GK

東京五輪に参加する男子サッカー日本代表(U-24日本代表)は、12日と17日に国際親善試合が予定されている。今回はU-24世代に3人のオーバーエイジを加えた18人のメンバーと4人のバックアップメンバーを紹介する。※U-24通算成績は2017年12月以降の東京五輪世代(現U-24日本代表)のもの
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大迫敬介(おおさこ・けいすけ)
所属クラブ:サンフレッチェ広島
生年月日:1999年7月28日(21歳)
A代表通算成績:2試合4失点
U-24通算成績:8試合12失点

 東京五輪世代のGKで唯一A代表での出場経験があるのが大迫敬介だ。2019年6月のコパ・アメリカ(南米選手権)でA代表デビューを果たし、この世代の正GKを務めてきた。サンフレッチェ広島のユース在籍時にプロ契約を結び、トップチーム昇格2年目に正GKに抜擢されている。冷静かつ正確にボールをつなぐ足元の技術と、セービングに定評がある。6月は控えに回る試合が多かったが、谷晃生とのポジション争いに挑む。

谷晃生(たに・こうせい)
所属クラブ:湘南ベルマーレ
生年月日:2000年11月22日(20歳)
A代表通算成績:出場なし
U-24通算成績:4試合0失点

 ジャンルイジ・ブッフォンに憧れた男が東京五輪の舞台に臨む。谷晃生は高校2年時にJ3のガンバ大阪U-23でJリーグデビュー。昨年からは湘南ベルマーレに期限付き移籍し、J1の舞台で正GKとして活躍している。190cmの長身を活かしたダイナミックなセーブと、ハイボール処理時の守備範囲の広さには特筆すべきものがある。今季に入って安定感と凄みを増すそのパフォーマンスに期待がかかる。

※バックアップメンバー
鈴木彩艶(すずき・ざいおん)
所属クラブ:浦和レッズ
生年月日:2002年8月21日(18歳)
A代表通算成績:出場なし
U-24通算成績:1試合0失点

 鈴木彩艶は3年後のパリ五輪への出場資格を持つ世代だが、将来に向けて経験を積ませるための選出というわけではない。浦和レッズでは日本代表通算31試合出場を誇るベテラン西川周作から一時はポジションを奪っている。このチームには最終選考となった5、6月でアピールに成功してバックアップメンバーに滑り込み。恵まれた体格を活かしたビッグセーブや、ハーフウェイライン付近まで届く正確なスローなど、潜在能力は一級品だ。

DF

吉田麻也(よしだ・まや)
所属クラブ:サンプドリア(イタリア)
生年月日:1988年8月24日(32歳)※OA
A代表通算成績:107試合11得点
U-24通算成績:2試合0得点

 代表通算107試合に出場する吉田麻也の経験がチームにもたらす価値は計り知れない。オーバーエイジとして参加したロンドン五輪ではキャプテンを務め、メダル獲得まであと一歩のところまで迫った。北京五輪にも出場しており、今大会が3大会目の出場になる。昨冬からプレーするサンプドリアではセリエA初ゴールも記録し、セリエAでさらに守備力に磨きをかけている。

酒井宏樹(さかい・ひろき)
所属クラブ:浦和レッズ
生年月日:1990年4月12日(31歳)※OA
A代表通算成績:65試合1得点
U-24通算成績:2試合0得点

 酒井宏樹が加わったことで、U-24日本代表のDFラインと右サイドは大きくパワーアップしている。DFラインと右サイドはいずれもA代表組が占めており、連係面での不安も少ないだろう。タイミングの良い攻め上がりと精度の高いクロス、そしてフィジカルの強さも魅力的だ。アカデミー時代から所属する柏レイソルではリーグ優勝に貢献し、ドイツのハノーファーで4年、フランスのマルセイユで5年間在籍。日本代表でも長年に渡って右サイドバックに君臨する酒井は、今夏からJリーグに復帰して浦和レッズに加入するという決断を下している。

板倉滉(いたくら・こう)
所属クラブ:マンチェスター・シティ
生年月日:1997年1月27日(24歳)
A代表通算成績:5試合1得点
U-24通算成績:20試合6得点

 この世代を立ち上げた当初から中心メンバーの1人としてチームを支えてきた板倉滉。2019年1月にマンチェスター・シティが獲得し、この2年半はオランダのフローニンゲンで経験を積んだ。前線への正確なフィードが得意で、3月のU-24アルゼンチン代表戦でヘディングから2得点を挙げるなど、フィジカル面も武器になる。オーバーエイジで守備陣が強化されたことでベンチスタートとなる機会が多そうだが、センターバックと守備的MFをこなせる点は選手層に厚みをもたらす。

中山雄太(なかやま・ゆうた)
所属クラブ:PECズヴォレ(オランダ)
生年月日:1997年2月16日(24歳)
A代表通算成績:5試合0得点
U-24通算成績:17試合4得点

 2017年のFIFA U-20ワールドカップでキャプテンマークを巻いた中山雄太は、この世代でも長く主将を務めてきた。柏レイソルのアカデミー出身で、オランダで経験を積んでいる。左利きで複数のポジションをこなせるのが武器で、左サイドバック、センターバック、守備的MFはクラブでも代表でも経験している。キャプテンの役職はオーバーエイジで参加する吉田麻也に譲るが、リーダーの1人としてチームを支える。

旗手怜央(はたて・れお)
所属クラブ:川崎フロンターレ
生年月日:1997年11月21日(23歳)
A代表通算成績:出場なし
U-24通算成績:24試合7得点

 元々は攻撃的なポジションを得意とする旗手怜央だが、川崎フロンターレでは左サイドバックに適性を見出した。このポジションの本命が不在だったU-24日本代表でも、本大会への切符を掴んでいる。豊富な運動量や正確な技術、中央でもプレーできる器用さなどは旗手の魅力。海外組が多いDF陣の中で国際経験は劣るが、クラブでのパフォーマンスを発揮できればチームを助けることができるだろう。

冨安健洋(とみやす・たけひろ)
所属クラブ:ボローニャ(イタリア)
生年月日:1998年11月5日(22歳)
A代表通算成績:23試合1得点
U-24通算成績:5試合0得点

 A代表とボローニャで欠かせない存在となった冨安健洋は、この世代を牽引するDFの1人。これまではこのチームでプレーする機会が少なかったが、酒井宏樹や吉田麻也らA代表の選手も多く、連係面の不安は少ないはずだ。的確なカバーリングやボールを運ぶ技術、そして正確なキックなど、現代のDFに求められる能力を高いレベルで備えているが、大舞台でどのようなパフォーマンスを見せるのだろうか。

橋岡大樹(はしおか・だいき)
所属クラブ:シント=トロイデン(ベルギー)
生年月日:1999年5月17日(22歳)
A代表通算成績:2試合0得点
U-24通算成績:12試合0得点

 浦和レッズのユース時代はセンターバックでプレーすることが多かったが、トップチームでは右サイドが主戦場となった。スピードやサイドを上下動できるタフさがあり、サイドバックとしてはサイズがあるのも魅力だ。五輪の半年前にベルギーに渡り、個々の能力の高いリーグでは攻撃面でも特徴を出すことができた。その経験は東京五輪にも生かすことができるだろう。

※バックアップメンバー
町田浩樹(まちだ・こうき)
所属クラブ:鹿島アントラーズ
生年月日:1997年8月25日(23歳)
A代表通算成績:出場なし
U-24通算成績:8試合1得点

 秋田豊や岩政大樹などを輩出した鹿島アントラーズのDFラインの中央を担う町田浩樹。希少な左利きのセンターバックで、190cmという長身も世界基準と言っていい。セットプレーからの得点力といった特徴も一発勝負の五輪では武器になるだろう。バックアップメンバーとして五輪に参加することになったが、センターバックを本職とする選手は多くないだけに、大会の中で出場機会が回ってくるかもしれない。

※バックアップメンバー
瀬古歩夢(せこ・あゆむ)
所属クラブ:セレッソ大阪
生年月日:2000年6月7日(21歳)
A代表通算成績:出場なし
U-24通算成績:3試合0得点

 3月のU-24アルゼンチン代表戦で、瀬古歩夢は正確なフィードでアシストを記録してアピールに成功した。しかし、その後はセレッソ大阪で出場機会を減らし、6月のメンバーからは外れている。しかし、追加召集でチームに加わると、本大会のメンバーにもバックアップメンバーという形で滑り込んだ。ギリギリのところで生き残った瀬古は、本大会のラッキーボーイとなるかもしれない。

MF

久保建英(くぼ・たけふさ)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
生年月日:2001年6月4日(20歳)
A代表通算成績:11試合0得点
U-24通算成績:10試合4得点

 20歳と若い久保建英だが、このチームの中心選手として東京五輪でプレーすることになるだろう。今季の前半戦はビジャレアルでプレーしたが、シーズン途中にレンタル契約を解除しヘタフェに加入。ヘタフェでも先発を外れることもあったが、第37節レバンテ戦で決勝ゴールを決めてチームのスペイン1部残留に貢献した。レンタル期間が終了し、レアル・マドリードに復帰した久保だが、来季もレンタル移籍という噂もある。東京五輪は注目が集まる大会。自身の価値を示すには絶好のチャンスである。また、6月に行われたU-24ガーナ代表戦とジャマイカ代表戦でともにゴールを記録し、調子は上がっているようにも見える。このまま調子を上げ、絶好調で本大会に臨んでほしい。

遠藤航(えんどう・わたる)
所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)
生年月日:1993年2月9日(28歳)※OA
A代表通算成績:28試合2得点
U-24通算成績:2試合1得点

 遠藤航は吉田麻也、酒井宏樹とともにオーバーエイジでの東京五輪メンバー選出となった。20/21シーズンの遠藤はブンデスリーガで警告累積により出場停止となった最終節を除く33試合にほぼフル出場。リーグ1位のデュエル勝利数を記録するなど中盤で大きな存在感を発揮した。来季のシュトゥットガルトの新主将候補との呼び声も高い。東京五輪世代ではボランチの一角としてチームの中心選手となるだろう。6月に行われた代表戦でも圧倒的な存在感を見せていた。得意のボール奪取能力を武器にU-24日本代表の勝利に貢献するだろう。ブンデスのデュエル王に注目したい。

相馬勇紀(そうま・ゆうき)
所属クラブ:名古屋グランパス
生年月日:1997年2月25日(24歳)
A代表通算成績:3試合0得点
U-24通算成績:10試合3得点

 層の厚い名古屋グランパスで左サイドの主力に定着しているのが相馬勇紀だ。東京五輪では同じJリーグで活躍する三笘薫とポジションを争うことになる。6月12日に行われたU-24ガーナ代表戦に先発しゴールを記録。続くジャマイカのA代表との一戦では三笘との交代で途中出場を果たした。現段階では三笘とのポジション争いは五分五分。また、相馬はこの世代でも右サイドでのプレー経験もあり、右サイドでのプレーも問題ない。そういった意味では非常に計算できる選手だ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)からU-24日本代表に合流することになる。

三好康児(みよし・こうじ)
所属クラブ:ロイヤル・アントワープ(ベルギー)
生年月日:1997年3月26日(24歳)
A代表通算成績:5試合2得点
U-24通算成績:23試合4得点

 2019年5月に行われたコパ・アメリカ(南米選手権)でA代表として選出された三好康児は初戦のチリ戦で代表デビューを飾ると、第2節のウルグアイ戦で初ゴールを含む2ゴールを決める活躍。マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)にも選出され、大きなインパクトを与えた。その後、コパ・アメリカでの活躍が認められた三好は同年8月にベルギーのロイヤル・アントワープに移籍。だが1年目から主力に定着したとは言えず、今季後半戦はベンチを温める日が多かった。それでも、テクニックを活かした三好のドリブルは魅力的でベルギーに行って攻撃的センスがさらに増した。東京五輪でも三好の力が必要となるだろう。

三笘薫(みとま・かおる)
所属クラブ:川崎フロンターレ
生年月日:1997年5月20日(24歳)
A代表通算成績:出場なし
U-24通算成績:17試合5得点

 三笘薫はこの世代のJリーガーで最も活躍していると言ってもいいだろう。川崎フロンターレ加入1年目の昨季はリーグ戦30試合出場13得点13アシストと二桁得点二桁アシストを記録。いきなりベストイレブンに選出され、J1リーグ優勝に貢献した。まだA代表としてプレーしていない三笘だが、この世代ではコンスタントに選出されている。先月5日に行われたU-24ガーナ代表戦では、途中出場ながらチーム6点目を記録。さらに同12日のジャマイカ代表戦では、絶妙スルーパスで上田綺世のゴールをアシストし、メンバー発表前最後の2試合でアピールに成功した。相馬勇紀と左サイドのポジションを争うことになるが、東京五輪本大会では相手が疲れてきた後半途中からジョーカーとして投入しても良いかもしれない。途中からでも、そのドリブルでチャンスを作り出すはずだ。A代表入りに向けても、東京五輪での活躍を見せたい。

堂安律(どうあん・りつ)
所属クラブ:PSV(オランダ)
生年月日:1998年6月16日(23歳)
A代表通算成績:20試合3得点
U-24通算成績:3試合2得点

 A代表常連組の堂安律はこの世代の中心選手だろう。オランダの名門PSVに加入した堂安だが、中々出場機会を得られず。今季はドイツのアルミニア・ビーレフェルトへレンタル移籍となった。すると、全34試合に出場し5得点3アシストを記録。主力としてプレーし、チームのブンデスリーガ1部残留に大きく貢献した。右サイドが主戦場となる堂安だが、トップ下などでもプレーできる。右サイドでは、得意のドリブルからのカットインは持ち味で、左足で強烈なシュートを放つことができる。それだけでなく、抜群のテクニックとアイディアから繰り出されるパスは日本の武器となるはずだ。PSVでは来季レギュラーとしてプレーできるかどうかは不透明。この東京五輪で自らの価値を証明したいところだ。

田中碧(たなか・あお)
所属クラブ:フォルトゥナ・デュッセルドルフ(ドイツ)
生年月日:1998年9月10日(22歳)
A代表通算成績:2試合0得点
U-24通算成績:12試合2得点

 田中碧は下部組織からプレーしてきた川崎フロンターレを離れ、ブンデスリーガ2部のデュッセルドルフへ買い取りオプション付きのレンタル移籍となった。海外へ渡って成長した遠藤航や守田英正のように、A代表定着というビジョンもあるはずだ。6月の代表戦ではA代表との試合で途中出場。U-24ガーナ代表戦、ジャマイカ代表戦はともにフル出場を果たした。抜群のパスセンスを誇る田中は守備から攻撃のスイッチを入れることができるボランチだ。6月の試合では抜群の安定感で貫禄すらあった。今後のA代表入りに向けても、東京五輪を飛躍の大会にしたい。

FW

前田大然(まえだ・だいぜん)
所属クラブ:横浜F・マリノス
生年月日:1997年10月20日(23歳)
A代表通算成績:2試合0得点
U-24通算成績:16試合9得点

 前田大然は2019年7月に松本山雅FCからのレンタル移籍でポルトガル1部のマリティモに加入。しかしリーグ戦23試合に出場し、得点はわずか3。得点量産とはいかなかったが、海外での経験は大きかったはずだ。その証拠に所属する横浜F・マリノスで今季リーグ戦19試合に出場し、10得点2アシストを記録。抜群のスピードを武器にゴールという分かりやすい形で結果を残している。また、ゴールへ向かうスピードだけでなく、前線からプレスをかける時のスプリントも脅威。世界で戦っている相手とはいえ、前田のスピードに苦戦する選手は多いはず。マリノスのスピードスターが東京五輪という大舞台での飛躍を誓う。

上田綺世(うえだ・あやせ)
所属クラブ:鹿島アントラーズ
生年月日:1998年8月28日(22歳)
A代表通算成績:6試合0得点
U-24通算成績:29試合17得点

 エースとしての活躍に期待がかかる上田綺世だが、肉離れの影響で別メニュー調整での始動となり、東京五輪本戦へ向けて不安が残る。6月に行われたU-24ガーナ代表とジャマイカ代表戦でともにゴールを記録。ジャマイカ戦では三笘薫からのスルーパスに対し、得意の抜け出しから圧巻のループシュートでゴールを記録した。所属する鹿島アントラーズでもコンスタントに試合に出場し、今季のリーグ戦で6ゴールを記録している。調子が良いだけに怪我の状態が気がかりだ。

※バックアップメンバー
林大地(はやし・だいち)
所属クラブ:サガン鳥栖
生年月日:1997年5月23日(24歳)
A代表通算成績:出場なし
U-24通算成績:2試合1得点

 サガン鳥栖の”ビースト”が今年3月の初招集から、逆転でメンバー入りすることになった。所属する鳥栖で活躍すると、今年3月のU-24アルゼンチン代表戦で追加招集。第2戦で初先発となると、初ゴールを決めアピールに成功した。6月の代表戦はA代表との試合のみの出場でアピールしたとは言い難い。FWの序列では上田綺世、前田大然に次ぐ3番目だろう。しかし、上田の怪我の状態が気になるところ。場合によっては出番が多くなる可能性もある。鳥栖の”ビースト”として、東京五輪で暴れる姿を見たい。

監督

森保一(もりやす・はじめ)
生年月日:1968年8月23日(52歳)

 森保一監督はカタールワールドカップ・アジア2次予選に臨んだA代表の活動と重なったため、最後にこの世代を指揮したのは昨年1月のAFCU-23選手権タイ2020のU-23カタール代表戦である。それ以降は横内昭展監督が指揮をとった。直接指揮していないという意味では不安もあるかもしれないが、冨安健洋や久保建英、堂安律などをA代表に招集し中心となり得る選手を直接見てきた。兄弟対決も開催し、そこで改めて選手の状態も確認。あとは、東京五輪本番まで万全の準備をするだけだ。目標である金メダルをもたらすことができるかどうか、その手腕に注目が集まる。