GK紹介

2021/22シーズンのプレミアリーグも開幕からしばらく経った。昨シーズン、21年1月にランパード前監督を解任したチェルシーは、トゥヘル監督を招聘し急成長。就任からわずか半年足らずでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝の快挙を成し遂げた。今回は、チェルシーの最新のスターティングメンバー11人を紹介する(直近数試合のメンバーを元に作成)

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エドゥアール・メンディ(セネガル代表/背番号16)
生年月日:1992年3月1日(29歳)

ケパ・アリサバラガの不調に伴い、一昨季は正GK問題に悩まされていたチェルシー。その問題はチェルシーのレジェンド、ペトル・チェフと同じくスタッド・レンヌから加入したエドゥアール・メンディによって解決された。 

 197cmと大柄な体格の持ち主で、長い手足と驚異の反射神経を活かしたセービングで決定的なシュートをことごとく弾き出す。昨季はマンチェスター・シティのエデルソンに次ぐ16試合でクリーンシートを達成した。今季も引き続き好調を維持しており、プレミアリーグ第4節アストン・ビラ戦では、枠内シュート6本を全て止め勝利の立役者となった。

DF紹介</h2>
セサル・アスピリクエタ(スペイン代表/背番号28)
生年月日:1989年8月28日(32歳)

 頼れる主将はチェルシーで在籍10年目を迎えた。プレミアリーグでプレーする身体能力抜群のドリブラー相手でも、読みの良さと高いカバーリング意識で対応する。今夏のユーロ(欧州選手権)では3年ぶりにスペイン代表に復帰し、主力として4試合に出場した。 

 1月末にトーマス・トゥヘル監督が就任して以降、チェルシーは3バックのシステムを採用している。前政権では同じ右SBのリース・ジェームズとの共存方法が限られていたが、アスピリクエタが右のCB、ジェームズが右のWBとしてプレーすることで共存できるようになった。やや雑だったジェームズの守備も、アスピリクエタの近くでプレーしていることもあってか改善傾向にある。

アンドレアス・クリステンセン(デンマーク代表/背番号4)
生年月日:1996年4月10日(25歳)

 アンドレアス・クリステンセンは、昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝の影の立役者だ。チェルシーはこの試合で前半にチアゴ・シウバが負傷交代するというアクシデントに見舞われたが、代わりに試合に投入されたクリステンセンがスムーズに試合に入り、高いパフォーマンスを披露。チームの完封勝利とCL優勝に大きく貢献した。 

 フランク・ランパード前監督の下では不安定なパフォーマンスで批判を浴びることも多かったが、3バックを採用するトゥヘル監督の下では好調を維持している。トゥヘル監督も「3バックのどこのポジションでもプレーできるため、チームに多くの選択肢を与えてくれる」と高い評価をしている。チアゴ・シウバが9月に37歳になることもあり、今季は昨季以上に多くの試合で出番を得ることになりそうだ。

アントニオ・リュディガー(ドイツ代表/背番号2)
生年月日:1993年3月3日(28歳)

 快速FWに走り負けないスピードを持つCBは、1月末にトーマス・トゥヘル監督が就任したことで完全復活を遂げた。前政権ではプレミアリーグ4試合の出場に留まっていたが、クリステンセンと同じく3バックでのプレーの方が適していたこともあり、多くの出場機会を得ることに成功した。 
 
 ひとつ気がかりなのは、リュディガーとチェルシーの契約が今季限りで満了になるということだ。クラブと代理人の間で契約延長交渉が行われているようだが、現時点では合意に至っていない。隙をみて前線に持ち運ぶドリブルや正確なサイドチェンジなど攻撃面での貢献も高く、今季も引き続き主力としてのプレーが期待されるだけに、クラブやサポーターからすると、残留を決断して欲しいと願っているだろう。

MF紹介</h2>
リース・ジェームズ(イングランド代表/背番号24)
生年月日:1999年12月8日(22歳)

 20年夏のチェルシー復帰以降、急成長を遂げているリース・ジェームズ。フィジカルとスピードを活かしたプレーで積極的に攻撃参加しており、精度の高いクロスを上げて多くのチャンスを演出している。 

 これまでは1対1の守備がやや雑で課題に挙げられていたが、手本となるアスピリクエタが近くでプレーしていることもあってか、昨季は大幅に改善された。今季のプレミアリーグ第3節リバプール戦では、意図的ではなかったがゴール前で決定的なシュートを手で止めたと判断され、退場、PK、出場停止処分の三重罰を与えられる不運に見舞われた。

ジョルジーニョ(イタリア代表/背番号5)
生年月日:1991年12月20日(29歳)

 昨季、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)とユーロ(欧州選手権)を制したジョルジーニョ。CLでは全選手で最多の12試合で先発、ユーロでも全試合に先発出場を果たしており、いずれも絶対的な主力として優勝を成し遂げている。同一シーズンに2つの欧州チャンピオンのタイトルを獲得したこともあり、今季のバロンドールに推す声も少なくない。

 正確無比なパスとサッカーIQの高さで、チームの司令塔として効果的に味方を動かしながら中盤でゲームを組み立てる。昨季は絶対的なストライカーが不在だったこともあり、プレミアリーグではチーム最多の7ゴール(全てPK)を記録した。今季も中盤の軸としての活躍が期待されている。

マテオ・コヴァチッチ(クロアチア代表/背番号8)
生年月日:1994年5月6日(27歳)

 加入4シーズン目となるマテオ・コヴァチッチが今季より背番号8を着用する。中盤で相手を強引に剥がすドリブルは、チームがビルドアップに苦戦したときに、より効果を発揮する。今季のプレミアリーグ第4節アストン・ビラ戦では、相手MFをドリブルで剥がして前線のルカクへ決定的なパスを送り、アシストを記録した。

 本来、チェルシーの中盤にはエンゴロ・カンテという絶対的な選手がいるが、2021年以降は負傷離脱を繰り返しており、コヴァチッチが多くの出場機会を得ている。また、今夏に加入したサウール・ニゲスがプレミアリーグのインテンシティに慣れるのに時間が掛かるようであれば、しばらくはジョルジーニョとコヴァチッチのコンビが中盤でゲームを組み立てる役割を担うだろう。

マルコス・アロンソ(元スペイン代表/背番号3)
生年月日:1990年12月28日(30歳)

 クリステンセンやリュディガーなどトゥヘル監督就任に伴いチーム内での立場が変わった選手が何人かいるが、その中でも1番の好影響を受けているのがマルコス・アロンソだろう。昨季のプレミアリーグ第3節ウェスト・ブロム戦での低パフォーマンスによりランパード体制で構想外となったアロンソは、その後トゥヘルが監督に就任する1月末までベンチ外が続いていた。

 トゥヘルが監督に就任したことで自分の適正ポジションである左WBでの出場機会が増えたアロンソは、持ち味である得点力の高さを見せつけ猛アピールに成功。課題だった守備も改善傾向にあり、ベン・チルウェルを押しのけレギュラーの座を掴んでいる。

FW紹介

カイ・ハフェルツ(ドイツ代表/背番号29)
生年月日:1999年6月11日(22歳)

 クラブ史上2度目となるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝に導くゴールを決めたのは、昨夏に8000万ユーロ(約99億円)の移籍金で獲得したカイ・ハフェルツであった。近年、ブンデスリーガからプレミアリーグのチームに移籍した選手は適応に苦しむ傾向にあり、ハフェルツも大苦戦したというわけではないが、フィットするには時間を要した。

 より良さが発揮できるようになったのはトゥヘル体制となってからだろう。ボックス内で決定的な仕事に絡める選手で、トゥヘル監督はハフェルツを「10番と9番の間の選手」と評価。昨季は絶対的なストライカーが不在だったため最前線でも起用されたが、今季は最前線にルカクが加入に伴いシャドーストライカーのような役割が求められそうだ。

メイソン・マウント(イングランド代表/背番号19)
生年月日:1999年1月10日(22歳)

 クラブの生え抜きで、ランパード前監督の秘蔵っ子が昨季のクラブ年間最優秀選手に輝いた。正確なキックやドリブル、ハードワークなど攻撃的MFに求められる能力を高水準で兼ね備える。昨季はセットプレーのキッカーとして多くのゴールをお膳立てした。

 一方でオープンプレーからのチャンスクリエイトは今後の課題だろう。昨季のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝では決勝ゴールをアシストしたが、その他の場面ではラストパスが若干ズレる傾向にあった。36試合に出場した昨季のプレミアリーグでは、オープンプレーからのアシストが「2」に留まった。トゥヘル体制となってからは改善傾向にあるため、今季オープンプレーからアシストをどれだけ積み重ねることができるのか注目したい。

ロメル・ルカク(ベルギー代表/背番号9)
生年月日:1993年5月13日(28歳)

 7年ぶりに古巣復帰を果たしたルカクが早速、最前線で結果を残している。ルカクが初めてチェルシーのユニフォームに袖を通したのは2011年。しかし、トップチームの壁は分厚く、ゴールを決められず、ローン移籍を経てエバートンに完全移籍することに。その後、マンチェスター・ユナイテッドとインテルを経て、今夏にチェルシーに帰ってきた。

 11年にチェルシーに加入した当時は裏抜けが得意な一方で、ボールを収めることはあまり得意ではなかった。しかし、イングランドとイタリアでのプレーを経て経験を積み、圧倒的なフィジカルを活かしたポストプレーができるように。再デビュー戦となった第2節アーセナル戦では対峙したパブロ・マリをフィジカルで圧倒。チェルシーでの嬉しい初ゴールも決めた。第4節アストン・ビラ戦では圧巻のプレーから2ゴールを決めており、昨季のチェルシーの悩みであった絶対的なストライカー不在はルカクの加入で解決された。

【了】