U-24日本代表の守護神

 日本代表は9月2日にカタールワールドカップのアジア最終予選でオマーン代表と対戦し、同7日には中国代表と対戦する。新型コロナウイルスの影響は依然として大きく、開幕したばかりの欧州リーグに所属する選手を召集できない可能性もあり、国内組から多く抜てきされることも想定される。今回は、9月に行われるアジア最終予選に臨む日本代表に推薦したいA代表未招集の Jリーガー5人を紹介する。

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GK:谷晃生(たに・こうせい)
生年月日:2000年11月22日(20歳)
所属クラブ:湘南ベルマーレ
2021リーグ戦成績:22試合出場/26失点

 2020年に期限付きレンタル移籍した湘南ベルマーレでJ1デビューを果たした谷晃生は、デビュー後すぐにスタメンに定着。1年目からリーグ戦25試合に出場する活躍を見せ、東京五輪メンバーに名を連ねた。東京五輪代表でも直前の親善試合で安定した高いパフォーマンスを見せ、本大会での守護神の座を勝ち取っている。

 7月22日から行われた東京五輪でも安定したパフォーマンスでU-24日本代表のゴールを守り、全勝でのグループリーグ突破に貢献。 PK戦にまでもつれ込んだ準々決勝では2本目のPKを止め、U-24日本代表を準決勝進出へ導いた。迎えた向かえた準決勝でも再三のチャンスをセーブ。決勝進出まであと一歩に迫ったが、U-24スペイン代表のマルコ・アセンシオのゴラッソに沈んだ。

 東京五輪での活躍は、A代表監督を兼任する森保一監督の眼にも留まったはずだ。鋭い反射神経と冷静な判断で至近距離からのシュートも防ぐ高いセービング能力は、A代表でも十分に通用する。すぐにスタメン定着はできなくとも、カタールワールドカップまでに守護神の座を奪取できるポテンシャルは秘めている。

冨安健洋のライバル候補

DF:菊池流帆 (きくち・りゅうほ)
生年月日:1996年12月9日(24歳)
所属クラブ:ヴィッセル神戸
2021リーグ戦成績:23試合出場/4得点0アシスト

 元々サイドハーフとしてプレーしていた菊池流帆は、青森山田高校時代に自らCBにコンバートを志願。入部当初はDチームだったが3年次にはトップチームまで上り詰め、夏の高校総体(インターハイ)と冬の全国高等学校サッカー選手権大会に出場。両大会で優秀選手に選ばれた。卒業後は大阪体育大学に進学。その後、大卒でレノファ山口FCに加入した菊池は、釜石出身として初のJリーガーとなった。

 大学時代にはユニバーシアード台北大会に日本代表として参加し、優勝に貢献した菊池は、プロ初年度からリーグ戦35試合3得点1アシストを記録。翌年にはヴィッセル神戸に移籍しステップアップを遂げた。加入当初はJ1リーグ戦で出場機会が少なかったものの、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)では5試合に出場し、準決勝進出に貢献。今季はスタメンに定着し、23試合出場に出場し4得点を決めている。

 強靭なフィジカルとスピードを兼ね備える菊池は、粘り強い守備を武器に対人でその強さを発揮。Jリーグ内で当たり負け前することは滅多にないだけに、その実力が世界相手にどこまで通用するのか見てみたい。実力だけでなくパッションを表に出して表現できプレーするこのDFの存在は、日本代表で冨安健洋や板倉滉のライバルになるかもしれない。
 
<h2>どこでもこなす万能型MF

MF:旗手玲央 (はたて・れお)
生年月日:1997年11月21日(23歳)
所属クラブ:川崎フロンターレ
2021リーグ戦成績:18試合出場/3得点1アシスト

 攻撃的ポジションを得意とする旗手玲央は、順天堂大学在籍時に1年生ながら9得点をあげて新人王を獲得。U-22日本代表として参加した2019年のトゥーロン国際では、第2節のU-22チリ代表戦でハットトリックを決め、史上初の決勝進出に貢献した。2020年に入団した川崎フロンターレでも左サイドハーフでJ1デビューを果たしている。

 トップ下や左サイドハーフを主戦場とする旗手は、昨季第32節のサガン鳥栖戦で左SBとして先発フル出場。今季もここまでインサイドハーフと左SBの両方でプレーしている。東京五輪でも左サイドハーフと左SBの両方で高いパフォーマンスを見せ、ベスト4に貢献した。まさに日本有数の万能型MFだ。

 どのポジションでも高いパフォーマンスを発揮できる旗手のような選手は多くない。強靭なフィジカルと高い足元のスキルを持ち合わせ、1人でも連係でも局面を打開できる。このMFは、突出した武器はないものの、全てにおいてハイレベルな選手だ。器用にどこでもこなせるそのユーティリティー性は、クラブや東京五輪だけでなくA代表でも重要な存在となるだろう。

鹿島アントラーズの新たな顔

MF:荒木遼太郎 (あらき・りょうたろう)
生年月日:2002年1月29日(19歳)
所属クラブ:鹿島アントラーズ
2021リーグ戦成績:23試合出場/8得点6アシスト

 ロアッソ熊本のジュニアユースで頭角を現した荒木遼太郎は、ユースには昇格せず東福岡高校にへの進学を決断した。1年次の2018年に行われたAFC U-16選手権では、U-16日本代表の主力として優勝に貢献。2年次には、すでに卒業後の鹿島アントラーズ入団が決定していた。

 加入後すぐのルヴァンカップ開幕戦でプロデビューした荒木は、続くJ1リーグ開幕戦でも途中出場。内田篤人以来となる高卒1年目での開幕戦プロデビューを果たした。初年度からリーグ戦26試合2得点2アシストを記録した同選手は、今季もここまでリーグ戦23試合で8得点6アシストを記録。城彰二以来27年ぶりとなる、10代での3試合連続ゴールを決めている。

 密集した中でもボールを失わないテクニックと卓越したパススキルを持つ荒木のチャンスメイク能力は、Jリーグで頭一つ抜けている。周りを活かすプレーだけでなく、スペースに顔を出しゴールも決められるこのMFは、19歳にして「チームの心臓」とも評されている。A代表には欧州で活躍するMFが多くいるが、そこの割って入るだけの可能性を大いに秘めている。

アルビレックス新潟の至宝

MF:本間至恩 (ほんま・しおん)
生年月日:2000年8月9日(21歳)
所属クラブ:アルビレックス新潟
2021リーグ戦成績:25試合出場/5得点6アシスト

 13歳でアルビレックス新潟U-15に加入した本間至恩は、2015年にU-15日本代表に初招集。タイ遠征などに参加し、13試合5得点の活躍を見せた。翌年にはアルビレックス新潟U-18に昇格。2017年の高校2年生時に2種登録され、同年のルヴァンカップでクラブ史上最年少でのトップチームデビューを果たした。

 「新潟の至宝」と言われる本間至恩は、高校を卒業するとすぐに主力に定着。2020シーズンには10番を背負い、J2リーグ戦40試合に出場し7得点7アシストを記録した。スピードを活かしたキレの鋭いドリブルを武器にJ2で無双するこのMFは、同クラブを指揮するアルベルト・プッチ・オルトネダ監督からの評価も高く、今後の海外への移籍が確実視されている。

 本間至恩の実力は未だJ2でしか見れていないが、今や日本トップレベルのドリブラーであることに疑いの余地はないだろう。A代表への招集経験はないが、同選手の実力とポテンシャルは、日本代表の新たなオプションと成り得る。この21歳のドリブラーが日本を背負い、世界屈指の強豪国を相手に真っ向勝負する姿を見てみたい。