15位:輝きを失わないスウェーデンの王様

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。それをもとにしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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FW:ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン代表/ミラン)
生年月日:1981年10月3日(39歳)
市場価格:400万ユーロ(約4.8億円)
20/21リーグ戦成績:19試合出場/15得点2アシスト

 サッカー界においては大ベテランの域にいるが、その輝きは未だに失われていない。ミランに復帰した2019/20シーズンは半年間でリーグ戦10得点を奪い、背番号11を身に着けた2020/21シーズンは怪我もありながら同15得点を叩き出している。そして、今年4月にはクラブとの契約を2022年6月まで延長。この男の辞書に「限界」という言葉はないのかもしれない。

 身長195cm・体重95kgと十分すぎる体格を誇っておいて、当然ながら「フィジカル」や「空中戦」に強い。よりフィジカルコンタクトが激しくなるペナルティーエリア内でパワフルさを活かしてDFを無力化し、一気にゴールを奪ってしまうというプレーは昨季も何度か見られた。また、忘れてはならないのが決定力の高さ。40歳近くになってもここは健在である。

 フィニッシュだけでなく、ゲームの組み立てや崩しに高いレベルで関与できるのもズラタン・イブラヒモビッチの大きな魅力。「フィジカル」の強さと非凡な「テクニック」を持っているのでタメを作ることがうまく、意外性のある「パス」を繰り出すことも非常に多い。基本的には中央に留まっているが、流れの中ではサイドにも顔を出すなど、プレーの幅が広いのである。

 さすがに「スピード」やスタミナといった部分は他の選手に劣るが、強靭な「メンタル」も兼ね備えるイブラヒモビッチより恐ろしいFWがなかなかいないのも事実。スウェーデンの王様による冒険はまだまだ続いていく。

14位:イタリアが誇る点取り屋

FW:チーロ・インモービレ(イタリア代表/ラツィオ)
生年月日:1990年2月20日(31歳)
市場価格:3800万ユーロ(約45.6億円)
20/21リーグ戦成績:35試合出場/20得点7アシスト

 ドルトムントやセビージャで活躍できず一時は評価を落としたが、2016年より所属するラツィオで再びその存在価値を証明している。現在リーグ戦では5シーズン連続二桁得点を達成中で、2019/20シーズンにはセリエA最多得点&欧州最多得点を記録した。2020/21シーズンは得点王の座こそ逃したが、リーグ戦35試合の出場で20ゴールという十分な成績を残している。

 直近5シーズンで四度もリーグ戦20得点以上を生み出してきたチーロ・インモービレの決定力の高さは間違いなく世界トップクラスだ。左右両足はもちろんのこと、ペナルティーエリア内で強さを見せヘディングで点を決めることも多い。また、そこに至るまでの裏抜けやポジショニングなども絶妙と、ストライカーとしての「IQ」も非凡なものを持っている。

 一方で「ドリブル」での突破力や「パス」センスはそこまで優れておらず、組み立てやチャンスメイクで大きく貢献しているとは言い難い。いわゆる万能型ではなく、良い意味でクラシカルなストライカーなのである。そのため点を取るという能力に関してはピカイチなのだが、様々なタスクを与えると輝くことが難しくなってしまうのだ。

 ラツィオにはルイス・アルベルトやセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ、ホアキン・コレアなど自身を引き立ててくれる選手が多く、フィニッシュに専念できている。だからこそ、ゴールを量産しているのだ。彼らがいる限り、ベテランFWの活躍は止まらないのかもしれない。

13位:アルゼンチンの宝石

FW:パウロ・ディバラ(アルゼンチン代表/ユベントス)
生年月日:1993年11月15日(27歳)
市場価格:5000万ユーロ(約60億円)
20/21リーグ戦成績:20試合出場/4得点3アシスト

 パレルモからユベントスにやって来たのは2015年のことで、そこから瞬く間にアイドルとなった。2017/18シーズンからは伝統ある10番を身に着けており、2019/20シーズンは他の並み居る実力者を抑えセリエAの年間最優秀選手に選出されている。昨季はアンドレア・ピルロ監督の下で苦労したが、ユベンティーノからの期待と信頼は薄れていない。

 アルゼンチンが生んだ「宝石」はオフェンスセンスが抜群だ。細かなタッチを駆使した「ドリブル」で局面を打開する姿はいかにも南米出身選手らしく、同胞の先輩リオネル・メッシと比較する声もある。また、狭いコースをいとも簡単に射抜くなどシュートセンスも非凡。足の振りが非常に速いので、相手のブロックに遭うことも少ない。

 さらに視野が広くキック精度も高い。そのためチャンスメイクでも輝きを放つことが可能と、主役だけでなく脇役にもなれる点が大きな魅力だ。リーグ戦二桁アシストを記録した一昨シーズンは、絶対的エースのクリスティアーノ・ロナウドをよく引き立てていた。とくに、バイタルエリアでこの男にスペースを与えるのは、無防備で凶暴な肉食動物と戦うほど危険だ。

 一方で身長177cmと特別大柄ではないレフティーは、やはり「フィジカル」や「空中戦」で相手に劣ってしまうことが多い。また、好不調の波がやや激しい点もマイナス評価となっている。

12位:インテルの優勝に貢献した若きFW

FW:ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表/インテル)
生年月日:1997年8月22日(23歳)
市場価格:8000万ユーロ(約96億円)
20/21リーグ戦成績:38試合出場/17得点10アシスト

 2020/21シーズン、アントニオ・コンテ監督率いるインテルは11季ぶりとなるスクデットを獲得し、サポーターを歓喜の渦へと包み込んだ。そんなチームにおいて重要なピースとなっていたのが、23歳のラウタロ・マルティネスだ。ロメル・ルカクと強力なツートップを形成したアルゼンチン人は、キャリアハイとなるリーグ戦17得点10アシストを記録している。

 機動力のあるストライカーで、幅広いエリアに顔を出してボールに触れたり、単独で仕掛けてゴールの可能性を広げるなどあらゆるパターンで相手を大いに困らせる。稀にボールを持ちすぎてしまうことがあるのは否めないが、そのエゴが脅威になることも。アグレッシブさという意味では、他の並み居るストライカーに決して負けていないと言えるだろう。

 身長174cmと大柄ではないが、数値「84」を記録するなど「空中戦」に弱くない。ボールに対する反応の速さや合わせるタイミングの上手さがその理由だ。また、飛び抜けてこそいないが「フィジカル」も強い。ただ単にパワフルというわけではなく、身体の使い方が抜群に上手いのだ。そのため、大柄な選手と対峙してもスッと前に入り、ボールを収めてしまうことが非常に多い。

 能力値全体を見ると、ガクンと評価を落としたのは「守備力」のみということがわかる。今後の成長次第では、トップ5入りも見えてくることは間違いない。

11位:前線の何でも屋

FW:アントワーヌ・グリーズマン(フランス代表/バルセロナ)
生年月日:1991年2月21日(30歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
20/21リーグ戦成績:36試合出場/13得点7アシスト

 アトレティコ・マドリードで世界を代表するFWとなり、2019年夏にバルセロナの一員となった。加入1年目は適応に苦しみ得点とアシストの両方で満足いく結果を残せなかったが、2年目となった2020/21シーズンはラ・リーガで13得点7アシストを記録。もちろんアトレティコ時代の輝きを考えると物足りなくも思えるが、徐々にフィットしてきたという印象を与えたのも事実だ。

 そんなアントワーヌ・グリーズマンは前線で何でもこなす万能型だ。攻撃的ポジションならどこでもプレーすることが可能で、「ドリブル」、シュート、「パス」のセンスがいずれもハイレベル。そのため、組み立てから崩し、そしてフィニッシュとすべての局面で非凡な存在感を放つ。相手からすると非常に捕まえづらく、やりにくい選手と言えるだろう。

 また、オフェンスだけでなくディフェンス面でしっかりと仕事を果たす点もグリーズマンの大きな魅力。バルセロナでは豊富な運動量を武器に前線からのプレスをサボることがなく、ピンチと見れば自陣ペナルティーエリア内まで全力で戻って身体を張る姿も目立っている。そのため、「守備力」は他のFWよりも高い数値を記録することになった。

「フィジカル」や「スピード」がやや伸び悩んだ点は否めないが、大きなウィークポイントにはなっておらず、能力値全体のバランスは非常に良い。やはり、世界最高峰の一人と言えそうだ。