10位:イングランド2部MVPの逸材</h2>

 欧州主要国の2021/22シーズン夏の移籍市場が現地時間8月31日に幕を閉じた。今夏も様々なビッグディールが誕生したが、最も高額な移籍金が支払われた選手は誰だったのだろうか。今回は、21/22シーズン夏の移籍金ランキングを紹介する。(移籍金、市場価格は『transfermarkt』を参照)

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MF:エミリアーノ・ブエンディア(アルゼンチン代表)
生年月日:1996年12月25日(24歳)
市場価格:3500万ユーロ(約42億円)
移籍先:ノリッジ→アストン・ヴィラ
移籍金:3840万ユーロ(約46億円)
20/21リーグ戦成績:39試合出場/15得点17アシスト

 2009年にレアル・マドリードのカンテラ(下部組織)に加入したエミリアーノ・ブエンディアは、その後ヘタフェのカンテラへと移籍し、トップチームデビューを果たした。16/17シーズンには1年でのラ・リーガ復帰に貢献するも、翌年にセグンダ・ディビシオン(2部)のレオネサにローンで放出。2018年に当時チャンピオンシップ(2部)のノリッジに加入した。

 ダイナミック且つテクニカルなプレーで、加入後すぐにスタメンに定着したブエンディアは、1年目からリーグ戦38試合に出場。8得点12アシストを記録し、チャンピオンシップ優勝に貢献した。初のプレミアリーグでは、怪我と出場停止となった2試合以外全ての試合に出場し、7アシストを記録。ただ、個人では奮闘したものの、チームは再び降格となった。
 
 翌年のチャンピオンシップでは、15得点17アシストを記録。圧巻の数字を残し、再びノリッジをプレミアリーグ昇格に導いた。その活躍もあり、今夏3840万ユーロ(約46億円)でアストン・ヴィラに移籍。開幕から3試合に全てにスタメン出場し、すでに1得点を決めている。チャンスメークにおいて、昨季のチャンピオンシップでトップの数字を記録したこの男は、間違いなく今季注目すべき選手の1人だ。

7位タイ:イタリアで再起を誓う元チェルシーの逸材</h2>

FW:タミー・エイブラハム(イングランド代表)
生年月日:1997年10月2日(23歳)
市場価格:3800万ユーロ(約45.6億円)
移籍先:チェルシー→ローマ
移籍金:4000万ユーロ(約48億円)
20/21リーグ戦成績:22試合出場/6得点2アシスト

 タミー・エイブラハムは、2015年と2016年にFAユースカップとUEFAユースリーグを2連覇したチームをエースとして牽引するも、16/17シーズンからは3シーズン連続でローン移籍に出された。しかし、チェルシーのレジェンド、フランク・ランパードが監督に就任すると開幕戦からスタメン出場。リーグ戦34試合で15得点を決める活躍を見せ、ブレイクを果たした。

 しなやかなフィジカルとスピードを持ち、強烈なシュートを放てるエイブラハムは、かつてアーセナルやトッテナムで活躍したエマニュエル・アデバヨールを彷彿とさせる。ティモ・ヴェルナーの加入により出場機会が減少したが、その実力に疑いの余地はない。しかし、チェルシーのエースとして期待されたこの男は、今夏チェルシーを去ることを決断。ジョゼ・モウリーニョ率いるローマへ移籍した。

 開幕戦からスタメン出場したエイブラハムは、初挑戦となるセリエAにすぐに適応してみせた。開幕戦では2アシスト、続く第2節ではセリエA初ゴールをマークし、チームの2連勝に貢献している。加入後すぐにチームの主軸となったこのFWは、4シーズンぶりのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得、さらに21年ぶりのスクデット(国内リーグ優勝)をもたらすことは出来るだろうか。

7位タイ:ライプツィヒが育てたヤングスター

DF:イブラヒム・コナテ(フランス代表)
生年月日:1999年5月25日(22歳)
市場価格:3500万ユーロ(約42億円)
移籍先: RBライプツィヒ→リバプール
移籍金:4000万ユーロ(約48億円)
20/21リーグ戦成績:14試合出場/1得点0アシスト
 
 2017年にリーグ2(2部)のモンテベリアルでプロデビューしたイブラヒム・コナテは、デビュー半年でドイツのRBライプツィヒに移籍。各年代別代表でも活躍したコナテは、ブンデスリーガに昇格した初年度に2位でシーズンを終える躍進を見せたチームの一員となった。

 194cm、95kgと恵まれた体格で、強靭なフィジカルとスピードを持ち合わせるコナテは、若手主体のRBライプツィヒでディフェンスリーダーに成長。ホームのバイエルン戦では3バックの中央を務め、勝利に貢献している。2年目には公式戦43試合に出場し、リーグ最少失点と DFBポカール準優勝に貢献。ジェイドン・サンチョ、カイ・ハフェルツなど、その年のヤングスターたちと並び評された。

 CBながら足元の技術もあり、守備だけでなくビルドアップや正確なロングフィードで、攻撃にも貢献できる。昨シーズン、最終ラインに怪我人が相次ぎ、ジョーダン・ヘンダーソンがCBを務めるなど、人員不足で苦戦を強いられたリバプールにとってコナテは大きな戦力となる。近年、移籍金が高騰している中で4000万ユーロ(約48億円)で獲得できたこともラッキーだった。世界最高のCBとも評されるファン・ダイクとのコンビは、プレミアリーグはもちろん、世界でも最強クラスの鉄壁となるだろう。

7位タイ:セルヒオ・ラモスの元相棒</h2>

DF:ラファエル・ヴァラン(フランス代表)
生年月日:1993年4月25日(28歳)
市場価格:7000万ユーロ(約84億円)
移籍先:レアル・マドリード→マンチェスター・ユナイテッド
移籍金:4000万ユーロ(約48億円)
20/21リーグ戦成績:31試合出場/2得点0アシスト

 プロデビュー後半年でレアル・マドリードに加入。スペイン国内はもちろん、レアル・マドリードで全てを手にし、2018FIFAワールドカップでもフランス代表の一員として世界の頂点に立ったラファエル・ヴァランは今夏、4000万ユーロ(約48億)でマンチェスター・ユナイテッドに移籍した。

 強靭なフィジカルとDF離れしたスピードを持つヴァランは、レアル・マドリードでもすぐに主力に定着した。2年目には、コパ・デル・レイ(国内カップ)準決勝で初のクラシコに出場。ホームとアウェイの両方で得点を決め、決勝進出に貢献した。同クラブのレジェンド、セルヒオ・ラモスの相棒を務めたこの男は、契約延長を打診されるもスペインでの旅に終止符を打ち、新たな挑戦を選んだ。

 そして、世界最高のCBの1人と称されるヴァランが新天地に選んだのは、イングランドの強豪マンチェスター・ユナイテッド。第3節ウォルバーハンプトン戦で早くもスタメンに名を連ねると、新加入とは思えない程の落着いたプレーで相手の猛攻を防いだ。近年、守備を問題視されていただけに、9年ぶりのプレミアリーグ王座奪還を目指す同クラブにとって、この男の加入は最大の朗報だろう。
 
<h2>6位:ナーゲルスマンの愛弟子

DF:ダヨ・ウパメカノ(フランス代表)
生年月日:1998年10月27日(22歳)
市場価格:6000万ユーロ(約72億円)
移籍先:RBライプツィヒ→バイエルン・ミュンヘン
移籍金:4250万ユーロ(約51億円)
20/21リーグ戦成績:29試合出場/1得点1アシスト

 2016年、当時南野拓実が所属したレッドブル・ザルツブルグで頭角を現したダヨ・ウパメカノは翌年、兄弟クラブのRCライプツィヒに移籍。知将ユリアン・ナーゲルスマン監督の下で、ブンデスリーガ屈指のCBへ成長を遂げた。そして今夏、ナーゲルスマンのバイエルン・ミュルヘン新監督就任に伴い、ウパメカノは4250万ユーロ(約51億円)で同クラブに加入した。

 大柄で強靭なフィジカルを活かしたダイナミックなプレーが特徴のウパメカノは、対人の強さはもちろんだが、足元の技術も持ち合わせている。ボール奪取した後の相手のプレスの中でも失わないキープ力や、正確なロングフィードで最終ラインから攻撃に貢献。19/20シーズンには、同クラブ初のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝したチームを後方から支えた。

 そして今夏、ブンデスリーガで9連覇しているバイエルンに移籍。ドイツ最強のクラブでも開幕戦からスタメン出場し、3連勝に貢献している。ドイツの地で大きくステップアップしたこの22歳は、4250万ユーロ(約51億円)が相応しいことをプレーで証明し、さらなるステップアップをすることが出来るだろうか。