GK

 東京五輪男子サッカーが新型コロナウイルスの影響による1年の延期を経て7月22日に開幕する。世界が注目するビッグイベントに、果たしてどのような選手たちが挑むのだろうか。今回は、U-24スペイン代表18人のメンバーと4人のバックアップメンバーを紹介する。

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ウナイ・シモン(背番号1)
生年月日:1997年6月11日(24歳)
所属クラブ:アスレティック・ビルバオ
20/21リーグ戦成績:37試合出場/39失点

 19/20シーズンにブレイクを果たし、ユーロ2020でスペイン代表の正GKを務めた新守護神ウナイ・シモンは、驚異的な反射神経を生かした抜群のセービングセンスのある選手だ。ロングカウンターの始点となる高精度のロングフィードはU-24スペイン代表の武器なるだろう。U-19欧州選手権、U-21欧州選手権と各世代で欧州の頂点に立ち、今夏はユーロ2020ベスト4進出に貢献した。バルセロナ五輪以来2度目の優勝を果たすには、スペイン代表新守護神の活躍が不可欠だ。

アルバロ・フェルナンデス(背番号13)
生年月日:1998年4月13日(23歳)
所属クラブ:SDウエスカ
20/21リーグ戦成績:37試合出場/39失点

 若きウエスカの正GKは、長身を生かしたダイナミックなセービングや、果敢なクロスボールへの飛び出しを武器に、10代から世代別代表で活躍。今年3月から6月にかけて行われたU-21欧州選手権では、正GKとしてベスト4進出に貢献した。アンダー世代での経験豊富なアルバロ・フェルナンデスは、ウナイ・シモンのバックアッパーとして、チームを支える存在となる。

アレックス・ドミンゲス(背番号22)
生年月日:1998年7月30日(22歳)
所属クラブ:ラス・パルマス
20/21リーグ戦成績:17試合出場/19失点

 アレックス・ドミンゲスは20/21シーズンにトップチームデビューした若手選手だ。数々のBチームを渡り歩いてきた若手GKはデビュー初年度ながら、11月には正GKの座についている。代表・クラブともに経験の少ないアレックス・ドミンゲスは、今大会ではウナイ・シモン、アルバロ・フェルナンデスに次ぐ3番手としてチャンスを待つことになりそうだ。

DF

オスカル・ミンゲサ(背番号2)
生年月日:1999年5月13日(22歳)
所属クラブ:バルセロナ
20/21リーグ戦成績:27試合出場/2得点2アシスト

 20/21シーズン、オスカル・ミンゲサはジェラール・ピケなどの負傷者続出により急遽トップチームに招集された。11月のオサスナ戦でデビューすると、その穴を埋める活躍を見せ、すぐにスタメンに定着。4月に行われたクラシコでも得点を挙げ、攻守にわたり奮闘した若手DFには、契約延長の際に1億ユーロ(約132億円)の契約解除金が設定されている。強靭なフィジカルとスピードを兼ね備えるオスカル・ミンゲサの活躍は、東京五輪優勝のためには欠かせないだろう。

ヘスス・バジェホ(背番号5)
生年月日:1997年1月5日(24歳)
所属クラブ:グラナダ
20/21リーグ戦成績:21試合出場/0得点

 ヘスス・バジェホはU-19スペイン代表でキャプテンとしてチームを牽引し、優勝に貢献した。しかし、保有元のレアル・マドリードでは、結果が出せずローン移籍を繰り返している。CBとして絶対的存在だったセルヒオ・ラモスの退団が決まり、ヴァランも放出の可能性がある今、東京五輪はレアル・マドリードで定位置確保に向けアピールする絶好のチャンスと言える。国とクラブ、両方の期待に答えることはできるだろうか。

エリック・ガルシア(背番号5)
生年月日:2001年1月9日(20歳)
所属クラブ:バルセロナ

 バルセロナのカンテラ(下部組織)出身のエリック・ガルシアは、当時のチームメイトだった久保建英と17日の親善試合で再会を果たしている。クラブのレジェンドであるカルレス・プジョルの助言を受け、16歳でマンチェスター・シティへ移籍した。出場機会は多くはなかったが、ペップ・グアルディオラ監督も認める才能の持ち主だ。ユーロ2020メンバーとしてベスト4進出に貢献し、21/22シーズンからはバルセロナでプレーする。冷静沈着で正確さを極めるエリック・ガルシアの活躍なくして、U-24スペイン代表の躍進はありえないだろう。

パウ・トーレス(背番号4)
生年月日:1997年1月16日(24歳)
所属クラブ:ビジャレアル
20/21リーグ戦成績:33試合出場/2得点2アシスト

 パウ・トーレスは今やビッグクラブも獲得を狙う期待のCBだ。成長著しい192cmの長身CBは、大柄ながらDFとしてはリーガ・エスパニョーラで1、2を争うスピードを持っており、さらに足元の技術も高い。アンダー世代での経験は少ないものの、ユーロ2020ではセルヒオ・ラモスの穴を見事に埋めてみせた。視野が広く、高精度のロングフィードはU-24スペイン代表の武器になるだろう。ビッグクラブからの関心が絶えないのもうなずける能力を持っている。

オスカル・ヒル(背番号18)
生年月日:1998年4月26日(23歳)
所属クラブ:エスパニョール
20/21リーグ戦成績:32試合出場/1得点0アシスト

 エルチェ出身のオスカル・ヒルはカンテラ(下部組織)所属時には怪我に苦しんだが、2019年にトップチームデビューを果たした。プロ1年目からスタメンに定着したが、翌年にはエスパニョールに移籍。エスパニョールでも移籍初年度からスタメンに定着し、1年でのリーガ・エスパニョーラ復帰に貢献する活躍をみせた。アンダー世代含め、代表での経験が少なく、一発勝負の経験では不安が残る。今大会では、ミンゲサとポジションを争うことになるだろう。

フアン・ミランダ(背番号20)
生年月日:2000年1月19日(21歳)
所属クラブ:レアル・ベティス
20/21リーグ戦成績:22試合出場/1得点2アシスト

 フアン・ミランダは、カンテラ(下部組織)所属時にレアル・ベティスからバルセロナに移り、のちにプロ契約を結んだ。10代から各アンダー世代代表で活躍してきたが、トップチームの壁は高く、無出場のままローン移籍を繰り返し、レアル・ベティスに復帰することとなった。危機察知能力が高く、縦横無尽に駆ける左サイドバックは、攻守で重要な役割を持つ。今大会では、マルク・ククレジャとポジション争いをすることになるだろう。

MF

マルク・ククレジャ(背番号3)
生年月日:1998年7月22日(22歳)
所属クラブ:ヘタフェ
20/21リーグ戦成績:37試合出場/3得点2アシスト

 マルク・ククレジャは、裏に抜けるスピードと無尽蔵の体力を武器に、左サイドならどこでもこなせるユーティリティープレイヤーだ。バルセロナのカンテラ(下部組織)出身で、ヘタフェでは主力として活躍。20/21シーズン後半には久保建英とチームメイトとなり、チームのリーガ1部残留に貢献した。攻撃だけでなく、守備もアグレッシブにこなし、縦横無尽にピッチを駆けるククレジャの躍動は必要不可欠だ。

ホン・モンカヨラ(背番号15)
生年月日:1998年5月13日(23歳)
所属クラブ:オサスナ
20/21リーグ戦成績:36試合出場/2得点0アシスト

 オサスナのカンテラ(下部組織)のホン・モンカヨラは2019年にトップチームデビューを果たすと、20/21シーズンはスタメンに定着。デビュー2年目ながらリーグ戦36試合に出場し、2得点を挙げる活躍みせた。U-21欧州選手権では、グループステージ全試合に出場したが、新型コロナウイルスの陽性反応が出たことで決勝トーナメント出場は叶わなかった。今大会でU-21欧州選手権での無念をはらしたいところだ。

マルティン・スビメンディ(背番号6)
生年月日:1999年2月2日(22歳)
所属クラブ:レアル・ソシエダ
20/21リーグ戦成績:31試合出場/0得点0アシスト

 バスク生まれの生粋のチュリ・ウルディン(レアル・ソシエダの愛称)。2011年にレアル・ソシエダのカンテラ(下部組織)に加入し、2019年4月にはトップチームデビューを果たした。デビュー2年目にはスタメンに定着し、1年後に延期されたコパ・デル・レイ2019/20決勝では優勝に貢献。状況判断能力に優れ、中盤でゲームをコントロールできる選手だ。レアル・ソシエダ出身のシャビ・アロンソ、 アシエル・イジャラメンディの系譜を継ぐ逸材は、今大会注目の選手の1人だ。

ダニ・セバージョス(背番号10)
生年月日:1996年8月7日(24歳)
所属クラブ:レアル・マドリード
20/21リーグ戦成績:25試合出場/0得点3アシスト

 レアル・マドリードで結果が残せていないが、ダニ・セバージョスの実力に疑いの余地はない。UEFA U-19欧州選手権優勝、UEFA U-21欧州選手権優勝とアンダー世代でタイトルを獲得。2017年のUEFA U-21欧州選手権では準優勝ながら、大会最優秀選手に選出された。レアル・マドリードへ移籍の際には、バルセロナとレアル・マドリードが争奪戦をした逸材だ。卓越した足元のスキルを持っており、チームのためにハードワークできるセバージョスは、U-24スペイン代表をバルセロナ五輪以来の優勝に導けるのだろうか。

ミケル・メリーノ(背番号8)
生年月日:1996年6月22日(25歳)
所属クラブ:レアル・ソシエダ
20/21リーグ戦成績:26試合出場/2得点4アシスト

 ミケル・メリーノは若くしてスペイン、ドイツ、イングランドでのプレー経験を持つMFだ。ドルトムント、ニューカッスルでは出場機会に恵まれずに苦しんだが、レアル・ソシエダに移籍すると才能が開花。高精度なパスとフィジカルを武器に、ボックス・トゥ・ボックスで攻守にわたりチームに貢献している。オーバーエイジとして参戦する今大会、メリーノの経験と存在はU-24スペイン代表にとって、必ずプラスになる。

カルロス・ソレール(背番号14)
生年月日:1997年1月2日(24歳)
所属クラブ:バレンシア
20/21リーグ戦成績:32試合出場/11得点8アシスト

 バレンシア生え抜きのカルロス・ソレールは、かつてシルバ2世と言われた程の逸材だ。右サイドを主戦場とし、高精度のクロスとスピードを武器に、受け手としても出し手としてもその能力を活かすことができる。バレンシアユース加入当初はFWだったこともあり、ゴール前での落着きと抜群のシュートセンスも持っている。名だたるメンバーが揃うU-24スペイン代表で、シルバ2世と呼ばれた逸材は再びその名を世界に轟かせることができるだろうか。

ペドリ(背番号16)
生年月日:2002年11月25日(18歳)
所属クラブ:バルセロナ
20/21リーグ戦成績:37試合出場/3得点3アシスト

 18歳にしてバルセロナ移籍初年度から37試合に出場、ユーロ2020でも全試合に出場したペドリは、これからのスペインサッカーを担っていく存在だ。技術力が高く、正確無比且つアタッキングサードでみせるドリブルはスペインのレジェンド、イニエスタを彷彿とさせる。U-24スペイン代表でも攻撃のタクトを振るのは、間違いなくペドリだろう。ユーロ2020から十分な休養もなく東京五輪に臨むことになるが、ユーロ2020の雪辱を果たすことはできるだろうか。

FW

ブライアン・ヒル(背番号21)
生年月日:2001年2月11日(20歳)
所属クラブ:エイバル(スペイン)
20/21リーグ戦成績:29試合出場/4得点3アシスト

 20/21シーズン、エイバルで乾とチームメイトとなったブライアン・ヒルは、若手有望株50人に選ばれる程の才能の持ち主だ。ボールが足に吸いつくような独特のドリブルが特徴なレフティーで、U-19欧州選手権では全5試合に出場し、優勝に貢献した。将来有望な若き天才ウインガーは、アセンシオ、ダニ・オルモらとポジション争いをすることになるが、東京五輪のピッチで輝くことはできるだろうか。

マルコ・アセンシオ(背番号7)
生年月日:1996年1月21日(25歳)
所属クラブ:レアル・マドリード(スペイン)
20/21リーグ戦成績:35試合出場/5得点2アシスト

 20/21シーズンは、35試合5得点2アシストと満足いく結果を残すことが出来ず、レアル・マドリードで定位置を確保することができなかった。ユーロ2020出場も逃してしまったが、オーバーエイジとして東京五輪に選出されたレフティーの実力は本物だ。卓越したボールコントロールと強力なミドルシュートは驚異的だ。これまでワールドカップやCLなどの大舞台で示してきた実力と経験はU-24スペイン代表にとって大きな戦力となる。昨シーズンのパフォーマンスを引きずらず、再び大舞台で活躍することはできるだろうか。

ダニ・オルモ(背番号19)
生年月日:1998年5月7日(23歳)
所属クラブ:RBライプツィヒ(ドイツ)
20/21リーグ戦成績:32試合出場/5得点10アシスト

 バルセロナンのカンテラ(下部組織)でキャリアをスタートしたダニ・オルモは、アンダー世代代表で活躍する期待のアタッカーだった。Bチーム昇格も確実だったが、バルセロナでプロ契約することなく、ディナモ・ザグレブに移籍し、プロ契約を結んでいる。攻撃的ポジションならどこでもこなせるユーティリティープレイヤーはユーロ2020でも活躍し、世界も注目する若手選手へと成長した。ペドリらと同様にユーロ2020後の参戦となるが、ダニ・オルモの活躍なくして、U-24スペイン代表の優勝はありえないだろう。

ミケル・オヤルサバル(背番号11)
生年月日:1997年4月21日(24歳)
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
20/21リーグ戦成績:33試合出場/11得点8アシスト

 レアル・ソシエダで10番を背負うミケル・オヤルサバルは、18歳のデビュー時から主力として活躍し、4シーズン連続二桁得点を記録している。すでにリーガ・エスパニョーラで6シーズンを戦うオヤルサバルは、かつてのエース、アントワーヌ・グリーズマンと類似する点が多い選手で、ドリブル、パス、シュートの全てが一級品の万能型FWだ。東京五輪で輝き、スペインのヒーローとなるのはミケル・オヤルサバルかもしれない。

ラファ・ミル(背番号9)
生年月日:1997年6月18日(24歳)
所属クラブ:ウォルヴァーハンプトン(イングランド)
20/21リーグ戦成績:38試合出場/13得点1アシスト

 ラファ・ミルはバルセロナ、レアル・ムシアラ、バレンシアとユースチームを渡り歩き、バレンシアでトップチームデビューを果たしている。バレンシアやその後移籍したウォルヴァーハンプトンでは出場機会に恵まれなかったが、2020年にレンタル移籍したウエスカでブレイクした。強靭なフィジカルとスピードを活かし、空中戦でも地上戦でも戦えるFWだ。東京五輪での出場はわずかになる可能性があるが、試合終盤のパワープレーでは実力を発揮するだろう。

ハビ・プアド(背番号17)
生年月日:1998年5月25日(23歳)
所属クラブ:エスパニョール(スペイン)
20/21リーグ戦成績:37試合出場/12得点8アシスト

 2014年にエスパニョールのカンテラ(下部組織)に加入したハビ・プアドは、復帰まで約8ヵ月を要する大怪我を負うが、2018年にトップチームデビューを果たす。20/21シーズンは、12得点8アシストでエスパニョールのリーガ1部復帰に導く活躍を見せ、2021年3月から行われたU-21欧州選手権では、ベスト4進出に貢献した。ブライアン・ヒル、ダニ・オルモらとポジション争いをすることになるが、U-21欧州選手権での勢いそのままに、東京五輪でも輝くことはできるだろうか。

基本フォーメーション

▽GK
ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ)

▽DF
オスカル・ミンゲサ(バルセロナ)
エリック・ガルシア(バルセロナ)
パウ・トーレス(ビジャレアル)
マルク・ククレジャ(ヘタフェ)

▽MF
ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ)
ダニ・セバージョス(レアル・マドリード)
ペドリ(バルセロナ)

▽FW
マルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)
ダニ・オルモ(RBライプツィヒ/ドイツ)
ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ)

▽監督
ルイス・デ・ラ・フエンテ