20位:プレミア屈指のサイドアタッカー

 リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に、世界には数々のスター選手が存在する。しかし、それらの選手のどこが優れてどこが劣っているのかを知る者はあまり多くはないはずだ。今回フットボールチャンネル編集部では、世界屈指の実力者たちの各能力を様々なデータを参照して数値化し、平均値を算出。今回は「ドリブル」にフォーカスしたランキングを紹介する(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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FW:ウィルフリード・ザハ(コートジボワール代表/クリスタルパレス)
生年月日:1992年11月10日(28歳)
市場価値:4500万ユーロ(約54億円)
20/21リーグ戦成績:30試合11得点2アシスト

 4歳の頃に家族と母国を離れ、ロンドンに移住したウィルフリード・ザハは、12歳でクリスタルパレスの下部組織に加入。2010年にトップチームデビューを果たした。当時チャンピオンシップ(2部相当)の同クラブですぐに主力となったザハは、2013年にマンチェスター・ユナイテッドにするも、在籍3年間でリーグ戦出場は2試合のみ。ビッグクラブ挑戦は失敗に終わり、2014年にクリスタルパレスに復帰した。

 マンチェスター・ユナイテッドから復帰後、エースとしてクリスタルパレスを牽引するザハ最大の武器は、強豪相手でも一人で相手のDF網を突破できる「ドリブル」だ。ペナルティーエリア付近での「スピード」と「テクニック」を活かしたドリブルは、プレミア屈指のDFと言えど手に負えない。さらに強靭なDFを背負いながらも変転し、強烈なシュート打てるこの男の「フィジカル」と「攻撃力」はプレミア屈指だ。

 昨季は自己最多の11得点を決め、シーズンを重ねるごとに凄みが増しているザハの実力はプレミアリーグ内でもトップクラス。若くして移籍したマンチェスター・ユナイテッドでは失敗したが、成熟した今なら主力に定着することは間違いないだろう。この先、幼少期から育ったクラブに残留し続けるのか、再びビッグクラブに挑戦するのか。今後の活躍と動向に注目したい。

19位:ユベントスのアシスト製造機</h2>

DF:フアン・クアドラード(コロンビア代表/ユベントス)
生年月日:1988年5月26日(33歳)
市場価値:1600万ユーロ(約14.8億円)
20/21リーグ戦成績:30試合2得点11アシスト

 母国のクラブでプロデビューしたフアン・クアドラードは、2009年に移籍したウディネーゼで欧州デビュー。その後、2013年に加入したフィオレンティーナで頭角を現した。2015年にはチェルシーに移籍するも、リーグ戦出場は12試合のみ。翌シーズンにユベントスに出されることになったが、再びセリエAで輝きを取り戻したクアドラードはユベントスでスタメンに定着し、数々のタイトル獲得に貢献している。

 「スピード」と緩急を活かした直線的な「ドリブル」で右サイドを駆け上がるクアドラードは、ユベントスに加入しSBにコンバートされるとアシストを量産。高い「パス」精度でアーリークロス、グラウンダークロス、後方からのスルーパスなど様々な状況からアシストすることが出来る。無尽蔵の体力で90分間上下動を繰り返し、試合終盤でも高精度のパスを繰り出せるこの男はまさにアシスト製造機だ。

 2015年にユベントス加入後アシストを量産するクアドラードは、昨季自身最多となる11アシストを記録。21世紀以降ユベントスに所属した選手内で3位に付けている。33歳となり、衰えるどころか向上し続けるこの男は、今季王座奪還を狙う同クラブにとって欠かせない存在であることは間違いない。絶対的エース、クリスティアーノ・ロナウドの退団に得点力不足が危惧されるが、クアドラードは昨季までと変われず、アシストを量産することが出来るだろうか。

18位:プレミア最高の偽9番</h2>

FW:ロベルト・フィルミーノ(ブラジル代表/リバプール)
生年月日:1991年10月2日(29歳)
市場価値:5000万ユーロ(約60億円)
20/21リーグ戦成績:36試合9得点7アシスト

 母国でキャリアをスタートしたロベルト・フィルミーノは、2011年にホッフェンハイムに移籍し欧州デビューを果たした。ドイツで10番を背負い、その才能を証明したフィルミーノは2015年、ユルゲン・クロップがリバプールの監督に就任すると同クラブに移籍。リバプール復権の原動力となり、2017年からはサディオ・マネ、モハメド・サラーとともに、強力な3トップを結成し、プレミアリーグとUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の優勝に貢献した。

 「スピード」はないものの、創造性溢れる「ドリブル」でゴール前の密集した局面を一人で打開できる。FWでありながら卓越した「テクニック」と「パス」スキルで試合の組み立てや仲間のサポートが出来るフィルミーノは、世界トップクラスの万能型FWだ。得点は多くないものの、重要な試合で結果を残すこの男はリバプールで最も重要な存在と言っても過言ではない。

 4シーズンに渡り、各大会で猛威を振るったフロント3は解体しつつある。ディオゴ・ジョタの加入以降、3トップの中央に君臨し攻撃のタクトを振るったフィルミーノは、ベンチに座る時間が増加。タイプや役割が違うため比較しづらいが、得点という意味ではジョタの方が結果を残している。しかし、これまでリバプールを牽引してきたフィルミーノは、間違いなく今季も重要な役割を担う。

17位:ブラジルの魔術師</h2>

MF:フィリぺ・コウチーニョ(ブラジル代表/バルセロナ)
生年月日:1992年6月12日(29歳)
市場価値:3000万ユーロ(約36億円)
20/21リーグ戦成績:12試合2得点2アシスト

 ブラジルの名門、ヴァスコ・ダ・ガマのユース出身のフィリぺ・コウチーニョは2008年にインテルと契約。リーグ戦の出場は少ないものの欧州でその実力を証明し、2013年にリバプールに加入した。低迷期にあった同クラブで10番を背負い、新たな希望となったコウチーニョはワールドクラスの選手に成長。2018年に1億3500万ユーロ(約162億円)でバルセロナに移籍を果たした。

 トップスピードから急停止する鋭い切り返しと流れるように相手DFを抜き去る「テクニック」を持つコウチーニョの「ドリブル」は、まさにワールドクラス。ファールなしで止めることは困難だ。さらに、相手の急所を突く「パス」と急停止からの強烈なミドルシュートは相手の脅威となる。ここ数シーズンは怪我によりその影を潜めているが、その「攻撃力」が世界トップクラスであることは間違いない。

 巨額の移籍金と大きな期待を受けてバルセロナに加入したコウチーニョは、怪我やティキ・タカへの適応に苦しみ、未だその金額に見合った活躍を見せられていない。幾度となく退団が噂される同選手がチームに残り続けるためには、安定したパフォーマンスと結果が必要不可欠。今季が正真正銘のラストチャンスとなるだろう。

16位:赤い悪魔に復帰した背番号7

FW:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表/マンチェスター・ユナイテッド)
生年月日:1985年2月5日(36歳)
市場価値:4500万ユーロ(約54億円)
20/21リーグ戦成績:33試合29得点2アシスト(ユベントス)

 恩師サー・アレックス・ファーガソンにその才能を見出され、2003年にマンチェスター・ユナイテッドに移籍したクリスティアーノ・ロナウドは、プレミアリーグで覚醒。その後移籍したレアル・マドリードで世界最高のストライカーとなった。そして今夏、ベテランとなってなお各国リーグや大会で得点を量産し続けるC・ロナウドは、マンチェスター・ユナイテッドに復帰。古巣で新たな伝説が幕を開けた。

 マンU加入当初の C・ロナウドは、圧倒的な「スピード」と鋭く華麗な「テクニック」を活かした「ドリブル」で相手を抜き去り、ファンを魅了した。しかし、レアル・マドリードでドリブラーからストライカーに変貌を遂げたこの男のドリブルは、相手を抜くためでなく、かわすドリブルに変化。「空中戦」でも驚異的な破壊力を見せ、どこからでもゴール奪えるC・ロナウドは年を重ねるごとに、完全不潔のストライカーとなった。

 36歳となり、キャリア終盤を迎えているC・ロナウドの伝説は未だ終わりが見えない。常にトップパフォーマンスを維持し、結果を残し続けるこの男があとどれだけのゴールを奪うのか、いくつ記録を塗り替えていくのか。スパイクを脱ぎ、ピッチを去るその日までこの世界最高のストライカーから目が離せない。