10位:バルセロナには合わない?

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。今回は左利きの選手を対象としたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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FW:アントワーヌ・グリーズマン(フランス代表/バルセロナ)
生年月日:1991年2月21日(30歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
20/21リーグ戦成績:36試合出場/13得点7アシスト

 レアル・ソシエダで頭角を現し、アトレティコ・マドリードで王様となり、フランス代表としてワールドカップを勝ち取ったアントワーヌ・グリーズマン。しかし、2019年に加入したバルセロナではなかなか輝きを放てておらず、サポーターからブーイングを浴びせられることも珍しくない。現在30歳ということを考えても、かなり厳しい状況にあると言わざるを得ない。

 アトレティコ時代の「攻撃力」は凄まじいものがあった。「スピード」があってシュートや「パス」センス、「テクニック」も非凡で、フィニッシャーとしてもチャンスメーカーとしても怖い存在だった。それに加え、ディエゴ・シメオネ監督のチームでは「守備力」もレベルアップした。まさに、前線の何でも屋というような男だった。

 バルセロナでも「守備力」やオフ・ザ・ボールの動きは目立っている。しかし、総じて「攻撃力」は落ちていると言わざるを得ない。もともとグリーズマンは個で打開するような選手ではなくチームプレーヤーなのだが、そのチームに合っていないことでシュートや「パス」のスキルがほぼ目立っていないのである。「スピード」などもやはり低下しており、今回はギリギリのトップ10入りとなっている。

9位:多才なポルトガル代表戦士

FW:ベルナルド・シウバ(ポルトガル代表/マンチェスター・シティ)
生年月日:1994年8月10日(27歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
20/21リーグ戦成績:26試合出場/2得点6アシスト

 プロキャリアのスタート地となったベンフィカでは輝きを放つことができなかったが、2014年に移籍したモナコで秘めたる才能が開花。一気にビッグクラブ注目の的となった。そして、2017年にマンチェスター・シティへの移籍を勝ち取ると、ここでも非凡なパフォーマンスを披露。「彼と働くのが大好きだ」とジョゼップ・グアルディオラ監督もその才能にメロメロとなっていた。ここ最近は加入当初ほどの活躍こそないものの、同指揮官からの評価は相変わらず高い。

 数値が「90」を超えたのは「ドリブル」と「テクニック」だ。爆発的な「スピード」や「フィジカル」こそないが繊細な左足を使ってボールを巧みに操り、狭いエリアを打開することをお構いなしにやってのける。また、ポルトガル人レフティーは「パス」センスも実に非凡。長短を巧みに使い分け、ゲームメークもチャンスメークもハイレベルに行う。

 さらにインサイドハーフにウイング、センターフォワードまでも務められるユーティリティー性を兼備。そして運動量も抜群に豊富で、フリーランニングや献身的なディフェンスでも存在感を示すなど、実に多才である。チームに一人はいてほしい、そんな選手と言っていいだろう。

8位:伝統の番号を背負う男

FW:パウロ・ディバラ(アルゼンチン代表/ユベントス)
生年月日:1993年11月15日(27歳)
市場価格:5000万ユーロ(約60億円)
20/21リーグ戦成績:20試合出場/4得点3アシスト

「La Joya(宝石)」の愛称で知られるアルゼンチン人レフティーはパレルモで頭角を現し、2015年にユベントスの一員となっている。ビッグクラブの中で委縮することなく1年目から結果を残すと、在籍3年目の2017/18シーズンよりアレッサンドロ・デル・ピエロやロベルト・バッジョら偉大な先発が身に着けてきた伝統の10番を継承。名実ともにユベンティーノのアイドルとなった。

 アルゼンチン出身選手というだけあって「テクニック」と「ドリブル」のセンスはずば抜けて高い。左足で細かくボールをタッチしてDFを無力化する姿から、同胞の先輩でもあるリオネル・メッシと比較する声も多くあるほどだ。また、狭いコースを確実に射抜きゴールネットを揺らせるなどシュートセンスもピカイチ。足の振りもとにかく速いため、GKもDFもストップするのが困難となる。

 それだけでなく、視野が広くキック精度が抜群でチャンスメーク能力にも長けるというストロングポイントもある。とくにバイタルエリアでボールを持つと危険で、ユベントスでもクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に数々のストライカーたちの決定機を演出してきた。「フィジカル」や「空中戦」などでこそ評価を落とすが、オフェンスセンスはやはりワールドクラスと断言していいはずだ。

7位:攻撃的SB

DF:ジョルディ・アルバ(スペイン代表/バルセロナ)
生年月日:1989年3月21日(32歳)
市場価格:2000万ユーロ(約24億円)
20/21リーグ戦成績:35試合出場/3得点7アシスト

 バレンシアで頭角を現した小さなレフティーは、2012年にカンテラ(下部組織)時代を過ごしたバルセロナに復帰を果たしている。そこから長きに渡って同クラブの左サイドを任されており、ラ・リーガ、チャンピオンズリーグ(CL)など数々のタイトル獲得に貢献。スペイン代表でも重要な戦力となっており、2012年のユーロ(欧州選手権)では連覇の立役者となっていた。

「攻撃力」に関してはサイドバックの中でトップレベルにあると言えるだろう。非凡な「スピード」と豊富な運動量が備わっており、敵陣深くでボールを受ければ高質なクロスやラスト「パス」で味方の決定機を作り出す。もちろん、足元の「テクニック」がハイレベルなレフティーは攻撃の仕上げだけでなく、組み立て部分における貢献度もピカイチ。バルセロナにはピッタリな存在である。

 また、オフ・ザ・ボールの動きにも長けているのがスペイン人SBのもう一つの魅力。バルセロナではとくにリオネル・メッシとの相性が抜群で、効果的なランニングから「パス」を引き出してはリターンし、大エースのゴールをお膳立てすることが非常に多かった。そのメッシは今夏にパリ・サンジェルマン(PSG)へと去ったが、ベテランSBのこのスタイルは変わらずチームの武器になるだろう。

6位:最高のマルチロール

DF:ダビド・アラバ(オーストリア代表/レアル・マドリード)
生年月日:1992年6月24日(29歳)
市場価格:5500万ユーロ(約66億円)
20/21リーグ戦成績:32試合出場/2得点4アシスト(バイエルン・ミュンヘン)

 バイエルン・ミュンヘンの下部組織出身で、2011/12シーズンにユップ・ハインケス監督によりトップチームのレギュラーに据えられた。以降、バイエルンには数々の名将がやって来たが、ダビド・アラバの地位が大きく揺れることはなかった。そして今年夏、30歳を手前にしレアル・マドリードへの移籍を決断。背番号はセルヒオ・ラモスが長きに渡り身に着けてきた4番となっている。

 足元の「テクニック」や「パス」センスが抜群なためビルドアップへの参加を苦にしておらず、セットプレー時にはキッカーとしてチャンスを作り出せるあたりがストロングポイント。DFとして「空中戦」にやや難がある点は否めないが、水準以上の「スピード」が備わっており、カバーリングや鋭いインターセプトといったクレバーな対応が光るなど、総合能力は決して低くない。

 また、オーストリアが生んだ名手アラバと言えば見逃せないのが「IQ」の高さだ。サイドバック、センターバック、そして中盤をハイレベルに務めることを可能としている。ジョゼップ・グアルディオラ監督がバイエルンの指揮を執っていた頃には、SBながらインサイドに絞り中央での崩しに参加。この動きは「アラバロール」として一躍サッカー界の新トレンドとなっていた。「IQ」の高いアラバだからこそ任せられた役割と言えるだろう。