20位:ロシアの地で再び評価上昇中

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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MF:クインシー・プロメス(オランダ代表/スパルタク・モスクワ)
生年月日:1992年1月4日(29歳)
市場価格:1500万ユーロ(約18億円)
20/21リーグ戦成績:19試合出場/6得点0アシスト(アヤックス)
20/21リーグ戦成績:11試合出場/3得点3アシスト(スパルタク・モスクワ)

 トゥエンテやスパルタク・モスクワで着実に力をつけ、2018年にセビージャへステップアップするも失敗。その翌年に移籍したアヤックスでも、結局はレギュラーに定着することができなかった。しかし、今年2月に移籍した古巣S・モスクワでは瞬く間に中心的存在に。ロシア・プレミアリーグでは約3ヶ月間で3得点3アシストを記録するなど躍動した。

 非凡な「スピード」を活かした「ドリブル」で一気にボールを前進させられるのがクインシー・プロメス最大の魅力。左右両足のレベルが高く、中に切り込んでも縦に突破しても“仕上げ”まで持ち込むことができるので、マッチアップする選手からすると非常に捕まえずらい。単独での突破力に関しては、現役オランダ人プレーヤーの中でもトップクラスと言えるだろう。

 ただ、上記のことから典型的なウインガーというイメージを持つ方も多いかもしれないが、実は中央でプレーした際のチャンスメーク能力もかなり高い。左右両足で巧みにボールをコントロールし、相手を引き付けてから味方を活かすということをこの男は平然とやってのける。だからこそ、今冬移籍したS・モスクワではトップ下起用がメインとなっているのだ。

「フィジカル」があまり強くなく、好不調の波も小さくないというのがウィークポイントだが、上記のことからも分かる通りオフェンスセンスに関しては疑いの余地がない。ランキング入りは妥当な結果と言えるだろう。

19位:シメオネから信頼され続けた男

MF:トマ・レマル(フランス代表/アトレティコ・マドリード)
生年月日:1995年11月12日(25歳)
市場価格:2500万ユーロ(約30億円)
20/21リーグ戦成績:27試合出場/1得点4アシスト

 アトレティコ・マドリード加入後はなかなか存在感を示せず批判の的となっていたが、ディエゴ・シメオネ監督からの信頼は決して揺るがなかった。すると2020/21シーズン、基本ポジションをサイドから中へと移すと、指揮官の期待に応えるように躍動。終盤は怪我に悩まされることもあったが、チームのラ・リーガ制覇に貢献することになった。

「スピード」に乗った「ドリブル」が最大の魅力といういかにもフランス人らしいアタッカーで、とくにカウンター時は抜群の存在感を発揮する。また、トップスピードを維持した状態でもボールの扱いが乱れないなど「テクニック」の高さも特長で、狭いエリアでのプレーを苦にしていない。相手が足を出す瞬間にいやらしくボールをズラすのは、レフティーの得意分野である。

 左足のキック精度が高いため、セットプレーのキッカーとしても優秀。高質な対角線のロングフィードは、2020/21シーズンでも何度か見られていた。一方で、これだけ多くの武器を持ちながら、得点やアシストが少ないのは気になるポイント。今後より上のレベルを目指すには、やはり目に見える数字を継続して残していくことが求められるだろう。

 充実した2020/21シーズンを経て迎える新シーズンはこれまで以上に期待を寄せられることになるはずだが、フランス人レフティーはそのプレッシャーに打ち勝つことができるか。注目だ。

18位:頼もしさが増すフランス人

MF:クリストファー・エンクンク(フランス/RBライプツィヒ)
生年月日:1997年11月14日(23歳)
市場価格:4300万ユーロ(約51.6億円)
20/21リーグ戦成績:28試合出場/6得点7アシスト

 パリ・サンジェルマン(PSG)の下部組織出身で18歳の時にトップチームに昇格したが、スター軍団の同チームに定着することはできなかった。しかし、2019年に加入したRBライプツィヒでは貴重な戦力としてプレー。ドイツ1年目にはブンデスリーガだけで15アシストという成績も残していた。ちなみに2020/21シーズンはキャリア最多となるリーグ戦6得点をマークしている。

 攻撃的なポジションならどこでもこなす器用な選手で、非凡なキック精度を誇っているのも大きな魅力。中央でプレーした際には視野の広さを保って繊細な「パス」を通し、サイドに流れた際には鋭く正確なクロスからチャンスを作り出すことができる。意外なタイミングや場所からもボールを積極的に出してくるので、相手からすると厄介な存在だ。

 トップ「スピード」を維持したまま繰り出す「ドリブル」は破壊力満点で、単独で局面を打開することを決して苦にしていない。もちろん「テクニック」も水準以上で、足裏やターンを駆使して相手の囲みを無力化することも多い。このように、クリストファー・エンクンクはボールを持った際のアクションが実に豊富である。

 ディフェンスの貢献度はまだまだ高めていく必要がありそうだが、試合に出続けることで自信を深め、攻撃面でより頼もしい存在となっているのは明らか。このままいけば、ステップアップも十分にあり得るだろう。

17位:テクニックは絶品だが…

MF:イスコ(スペイン代表/レアル・マドリード)
生年月日:1992年4月21日(29歳)
市場価格:1800万ユーロ(約21.6億円)
20/21リーグ戦成績:25試合出場/0得点2アシスト

 2020/21シーズンでレアル・マドリード在籍は7年目を迎えることになったが、相変わらず存在感は大きくなかった。ジネディーヌ・ジダン監督の下ではラ・リーガ25試合に出場するも、そのほとんどが途中出場。合計プレータイムは1000分にも届いていない。そして、公式戦での得点はなんと「0」。マドリー加入後としては初となる、不名誉な記録となってしまった。

 しかし、イスコが能力の高い選手であるということに、疑いの余地はない。とくに「テクニック」に関しては、他の並み居るプレーヤーと比較してもかなりハイレベルだ。複数人に囲まれても自由自在にボールを扱うことで簡単には失わず、観る者を魅了するようなトリッキーなプレーで相手を無力化することも多い。

 そして「ドリブル」のセンスも見事。細かなタッチを繰り返しながら相手の出方をうかがい、重心をうまく利用して確実に一枚剥がすことができる。そこからどんどんと前進して数的優位な状況をチームにもたらしてしまうのだ。また、シンプルに味方を使うなど、抜群の技術力がありながら独善的になりすぎないという点も、イスコの魅力であると言えるだろう。

 一方で爆発的な「スピード」がないので、縦への抜け出しなどはほとんど見られず。4-3-3ベースのマドリーではウイング起用もあるが、物足りなさは否めない。また、守備強度の低さを指摘されることもしばしば。そのため、インサイドハーフにおいても若干の不安がある。ここが、マドリーで試合に絡めない理由と言えるだろう。

16位:圧倒的なセンスを持つ魔術師

MF:ダビド・シルバ(元スペイン代表/レアル・ソシエダ)
生年月日:1986年1月8日(35歳)
市場価格:500万ユーロ(約6億円)
20/21リーグ戦成績:21試合出場/2得点5アシスト

 バレンシアで頭角を現し、スペイン代表の黄金期も支えた。2010年から所属するマンチェスター・シティでも欠かせない存在となり、9年間の在籍で14個ものタイトルを獲得に貢献している。まさにクラブのレジェンドと言えるだろう。そして、昨季からはレアル・ソシエダに所属。1年目はリーグ戦21試合の出場で2得点5アシストの成績を残していた。

 そんなダビド・シルバは今年で35歳。サッカー選手としては立派なベテランである。しかし、当然ながら「テクニック」の高さは今なお世界トップレベル。狭いスペースでボールを受けることも、わずかなコースに「パス」を通すことも簡単にやってのけてしまう。とくに、バイタルエリアで放つ輝きは、他のプレーヤーを寄せ付けないほど眩しいものがある。

 そしてD・シルバと言えば忘れてはならないのが、「IQ」の高さである。常に良いポジショニングをして攻撃に絡むことができる選手で、判断力を誤ることもめっぽう少ない。また、相手選手を欺くような創造性も兼備。だからこそ、上記したようなバイタルエリアでの怖さが際立っているのだ。この男はまさに、ボールとゲームをコントロールする魔術師である。

「フィジカル」や「スピード」、「空中戦」などは、他の選手に比べ数値を落とす項目も多いのは事実だが、それでも攻撃的MFとしてのセンスは今なおトップクラスである。間違いなく、サッカー界の歴史にその名を刻む一人になると言えるだろう。