15位: GKまでこなすアルゼンチンの働き者

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。今回は35歳以上の選手を対象としたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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MF:エンソ・ペレス(元アルゼンチン代表/リーベル・プレート)
生年月日:1986年2月22日(35歳)
市場価値:200万ユーロ(約2.4億円)
2020リーグ戦成績:18試合0得点0アシスト

 アルゼンチン代表として2度のワールドカップ出場を経験したエンソ・ペレスは、母国に戻ってプレーを続けている。25歳のときに欧州へ渡り、ベンフィカではリーグ優勝も経験。バレンシアにも2年半在籍し、ラ・リーガで61試合に出場している。

 アルゼンチン代表としては、2014年と18年の2大会に出場。リオネル・メッシらスター軍団を陰で支え続けた。Jリーグ行きの噂を報じられたこともあったが、2017年夏からはリーベル・プレートに所属している。

 大きな穴がなく、攻守に貢献できるMFだ。アルゼンチン出身らしく「テクニック」とボールを運ぶ能力は高く、前線やサイドへの展開力も備えている。ハードなタックルによりイエローカードをもらうことも少なくないが、豊富な運動量を活かして90分間働き続ける。5月に行われたコパ・リベルタドーレスでは、新型コロナウイルスの影響でGK不在という非常事態に陥り、ペレスがGKを務めてチームの勝利に貢献した。チームのために身を粉にして働くペレスの持ち味は、35歳となった今でも健在だ。

14位:大怪我から復活したイタリア代表DF

DF:ジョルジョ・キエッリーニ(イタリア代表/ユベントス)
生年月日:1984年8月14日(37歳)
市場価値:150万ユーロ(約1.8億円)
20/21リーグ戦成績:17試合0得点0アシスト

 ジョルジョ・キエッリーニはユベントス低迷期を知る数少ない選手である。また、2011/12シーズンから昨シーズンまでのセリエA9連覇すべてを経験したのはキエッリーニただ一人だ。19/20シーズンの開幕直後に右膝の前十字靭帯断裂という大怪我を負ったが、見事に復活している。今夏のユーロ2020(欧州選手権)ではキャプテンとしてイタリア代表の優勝に大きく貢献した。

 ユベントスでは当初、左サイドバックを主戦場としていたが、今ではすっかり中央の選手というイメージが定着した。ボールを正確に捉えるタックル、闘争心を前面に押し出した迫力満点の守備対応は相手FWの大きな脅威となる。「スピード」こそ劣るものの、経験とに裏打ちされた正確なポジショニングでピンチを防いでいる。「テクニック」や「パス」といった攻撃面で数値を下げているが、守備面における能力の高さが、キエッリーニがこの歳になっても第一線で活躍し続ける理由と言えるだろう。

 ユーロ準々決勝のベルギー戦でロメル・ルカクを、決勝のイングランド戦ではラヒーム・スターリングを抑えた。さらにチームを束ねるリーダーシップで、DF陣やチーム全体をまとめてきた。今年37歳のキエッリーニだが、ユーロ終了後にユベントスと2023年までの契約の延長が発表されるなど、まだまだ活躍が期待される。

13位:インテルに移籍したローマの元主将

FW:エディン・ゼコ(ボスニア・ヘルツェゴビナ代表/インテル)
生年月日:1986年3月17日(35歳)
市場価値:400万ユーロ(約4.8億円)
20/21リーグ戦成績:27試合7得点4アシスト

 35歳となってもなお、セリエAという世界最高峰の舞台で輝き続けるエディン・ゼコ。6年間プレーしたASローマを離れ、今季からはインテルでプレーする。デビュー戦でいきなり1得点1アシストをマークしており、ロメル・ルカクが抜けた穴を埋めることができそうだ。

 5大リーグで初めてプレーしたのはドイツのヴォルフスブルクで、08/09シーズンには26得点を挙げてリーグ優勝に貢献。翌シーズンには22ゴールを記録して得点王に輝いている。4年半プレーしたマンチェスター・シティではセルヒオ・アグエロもいたため常時出場というわけではなかったが、11/12シーズンからは3年間で44得点と結果を残し、2度のリーグ優勝に貢献している。

 最大の魅力は193cmという長身を活かしたパワフルなプレーだ。最前線で身体を張り、ポストプレーや「空中戦」の競り合いで起点を作る。また、足下の技術も非凡であり、巧みなボールキープから2列目、3列目の攻撃参加を活かすことができるのも強みだ。頭に加えて両足からも精度の高いシュートを決めることができ、ゴール前での存在感は圧倒的。代表やローマでキャプテンを務めてきただけに、チームへの献身性やリーダーシップもゼコの価値の大きさを示している。

12位:リバプールを支える情熱的MF

MF:ジェームズ・ミルナー(元イングランド代表/リバプール)
生年月日:1986年1月4日(35歳)
市場価値:300万ユーロ(約3.6億円)
20/21リーグ戦成績:26試合0得点1アシスト

 ジェームズ・ミルナーは、プレミアリーグで現役最多の試合出場記録を持っており、昨季は歴代5人目となる550試合出場を達成している。今季中に36歳となるが、世界最高峰の舞台でプレーを続けている。

 02/03シーズンにリーズ・ユナイテッドでプロキャリアを始めたミルナーは、これまで6つのクラブに在籍している。アストン・ヴィラでプレーしていた09/10シーズンにはイングランド代表でもデビューを果たし、そのシーズンはプレミアリーグで7得点12アシストという数字を残している。マンチェスター・シティでは2度のリーグ優勝に貢献し、15年夏から所属するリバプールでもクラブにとって30年ぶりとなるリーグ制覇を経験している。

 若き日のミルナーは突破力と鋭いクロスを武器とするウインガーだったが、リバプールではインサイドハーフやアンカーだけでなく、両サイドバックもこなしている。こうした万能性はミルナーの「IQ」の高さを証明しており、当たり負けしない「フィジカル」や豊富な運動量がそれを支えている。近年は故障も多く、絶対的なレギュラーというわけではない。それでも、ピッチに立てばミスをしたコスタス・ツィミカスを鼓舞するなど、情熱的な言動でもチームを支えている。

11位:シメオネに愛されたレジェンド

MF:ラウール・ガルシア(元スペイン代表/アスレティック・ビルバオ)
生年月日:1986年7月11日(35歳)
市場価値:250万ユーロ(約3億円)
20/21リーグ戦成績:34試合5得点1アシスト

 オサスナでプロキャリアをスタートさせたラウール・ガルシアは、ラ・リーガで16年以上活躍し続けてきた生きるレジェンドだ。7シーズン在籍したアトレティコ・マドリードでは公式戦通算329試合に出場し、13/14シーズンにはリーグ優勝に貢献。15年夏からはアスレティック・ビルバオに籍を移し、昨季はラ・リーガ通算500試合出場も達成している。

 元々は攻撃的MFだったが、アトレティコに加入した当初は守備的MFで起用されることが多かった。しかし、11/12シーズンに期限付き移籍でオサスナに復帰して11得点を挙げると、アトレティコでも攻撃的なポジションで起用されることが多くなる。絶対的なレギュラーだった時期は少ないが、献身的なプレスと身体の強さを活かしたボール奪取や空中戦の競り合いでチームに貢献。ディエゴ・シメオネ監督に愛され、アトレティコのスタイルを体現する存在だった。

 29歳の誕生日を迎えた夏に、ガルシアはビルバオに移籍。センターフォワードで起用されることが多くなった19/20シーズンには、キャリアハイとなる15得点をマークしている。歳を重ねるとともにポジションを変えながら、ラ・リーガで活躍を続けている。

【了】