U-24日本代表は2試合の強化試合を終え、今月22日に東京五輪五輪本番を迎える。U-24ホンジュラス代表戦は3-1の勝利。金メダル候補との呼び声も高いU-24スペイン代表戦は1-1の引き分けとなった。そこで、今回は試合ごとに振り返り、この2試合のパフォーマンスを踏まえた序列をポジションごとに3段階で評価する。

GK

U-24ホンジュラス代表戦:谷晃生(フル出場)

 東京五輪メンバー発表後初の試合となったU-24ホンジュラス代表戦で正守護神に抜擢されたのは谷晃生。前半は攻められる時間がほぼなく、バックパスの処理などを無難にこなしていた。しかし後半、チームが押し込まれる中で判断ミスを犯し、失点。その後は相手に得点を許さなかったが、正守護神として悔やまれる結果となった。

U-24スペイン代表戦:谷晃生(46分OUT)、大迫敬介(46分IN)

 強敵U-24スペイン代表戦でもスタメン起用されたのは谷晃生だった。U-24ホンジュラス代表戦では判断ミスから失点を招いたが、この試合ではラファ・ミルの強烈シュートをセーブし、クロス対応も問題なくこなすなど、安定したパフォーマンスを披露。得点を与えなかった。後半からは大迫敬介が登場。同選手は1失点こそ喫したが、ミケル・オヤルサバルの決定機を防ぐなど、東京五輪本大会に向け心配になるようなプレーではなかった。

GK査定

 谷晃生はU-24ホンジュラス代表戦こそ悔やまれる結果になったが、U-24スペイン代表戦で見事立て直した。この2試合での起用法を見ても、東京五輪で正守護神を担うことは確実だろう。また、U-24スペイン代表戦で途中出場した大迫敬介も強敵相手に奮闘。良い感触を得て東京五輪に挑めそうだ。鈴木彩艶は今回の2試合で出番はなく、やはり谷と大迫に次ぐ3番手という扱いになりそうだ。

A評価:該当者なし
B評価:谷晃生、大迫敬介
C評価:該当者なし
評価なし:鈴木彩艶(出場なし)

DF

U-24ホンジュラス代表戦:酒井宏樹(80分OUT)、吉田麻也(80分OUT)、冨安健洋(フル出場)、中山雄太(87分OUT)、板倉滉(63分IN)、町田浩樹(80分IN)、橋岡大樹(80分IN)

 U-24ホンジュラス代表戦では酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋のA代表主力組が揃って先発。旗手怜央不在の左サイドバックには中山雄太が入った。酒井、吉田、冨安の安定感はやはり抜群で、吉田はセットプレーから貴重な先制点もマーク。中山は圧倒的な存在感こそなかったが、攻守において大きな問題なくプレーしていた。後半はペースが乱れて押し込まれ1失点を喫したが、吉田を中心とした最終ラインは大崩れはせず。吉田、酒井は80分、中山は87分でお役御免となっている。途中出場の板倉滉、橋岡大樹、町田浩樹は残り時間少ない中でしっかりと戦っていた。

U-24スペイン代表戦:酒井宏樹(46分OUT)、吉田麻也(46分OUT)、冨安健洋(46分OUT)、旗手怜央(フル出場)、板倉滉(フル出場)、橋岡大樹(46分IN)、瀬古歩夢(46分IN)、町田浩樹(46分IN)、中山雄太(80分IN)

 酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋の3人はU-24ホンジュラス代表戦に引き続き先発。左サイドバックには旗手怜央が入り、板倉滉はボランチを担った。前半からU-24スペイン代表にボールを持たれる展開となったが、欧州でプレーするOA2人+冨安は常に冷静で得点を与えない。旗手も奮闘し、攻撃面では効果的な縦パスを何本も出した。後半に入り酒井、吉田、冨安の3人はベンチに下がり、橋岡大樹、瀬古歩夢、町田浩樹が出場。しかし、無失点で終えたいところだったが、U-24スペイン代表の攻めに手を焼き失点してしまった。瀬古と町田はそれほど悪くなかったが、やはり強敵相手に耐える展開になると少し物足りず。橋岡は攻守で厳しいパフォーマンスに終始してしまった。一方、フル出場した旗手は攻守で好印象を残し、中盤で先発した板倉も随所で対人守備の強さを見せていた。

DF査定

 酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋の存在感はもはや別格。守備の強度は今回の2試合もピカイチだった。また、U-24スペイン代表戦で先発した旗手怜央も攻守で躍動。東京五輪本大会でも期待できるパフォーマンスを見せた。中山雄太、板倉滉、瀬古歩夢、町田浩樹の4人は先述の4人に比べると輝きは薄かったが、及第点といった内容だった。一方で厳しい評価にせざるを得ないのが橋岡大樹。U-24スペイン代表戦の45分間は相手に狙われてしまい、攻撃面では軽率なパスミスを何度か犯すなど、不安の募る内容だった。

A評価:酒井宏樹、吉田麻也、冨安健洋、旗手怜央
B評価:中山雄太、板倉滉、町田浩樹、瀬古歩夢
C評価:橋岡大樹

MF

U-24ホンジュラス代表戦:遠藤航(フル出場)、田中碧(63分OUT)、三好康児(フル出場)、堂安律(フル出場)、久保建英(80分OUT)、相馬勇紀(80分IN)

 1試合目のU-24ホンジュラス代表戦はオーバーエイジ(OA:25歳以上)枠での選出となった吉田麻也のゴールで先制。このゴールをCKからアシストしたのが久保建英だ。スペインでプレーする20歳の若きMFはこの世代の攻撃の要だ。そして右ウィングの堂安律は、ホンジュラス戦で2ゴールの大活躍。圧巻のパフォーマンスで久保とともに攻撃陣を牽引した。相馬勇紀もAFCチャンピオンズリーグ(ACL)から合流したばかりだったものの途中出場を果たし、堂安の2ゴール目をアシスト。アピールに成功したと言えるだろう。遠藤航の存在感は圧倒的。3点目をアシストした相馬に絶妙なロングパスを出したのが遠藤だった。田中碧のパスは攻撃にリズムを与えてくれる。遠藤との相性も良さそうに見える。三好康児は本来の右ではなく左ウィングで先発。途中はトップ下でプレーするなどユーティリティ性を発揮。得意のドリブルでもチャンスを作っていた。

U-24スペイン代表戦:遠藤航(45分OUT)、相馬勇紀(80分OUT)、堂安律(45分OUT)、久保建英(66分OUT)、田中碧(45分IN)、三好康児(45分IN)

 金メダル候補の一角であるU-24スペイン代表との試合は日本が先制。久保建英が右手一本で相手を抑え、見事左サイドを突破。マイナスのパスを送ると、堂安律がダイレクトで突き刺した。久保と堂安はこの試合でも結果を残し、二人のコンビネーションも良さそうだ。この試合では板倉滉がボランチで先発したが、田中碧は後半から途中出場。途中スペインのプレスに苦しむ場面もあったが、自身のプレーが海外の強豪相手にも通用することを実感しただろう。相馬勇紀は左ウィングで先発し、80分までプレー。得意のドリブルとシュートで積極的な姿勢を見せた。三好康児は得意のドリブルでチャンスを作り、終盤にはFKを獲得する場面も。スペイン戦では評価を上げたと言えるだろう。

MF査定

 やはり、久保、遠藤、堂安の3人は不動となるだろう。遠藤の相棒としては田中碧が筆頭になるが、板倉もポジション争いに入っている。中山雄太も可能性があるため、ボランチ争いは熾烈だ。両ウィング、トップ下でプレーできる三好は、短期決戦において計算できる選手だ。左ウィングは相馬勇紀が結果を残し、この2試合で評価を上げたに違いない。ただ、この2試合は出場がなかった三笘薫も左ウィングの候補だ。三笘はジョーカーとしての役割も良いかもしれない。いずれにせよ、三笘のドリブルは日本の武器となるはずだ。

A評価:久保建英、遠藤航、堂安律、
B評価:田中碧、相馬勇紀、三好康児
C評価:該当者なし
評価なし:三笘薫(出場なし)

FW

U-24ホンジュラス代表戦:林大地(63分OUT)、前田大然(63分IN)

 当初はバックアップメンバーの選出だった林大地が脳震盪で別メニュー調整だった前田大然と、怪我で出遅れた上田綺世を抑え先発に名を連ねた。林はゴールこそなかったものの、堂安律のゴールをポストプレーからアシストと結果を残した。サガン鳥栖の”ビースト”はらしさ溢れる気合の入ったプレーで日本の攻撃を活性化させた。出場時間が短った前田大然だが、日本の3点目に絡んだ。自慢の快速だけでなく、ポストプレーでチームにリズムを与えていた。

U-24スペイン代表戦:林大地(45分OUT)、前田大然(45分IN)、上田綺世(66分IN)

 林が2試合連続のスタメン出場。ユーロ(欧州選手権)2020で主力だったパウ・トーレスや、バルセロナ新加入のエリック・ガルシアなど世界レベルのディフェンスに苦戦した場面も見られた。それでも先制ゴールの場面では、スペースを空ける動きで堂安のゴールに繋げた。前田大然は後半頭から出場し、その爆発的なスピードが通用する場面もあった。チャンスを作る場面は少なかったが、途中右サイドに入り自慢のスプリントで守備にも奮闘していた。怪我で出遅れた上田綺世が実戦に復帰したことは大きいだろう。万全な状態であれば、持ち味の瞬発力と決定力でチームに貢献してくれることだろう。

FW査定

 この2試合でFW陣の得点は0。FWの決定力は課題だ。それでも1アシストを記録した林大地は、この2試合で評価を上げただろう。林の次に出場時間が多い前田大然のスピードが、スペイン相手でも通用する場面があった。あとはゴールに繋がる動きを見せることができれば、もっと評価が上がるだろう。怪我で出遅れた上田綺世は、まだまだ本調子とは言えず。それでも上田の実力を考えると、万全な状態であればスタメンの可能性が高い。初戦のU-24南アフリカ戦で状態が良くなることを期待したい。

A評価:上田綺世
B評価:前田大然、林大地
C評価:該当者なし