100億円を超える移籍金(契約解除金)も珍しくなくなったサッカー界で、2021年に最も市場価値を上げたのは誰なのか。今回フットボールチャンネル編集部は、データサイト『transfermarkt』が算出した市場価値上昇額ランキングを紹介する。※2020年7月1日と現在の市場価格を比較。数字は6月23日時点、価格が並んだ場合の順位はサイトに準拠

20位:イタリアが生んだ逸材MF

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MF:ニコロ・バレッラ(インテル / イタリア代表)

生年月日:1997年2月7日(24歳)

市場価値の増加額:2900万ユーロ(約34.8億円 / 80.6%UP)
市場価値の変動:3600万ユーロ(約43.2億円)→6500万ユーロ(約78億円)
20/21リーグ戦成績:36試合3得点9アシスト

 カリアリの下部組織出身であるニコロ・バレッラは2015年1月のコッパ・イタリア・ラウンド16のパルマ戦でデビュー。続く同年5月のパルマ戦でセリエAデビューを果たした。

 だが、バレッラはカリアリで中々出場機会を与えられず。2016年1月にカルチョ・コモへレンタル移籍となった。シーズン途中の加入だったが、主力としてプレーした。翌シーズンはカリアリに復帰し、それ以降は主力として活躍した。

 そしてカリアリでの活躍が認められると、2019年7月にインテルへ買い取り義務付きのレンタル移籍。今季は36試合3得点9アシストを記録し、インテルのリーグ優勝に貢献。自身もセリエA最優秀MFに選出された。

 バレッラはセントラルMFとして求められるほぼすべてのプレーをこなすことができる。縦横無尽に走り回りボールを捌くこともでき、強烈なミドルシュートも持っている。また、守備では力強いタックルでボールを奪取する。そんなバレッラは昨年7月の時点では市場価値が3600万ユーロ(約43.2億円)。インテルの優勝にも貢献したこともあり、80.6%アップとなった。

19位:肉体改造に成功した技巧派MF

MF:レオン・ゴレツカ(バイエルン / ドイツ代表)

生年月日:1995年2月6日(26歳)

市場価値の増加額:3000万ユーロ(約36億円 / 75%UP)
市場価値の変動:4000万ユーロ(約48億円)→7000万ユーロ(約84億円)
20/21リーグ戦成績:24試合5得点7アシスト

 レオン・ゴレツカは地元ボーフムの下部組織から2012年にトップチーム昇格。翌年7月にシャルケへ移籍となった。移籍初年度となった2013/14シーズンの序盤は中々出場機会を与えられなかったが、中盤辺りから出場機会が増える。このシーズンでの活躍が認められると、2014年5月にドイツのA代表デビューを果たした。

 シャルケ時代から怪我の多さに悩まされていたゴレツカは肉体改造を決断。新型コロナウイルスによる公式戦の中断期間を利用し、身体が一回りも二回りも大きくなった。プレーのクオリティは格段に上がっているように思われる。

 189cmという恵まれた体格を持つゴレツカだが、実は技巧派のMF。テクニックを武器にパスなどでチャンスを演出する。そこにフィジカルが加わったこともあり、非の打ち所のない選手になった。

 2019/20シーズンは公式戦38試合に出場8得点11アシストを記録。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)とリーグ優勝に貢献。今季もバイエルン・ミュンヘンのブンデスリーガ9連覇にも貢献した。

18位:ベルギー代表の怪物FW

FW:ロメル・ルカク(インテル / ベルギー代表)
生年月日:1993年5月13日(27歳)

市場価値の増加額:3200万ユーロ(約38.4億円 / 47.1%UP)
市場価値の変動:6800万ユーロ(約81.6億円)→1億ユーロ(約120億円)
20/21リーグ戦成績:36試合24得点10アシスト

 ロメル・ルカクは2009年にアンデルレヒトのトップチーム昇格。同年5月のジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー1部)のプレーオフでデビューとなった。その後2011年8月にチェルシーへ移籍し、プレミアリーグ初挑戦となる。

 しかし、初のイングランドでのプレーは苦しいものに。2012年にWBAにレンタル移籍。その後、レンタル移籍を経てエバートンへ完全移籍となる。エバートンでの活躍が認められたルカクは2017年7月にマンチェスター・ユナイテッドへ加入。在籍2年間で公式戦96試合42得点13アシストを記録するも、勝負弱さなどを指摘され度々批判を受けた。

 そして2019年8月にインテルへ完全移籍。クラブ史上最高額で加入となったルカクは、移籍初年度から活躍。今季はリーグ戦36試合に出場24得点を記録しチームの優勝に貢献した。だが、クリスティアーノ・ロナウドが圧倒的な決定力で29得点を記録し、惜しくも得点ランキング2位に終わった。

 身長190cm・体重94kgという体格を誇るルカク最大の武器はやはりフィジカル。それに加え、スピードも兼ね備えており縦への突破は非常に迫力がある。ルカクのドリブルを止められるDFはそう多くない。昨年7月の時点での6800万ユーロ(約81.6億円)も凄いが、そこからさらにアップし1億ユーロ(約120億円)にまでなった。ベルギー代表の怪物級FWの今後の活躍にも注目だ。

17位:ビジャレアルのEL優勝を支えた大型CB

DF:パウ・トーレス(ビジャレアル /スペイン代表)

生年月日:1997年1月16日(24歳)
市場価値の増加額:3400万ユーロ(約40.8億円 / 212.5%UP)
市場価値の変動:1600万ユーロ(約19.2億円)→5000万ユーロ(約60億円)
20/21リーグ戦成績:33試合2得点2アシスト

 ビジャレアル下部組織出身のパウ・トーレスは2016年12月に行われたコパ・デル・レイ(国王杯)のCDトレド戦でトップチームデビュー。2017年にトップチーム昇格となった。

 しばらくトップチームでの出場はなかったトーレスは、2017年11月に行われたセビージャ戦でラ・リーガデビューを果たした。だが、その後もトップチームでの出場機会を中々与えられず。2018年8月にマラガへレンタル移籍。2018/19シーズンはリーグ戦38試合1得点を記録した。

 マラガから復帰したトーレスは2019/20シーズンから主力として活躍。公式戦34試合に出場2得点1アシストを記録した。2019年11月にはスペインのA代表デビューを果たすと、デビュー戦のマルタ戦で代表初ゴールを決めた。今季も主力として活躍したトーレスは公式戦44試合に出場し3得点2アシストを記録。ビジャレアルのUEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝に貢献した。

 トーレスは192cmと恵まれた体格を持つCBだ。フィジカルと身体能力の高さを活かした空中戦で相手を圧倒する。それだけではなく、CBとして必要なビルドアップ能力も兼ね備えている。また、驚くべきことは市場価値が200%以上もアップしたこと。最近メキメキと力をつけており、ユーロ2020でも主力として活躍している。まだ24歳の大型CBはさらなる飛躍を誓う。

16位:魔法で魅せる背番号10

MF:ジャック・グリーリッシュ(アストン・ビラ / イングランド代表)
生年月日:1995年9月10日(25歳)
市場価値の増加額:3450万ユーロ(約41.4億円 / 113.1%UP)
市場価値の変動:3050万ユーロ(約36.6億円)→6500万ユーロ(約78億円)
20/21リーグ戦成績:26試合6得点12アシスト

 ジャック・グリーリッシュは16歳の時の2011年にアストン・ビラの下部組織からトップチーム昇格を果たした。その後、同選手は2013年にEFLリーグ1(英3部)のノッツ・カウンティにレンタル移籍となる。そこで37試合出場5得点7アシストを記録した。

 ノッツ・カウンティでの活躍が認められたグリーリッシュは翌シーズンにアストン・ビラへ復帰し、プレミアリーグ開幕戦のストーク・シティ戦に途中出場。その後は出場機会が限られていたが、ティム・シャーウッド監督がシーズン途中に就任してから徐々に出場機会が増えた。2014/15シーズンのFAカップ準決勝リバプール戦でアシストを記録。FAカップ決勝のアーセナル戦で敗れたものの、準優勝に貢献した。

 しかし、グリーリッシュはナイトクラブでの夜遊びなどで2度のリザーブチームへの降格を経験。そんなグリーリッシュを変えたのは元イングランド代表DFジョン・テリーだ。同選手の加入でグリーリッシュはメンタル面で大きく成長。今では背番号10を背負い主将としてチームを牽引している。

 昨年7月1日時点のグリーリッシュの市場価値は3050万ユーロ(約36.6億円)だったが、この1年で3450万ユーロ(約41.4億円)も上昇。イングランドのA代表としてプレーしていることなどが評価されての上昇だろう。テクニックを活かしたパスやドリブルで魅了するアストン・ビラの”魔法使い”の市場価値が今後も上昇する可能性は高い。今後の活躍にも注目が集まりそうだ。