10位:ハルクと呼ばれた怪物

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。今回は35歳以上の選手を対象としたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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FW:フッキ(元ブラジル代表/アトレティコ・ミネイロ)
生年月日:1986年7月25日(35歳)
市場価格:250万ユーロ(約3億円)
2020リーグ戦成績:15試合出場/7得点5アシスト

 2005年に川崎フロンターレへの移籍で来日した怪物フッキは、翌年当時J2のコンサドーレ札幌に期限付き移籍すると、リーグ戦38試合で25得点の活躍を見せた。さらに、2007年に加入した東京ヴェルディ1969でもリーグ戦42試合で37得点を決め、ジュニーニョと並ぶJ2シーズン最多得点記録タイを記録。その後、川崎フロンターレと東京ヴェルディでプレーし、2008年にポルトガルの強豪FCポルトに移籍した。

 Jリーグで圧倒的な実力を見せつけたフッキだが、初の欧州リーグ挑戦はベンチを温める日々が続いた。しかし、スポルティングCPとのカップ戦で途中出場から50mのドリブル突破から左足の弾丸シュートを決め、チームを逆転勝利に導いたことで次節からのスタメンを勝ち取っている。10/11シーズンには、リーグ戦26試合で23得点16アシストを記録し、リーグ得点王を獲得。FCポルトを国内3冠獲得に貢献した。

 欧州でも凄まじい活躍を見せたフッキ最大の武器は、やはり強靭な「フィジカル」だ。ハルクと呼ばれる「フィジカル」と「スピード」を活かしたドリブルは簡単には止められない。さらに、破壊力抜群のシュートも驚異的だ。35歳となったフッキは、今年1月に移籍したアトレティコ・ミネイロでも15試合7得点5アシストを記録している。キャリア終盤を迎えているこの怪物は、引退までにあと何得点決めるのだろうか。

9位:両利きのマジシャン

MF:サンティ・カソルラ(元スペイン代表/アル・サッド)
生年月日:1984年12月13日(36歳)
市場価格:200万ユーロ(約2.4億円)
20/21リーグ戦成績:20試合出場/13得点11アシスト

 スペインが生んだ両利きのマジシャン。ドリブル、パス、FKなど全てでワールドクラスのプレーを披露するサンティ・カソルラは、テクニカル且つ華麗なプレーでファンを魅了した。しかし、プレーとは異なりそのサッカー人生は苦悩の連続となっている。

 ビジャレアルでその名を世界に轟かせ、その後マラガやアーセナルでも活躍したカソルラは、幾度も怪我に悩まされている。その中でも最大の問題となったのは、サッカー選手生命の危機に直面した右脚アキレス腱の難病だ。スペインの名外科医が見たこともなく、原因も治療法も不明の難病の治療はリハビリ後の施術も含め、9回の執刀を要した。この難病の最中でもサッカーを諦めなかったカソルラは、22か月間の治療期間の後に奇跡的な復活を遂げた。

 その後古巣のビジャレアルに復帰し、現在はカタールのアル・サッドで現役を続けるカソルラは「テクニック」、「IQ」、「ドリブル」、「パス」の全てがトップクラス。体格故に「フィジカル」や「空中戦」に弱さはあるが、その華麗なプレーは今でも健在だ。奇跡の復活を遂げたこのマジシャンは「やれるだけ現役を続ける」と公言している。引退を決断するその日まで、怪我することなく魅了し続けてほしい。

8位:マルディーニの後継者

DF:チアゴ・シウバ(ブラジル代表/チェルシー)
生年月日:1984年9月22日(36歳)
市場価格:300万ユーロ(約3.6億円)
20/21リーグ戦成績:23試合出場/2得点0アシスト

 ACミラン、パリ・サンジェルマン、チェルシーなどの様々なビッグクラブや代表でキャプテンを務め、数々のタイトルを獲得してきた世界最高峰のCB。チアゴ・シウバは今年で37歳を迎える。キャリアの終盤を迎えてなお最前線で戦うこのCBは、未だ衰えが見えない。まさにモンスターだ。

 ACミランでその実力を世界に示したチアゴ・シウバは同クラブのレジェンド、パオロ・マルディーニに自身の後継者と認められた。また、ともにプレーしたアレッサンドロ・ネスタからも「世界最高のCB」と称賛されている。欧州5大リーグ初挑戦で、ブラジルのモンスターはその実力を世界に示した。

 広い視野と「スピード」を活かした素早いカバーリングとポジショニング。ファールすることなくボールを奪取する対人の強さと、強靭な「フィジカル」を活かした「空中戦」の強さ。DFの必要な要素をすべて持つこの男の「守備力」はまさに世界最高峰だ。正確なロングパスやセットプレーでの得点で攻撃にも貢献するチアゴ・シウバは、36歳を迎えてなお健在だ。

7位:グアルディオラ戦術の中核

MF:フェルナンジーニョ(元ブラジル代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1985年5月4日(36歳)
市場価格:200万ユーロ(約2.4億円)
20/21リーグ戦成績:21試合出場/0得点2アシスト

 母国のアトレティコ・パラナエンセでプロデビューしたフェルナンジーニョは、2005年にシャフタール・ドネツクに移籍し欧州デビュー。シャフタール・ドネツクと現在所属のマンチェスター・シティの両クラブで国内3冠を達成している。36歳を迎えてなお、ペップ・グアルディオラ監督の下で重要な役割を担っている。

 高い「IQ」と「パス」スキルがグアルディオラに認められたフェルナンジーニョは、同監督が就任すると不動のアンカーとして活躍。「攻撃力」だけでなく、的確なカバーリングと高いボール奪取能力も持ち合わせるこのMFは、同監督が実践する守備とビルドアップの際にCB間に入る偽CBシステムを実現してみせた。ロドリの加入により出場機会は減少したものの、36歳となった現在でもCBとDMFの両方をこなし、重要な役割を担っている。

 キャリア終盤を迎えたフェルナンジーニョがマンチェスター・シティで唯一獲得していないタイトルは、チャンピオンズリーグ(CL)のみ。1年間の契約延長により、9シーズン目を迎えたフェルナンジーニョは、今シーズン終了後に退団する可能性もある。CL優勝を同クラブにもたらすことは出来るだろうか。

6位:史上最多のタイトル保持者

DF:ダニエウ・アウベス(元ブラジル代表/サンパウロ)
生年月日:1983年5月6日(38歳)
市場価格:200万ユーロ(約2.4億円)
20/21リーグ戦成績:8試合出場/1得点3アシスト

 かつてバルセロナで黄金期を築いたダニエウ・アウベスは、これまでクラブと代表で様々なタイトルを獲得してきた。東京五輪(東京オリンピック)でもオーバーエイジ(OA)としてU-24ブラジル代表に名を連ね、見事優勝に貢献。アウベスにとっては通算43個目のタイトルで、サッカー界史上最多のタイトルを獲得した選手だとされている。

 「スピード」と「テクニック」を活かした「ドリブル」や仲間との連係で果敢に攻め上がるアウベスは、超攻撃的SBとしてその名を轟かせた。バルセロナ在籍時には、右ウイングでのスタメン出場も経験しており、その「攻撃力」はSB界隈では世界最高峰だろう。また縦への突破だけでなく、卓越した「テクニック」と「パス」スキルで周りを活かすプレーもできる。そのため、このDFは2019年に移籍した母国のサンパウロで10番を背負いインサイドハーフとしてもプレーしている。

 36歳にしてサンパウロで新境地を開拓したアウベスは、東京五輪で全試合にスタメン出場。38歳となってなお全く衰えを見せていない。現役引退までに、通算タイトルの数をさらに伸ばすことも可能だろう。