通算成績:47試合出場/7得点14アシスト

 トーマス・ムニエは積極的な攻め上がりが特徴のサイドバックだ。左サイドからのクロスに積極的に飛び込んでいき、191cmの長身を活かしたヘディングやFW顔負けのシュートでゴールも期待できる。大味な守備は相変わらずで、一発勝負の大舞台では不安が残る。安定感で優るカスターニュとポジションを争うことになるだろう。

ジェイソン・デナイヤー(背番号18)
生年月日:1995年6月28日(25歳)
所属クラブ:リヨン(フランス)
20/21リーグ戦成績:31試合出場/1得点0アシスト
代表通算成績:25試合出場/1得点0アシスト

 今回召集されたセンターバック5人の中で最年少となったのが、リヨンに所属するジェイソン・デナイヤーだ。機動力に長けたDFで、カバーエリアの広さは他のセンターバックに比べても長けている。2019年以降はベテランDF陣に代わって出場機会を増やしており、ベルギー代表における存在感を高めている。

ティモシー・カスターニュ(背番号21)
生年月日:1995年12月5日(25歳)
所属クラブ:レスター(イングランド)
20/21リーグ戦成績:27試合出場/2得点3アシスト
代表通算成績:14試合出場/2得点2アシスト

 昨夏、イタリアのアタランタから移籍したティモシー・カスターニュは、レスターをFAカップ制覇へと導いた。アタランタ時代からプレーする右ウイングバックだけでなく、両サイドバックや3バックの一角を務める器用さが持ち味。ロシアワールドカップ後に加わったベルギー代表では、トーマス・ムニエと右ウイングバックのポジションを争うことになる。

<h2>MF

アクセル・ヴィツェル(背番号6)
生年月日:1989年1月12日(32歳)
所属クラブ:ドルトムント(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:15試合出場/0得点0アシスト
代表通算成績:110試合出場/10得点8アシスト

 1月にアキレス腱断裂の大怪我を負いながらも、アクセル・ヴィツェルはベルギー代表にサプライズ召集を果たした。ドルトムントではシーズン中の復帰はできなかったが、リハビリは予定通り進んでいるという。攻守において隙のないヴィツェルのプレーはドルトムントとベルギー代表に安定感をもたらす。フル稼働は難しいかもしれないが、時間帯を限定すれば輝く場面が訪れるかもしれない。

ケビン・デ・ブライネ(背番号7)
生年月日:1991年6月28日(29歳)
所属クラブ:マンチェスター・シティ(イングランド)
20/21リーグ戦成績:25試合出場/6得点12アシスト
代表通算成績:80試合出場/21得点38アシスト

 負傷のため欠場した時期もあったが、プレミアリーグで2ケタアシストを記録し、マンチェスター・シティを2年ぶりの優勝へと導いた。しかし、UEFAチャンピオンズリーグ決勝で相手選手と衝突して顔面を骨折。軽度の手術を経て回復を待つことになる。絶対的司令塔を欠くことになると、ベルギー代表の攻撃は迫力を失うことになりそうだ。

ユーリ・ティーレマンス(背番号8)
生年月日:1997年5月7日(24歳)
所属クラブ:レスター(イングランド)
20/21リーグ戦成績:38試合出場/6得点4アシスト
代表通算成績:39試合出場/4得点8アシスト

 19歳でベルギー代表デビューを果たし、プレミアリーグの第一線で活躍するユーリ・ティーレマンス。優れた状況判断能力と巧みなテクニックで、攻守に貢献する。今季のプレミアリーグでは全試合に出場するタフさは、短期決戦のEUROでも活かされるだろう。ヴィツェルとデ・ブライネが負傷の影響でフル稼働が期待できないため、ティーレマンスに対する期待は大きくなるはずだ。

トルガン・アザール(背番号16)
生年月日:1993年3月29日(28歳)
所属クラブ:ドルトムント(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:16試合出場/1得点3アシスト
代表通算成績:35試合出場/6得点6アシスト

 ボールを持ったときの姿勢やボールタッチは兄のエデン・アザールと似ているが、2歳年下のトルガン・アザールはより低い位置でもプレーできる器用さがある。所属するドルトムントでは両ウイングや最前線で起用されることもあるが、ベルギー代表では主に左ウイングバックを担当する。今季は2度に渡る太ももの負傷で思うような結果を残せなかったが、EUROで復調をアピールしたいところだ。

ハンス・ヴァナケン(背番号17)
生年月日:1992年8月24日(28歳)
所属クラブ:クラブ・ブルージュ
20/21リーグ戦成績:30試合出場/8得点7アシスト
代表通算成績:10試合出場/2得点1アシスト

 クラブ・ブルージュで4度のリーグ優勝を経験し、ベルギー年間最優秀選手に2度も選ばれたハンス・ヴァナケン。194cmという長身だが、足下の技術に優れ、インサイドハーフやトップ下でのプレーを得意としている。タレントが揃うベルギー代表ではなかなかチャンスが回ってこなかったが、3月のベラルーシ戦で2得点1アシストと大爆発し、メンバー入りを果たした。デ・ブライネやヴィツェルの負傷が心配される中、ヴァナケンにとっては大きなチャンスとなるかもしれない。

レアンデル・デントンケル(背番号19)
生年月日:1995年4月15日(26歳)
所属クラブ:ウォルバーハンプトン(イングランド)
20/21リーグ戦成績:33試合出場/1得点0アシスト
代表通算成績:17試合出場/0得点1アシスト

 レアンデル・デントンケルは守備的MFを本職としているが、所属するウォルバーハンプトンでは最終ラインで起用されることも多い。スピードがあり、空中戦にも強いが、センターバックとしてはやや不安定な場面も散見される。今大会ではアキレス腱の負傷から復帰を目指すヴィツェルに代わって中盤の底でプレーするのがベターだろう。

デニス・プラート(背番号26)
生年月日:1994年5月14日(27歳)
所属クラブ:レスター(イングランド)
20/21リーグ戦成績:15試合出場/1得点1アシスト
代表通算成績:11試合出場/1得点2アシスト

 デニス・プラートは豊富な運動量でピッチを駆け回り、味方との連係でチャンスを生み出していくセントラルMFだ。今季のレスターでは1月にハムストリングを負傷して2か月間に渡って離脱し、復帰後はベンチを温める機会が増えてしまった。同じポジションの選手と比較すると序列は落ちるが、途中出場からチームに貢献できるプラートの存在は、ベルギー代表にとってプラスになるはずだ。

<h2>FW

ロメル・ルカク(背番号9)
生年月日:1993年5月13日(28歳)
所属クラブ:インテル(イタリア)
20/21リーグ戦成績:36試合出場/24得点10アシスト
代表通算成績:93試合出場/60得点14アシスト

 フィジカルを最大限に活かしたプレーで、ゴールを重ねるストライカーだ。インテルではラウタロ・マルティネスとの連係も深まり、今夏で退任したアントニオ・コンテ監督の指導もあって精神的にも成熟したフットボーラーとなった。味方を活かすプレーにも長けており、個性豊かなアタッカーを揃えるベルギー代表でもその存在は相手の脅威になるに違いない。

エデン・アザール(背番号10)
生年月日:1991年1月7日(30歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
20/21リーグ戦成績:14試合出場/3得点1アシスト
代表通算成績:107試合出場/32得点33アシスト

 チェルシーでも活躍したベルギー代表の背番号10が苦しい時間を過ごしている。2019年夏にレアル・マドリードに加入したが、度重なる怪我に悩まされ、2年間で公式戦わずか5得点。低い重心から繰り出すドリブルと、華麗なボールタッチから生まれる精度の高いシュートは魅力だが、先発から外れる可能性もある。ロシアワールドカップのような輝きを取り戻すことができるだろうか。

ヤニック・カラスコ(背番号11)
生年月日:1993年9月4日(27歳)
所属クラブ:アトレティコ・マドリード(スペイン)
20/21リーグ戦成績:30試合出場/6得点10アシスト
代表通算成績:46試合出場/6得点10アシスト

 アトレティコ・マドリードに所属するヤニック・カラスコはサイドのスペシャリストだ。左サイドでのプレーを得意とし、左右両足を駆使してテクニカルなドリブルを見せる。本来は攻撃が得意なウインガーだが、アトレティコではウイングバックとして起用されることも多いが、ベルギー代表では1列前のシャドーでプレーすることが多くなるだろう。

ドリース・メルテンス(背番号14)
生年月日:1987年5月6日(34歳)
所属クラブ:ナポリ(イタリア)
20/21リーグ戦成績:29試合出場/9得点8アシスト
代表通算成績:98試合出場/21得点29アシスト

 ドリース・メルテンスは攻撃陣最年長でベルギー代表に名を連ねた。チームの中では最も小柄で、巧みなボールタッチを活かしてゴールに迫る。今季のナポリでは最前線だけでなく、トップ下でもプレー。ヴィクター・オシムヘンの背後でプレーした経験は、ルカクとの共存のヒントになるだろう。

クリスティアン・ベンテケ(背番号20)
生年月日:1990年12月3日(30歳)
所属クラブ:クリスタル・パレス(イングランド)
20/21リーグ戦成績:30試合出場/10得点1アシスト
代表通算成績:39試合出場/16得点5アシスト

 クリスティアン・ベンテケはリバプールでは輝けなかったが、プレミアリーグで5度の2ケタ得点を記録している。屈強な身体を活かしたポストプレーや空中戦の競り合いは武器だが、フィニッシュの精度という点ではルカクに劣るかもしれない。EUROではベンチからチャンスをうかがうことになりそうだ。

ナセル・シャドリ(背番号22)
生年月日:1989年8月2日(31歳)
所属クラブ:バシャクシェヒル(トルコ)
20/21リーグ戦成績:18試合出場/3得点3アシスト
代表通算成績:64試合出場/8得点9アシスト

 ロシアワールドカップで日本代表から逆転ゴールを奪ったナセル・シャドリは、現在トルコのバシャクシェヒルでプレーしている。独特なリズムから仕掛けるドリブルで攻撃のアクセントを生む。ベルギー代表ではエデン・アザールらとポジションを争うことになりそうだが、日本代表戦のように試合途中から流れを変える活躍も期待できる。

ミシー・バチュアイ(背番号23)
生年月日:1993年10月2日(27歳)
所属クラブ:クリスタル・パレス(イングランド)
20/21リーグ戦成績:18試合出場/2得点2アシスト
代表通算成績:34試合出場/22得点3アシスト

 母国の強豪スタンダール・リエージュから20歳のときにフランスのマルセイユ、その2年後にはチェルシーに移籍したミシー・バチュアイ。そのポテンシャルの高さは誰もが認めるところだが、プレミアリーグでは今のところ結果を残せず、期限付き移籍を繰り返している。それでもベルギー代表では34試合22得点と結果を残しており、EUROでも大爆発が期待できる。

レアンドロ・トロサール(背番号24)
生年月日:1994年12月4日(26歳)
所属クラブ:ブライトン(イングランド)
20/21リーグ戦成績:35試合出場/5得点5アシスト
代表通算成績:7試合出場/2得点0アシスト

 ベルギーで実績を積んだレアンドロ・トロサールは、2019年夏にイングランドへと渡った。ブライトンでは2シーズン続けて得点をマーク。トップ下や左サイドを主戦場とし、細かいボールタッチからチャンスを生み出す。体格に恵まれているわけではないが、優れたアジリティとテクニックで相手を翻弄する。

ジェレミー・ドク(背番号25)
生年月日:2002年5月27日(19歳)
所属クラブ:レンヌ(フランス)
20/21リーグ戦成績:30試合出場/2得点3アシスト
代表通算成績:8試合出場/2得点2アシスト

 EUROのメンバーに最年少で選出されたのが、フランスのレンヌでプレーするジェレミー・ドク。2002年生まれの19歳で、昨年9月に代表デビューを果たしている。フランス挑戦1年目の今季は2得点だったが、爆発的なスピードとDF陣を切り裂くドリブルは魅力的。高齢化が進むベルギー代表にとっては、次世代の中心を担うことが期待されている。

【了】