GK紹介

1892年の創設以降、数々のタイトルを獲得してきたイングランドの名門リバプールは、21世紀となってからも2001年のカップトレブル(三冠)や2度のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇などを達成。直近のユルゲン・クロップが率いるリバプールは、2019/20シーズンに史上最速でプレミアリーグ優勝を成し遂げるなど圧倒的な強さを誇っている。今回、フットボールチャンネルでは21世紀にリバプールで大活躍した11名の選手をピックアップ。クラブの歴史に名を刻んだ選手たちを紹介していく。(選手の成績は2021年9月30日現在)

—————————–

ホセ・マヌエル・レイナ(元スペイン代表)
生年月日:1982年8月31日
在籍期間:05年夏〜13年夏
クラブ通算成績:394試合0得点0アシスト
代表通算成績:38試合0得点0アシスト
 21世紀以降のリバプールのGKでは出場試合数と無失点数は共に最多だ。父が所属していたバルセロナの下部組織出身だが、同世代にビクトール・バルデスがいたこともあり、02年夏に出場機会を求めてビジャレアルへ移籍。新天地での活躍が評価され、05年夏に同じスペイン出身のラファエル・ベニテスが指揮していたリバプールに加入した。

 当時リバプールには前シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝の立役者であるイェジー・ドゥデクが在籍していたが、すぐにレイナが正GKのポジションを奪取。プレミアリーグのシーズン最多クリーンシートを記録したGKに贈られるゴールデングローブ賞を、加入初年度の2005/06シーズンから、3シーズン連続で受賞するなど絶対的な守護神として君臨した。

 通算394試合に出場し、177試合を無失点に抑えたレイナ。在籍8年間での貢献は計り知れないが、その別れは淡白なものであった。13年夏、リバプールがサンダーランドからシモン・ミニョレを獲得したことで、レイナは恩師ベニテス率いるナポリへレンタル移籍することに。移籍が成立した時、レイナは休暇中であり、ナポリ側からの連絡で自身の去就を知ったそうだ。リバプールからの連絡はその2日後で、「リスペクトが欠けていた」と後のインタビューで語っている。

DF紹介

トレント・アレクサンダー=アーノルド(イングランド代表)
生年月日:1998年10月7日
在籍期間:16年夏〜
クラブ通算成績:185試合1得点47アシスト
代表通算成績:14試合1得点1アシスト

 6歳からリバプールの下部組織に在籍していたアーノルドは2016/17シーズンにトップチームデビュー。以降、ワールドクラスの精度を誇るロングキックやクロスを武器にレギュラーに定着している。リバプールには長らく貢献度の高い絶対的な右SBがいなかったが、アーノルドの台頭はチームに多くのタイトルをもたらした。

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を優勝した2018/19シーズンとプレミアリーグを優勝した2019/20シーズンの大活躍は記憶に新しいだろう。2018/19シーズンのCL準決勝2nd レグ、バルセロナ戦では、2戦合計スコアが3-3で迎えた後半79分にアーノルドが大仕事をやってのける。守備陣形が整っていないバルセロナの隙をついて、CKのクイックリスタートからディボック・オリギの決勝ゴールをアシスト。大会を通じて4アシストを記録し、2004/05シーズン以来のCL優勝の立役者の1人となった

続く2019/20シーズンはプレミアリーグでDFのシーズン最多アシストを更新する13アシストを記録。アーノルドの活躍もあり、チームは30年ぶりとなる国内リーグ優勝という歴史的な快挙を成し遂げた。まだ22歳と若いということもあり、間違いなく今後のリバプールを背負っていく選手になるだろう。
 
ジェイミー・キャラガー(元イングランド代表)
生年月日:1978年1月28日
在籍期間:96年夏〜13年夏〜
クラブ通算成績:737試合4得点18アシスト
代表通算成績:38試合0得点1アシスト

 自身の17年間のプロキャリアの全てをリバプールに捧げた、言わずと知れたレジェンドだ。リバプールの下部組織出身で1996/97シーズンにトップチームデビュー。2000/01シーズンは主に右SBのレギュラーとしてUEFAカップ、FAカップ、リーグカップのカップトレブル(三冠)達成に大きく貢献した。

ラファエル・ベニテスが率いていた2004/05シーズンからCBでの出場機会を増やし、同シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)では決勝まで全試合に先発出場。後に「イスタンブールの奇跡」と呼ばれる大逆転でのCL制覇の立役者の1人となった。また、2005/06シーズンはプレミアリーグの年間ベストイレブンにも選出されている。

 2012/13シーズン限りで現役を退くことを発表した。現役ラストマッチとなったプレミアリーグ最終節QPR戦ではホーム、アンフィールドでキャプテンマークを巻き先発出場。サポーターたちは87分の交代時にスタンディング・オベーションで彼を送り出した。17年間に渡ってリバプールで積み上げた通算試合出場数は737試合。これは837試合に出場したイアン・キャラハンに次ぐ歴代2位の出場試合数で、プレミアリーグ通算508試合出場はリバプール史上最多の出場試合数である。

フィルジル・ファン・ダイク(オランダ代表)
生年月日:1991年7月8日
在籍期間:18年冬〜
クラブ通算成績:137試合13得点7アシスト
代表通算成績:40試合4得点1アシスト
 
 ファン・ダイクの加入以降、不安定だったリバプールの守備は大きく改善された。フローニンゲンでプロキャリアをスタートさせ、13年夏に加入したセルティックではリーグ2連覇に大きく貢献。15年夏に加入したサウサンプトンでは2年半に渡って主力選手としてプレーした。

 18年冬にクラブ史上最高額となる7500万ポンド(約112億円)の移籍金でリバプールに加入し、すぐに絶対的な主力に定着。その影響力は2017/18シーズンの前半戦と後半戦の平均失点を見れば一目瞭然だ。加入以前のリーグでの1試合の平均失点が約1.2点だったのに対し、加入以降は0.7点と大幅に減少。それまであと一歩で届かなかったタイトルにも届くようになり、2018/19シーズンはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝、2019/20シーズンはプレミアリーグ優勝を成し遂げた。

 2018/19シーズンは公式戦50試合で1度もドリブルで相手に抜かれないという驚異的なスタッツを残し、DFながらプレミアリーグの年間最優秀選手賞やUEFA欧州年間最優秀選手賞など様々な個人タイトルを獲得。2020/21シーズンは第4節エバートン戦で右膝の前十字靭帯を断裂し、シーズンの残りを全休する大怪我を負ったが、懸命なリハビリに励み、2021/22シーズンは開幕から戦列に復帰している。

アンドリュー・ロバートソン(スコットランド代表)
生年月日:1994年3月11日
在籍期間:17年夏〜
クラブ通算成績:183試合5得点38アシスト
代表通算成績:51試合3得点2アシスト
 
 2008年夏のヨン・アルネ・リーセ退団以降、リバプールには絶対的な左SBがいなかったが、2017/18シーズン以降はロバートソンが定着している。セルティックの下部組織出身だが、15歳のときに体が小さいという理由で放出。スコットランドの下部リーグに所属していたクイーンズ・パークでデビューし、ダンディー・ユナイテッドを経て14年夏加入したハル・シティで結果を残した。

 ハルが2部に降格したこともあり、17年夏にリバプールに加入。加入当初はアルベルト・モレノの控えだったが、モレノが負傷した中盤戦以降は絶対的なレギュラーに定着した。2018/19シーズンからはプレミアリーグで2季連続2桁アシストを記録するなど攻守に躍動し、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝とプレミアリーグ優勝に大きく貢献。長らくタイトルから遠ざかっていたリバプールに栄冠をもたらした。

 豊富な運動量と高いクロス精度で攻守に貢献するロバートソン。ファン・ダイクやジョエル・マティプ、ジョー・ゴメスなど守備陣にケガ人が相次いだ2020/21シーズンもDFで唯一、全試合で先発出場を果たすなど負傷離脱の少なさも彼の特徴だ。

MF紹介

シャビ・アロンソ(元スペイン代表)
生年月日:1981年11月25日
在籍期間:04年夏〜09年夏
クラブ通算成績:210試合18得点16アシスト
代表通算成績:114試合16得点9アシスト

 圧巻のパス精度で2000年代の中盤から後半にかけてリバプールの中盤を支えたのがシャビ・アロンソだ。現アーセナル監督のミケル・アルテタとは幼馴染で、下部組織から過ごしたレアル・ソシエダでトップチームデビューを果たした。

 04年夏、同じスペイン出身のラファエル・ベニテスが監督に就任したリバプールに加入した。すぐにレギュラーに定着し、2004/05シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝ACミラン戦にも先発出場。一時は3点のリードを奪われるも、後半60分にアロンソが貴重な同点ゴールを決め、PK戦の末にビッグイヤーを獲得することに成功した。

リバプールに在籍した5年間でCLやFAカップなど4つのタイトル獲得に貢献し、09年夏にレアル・マドリードへ完全移籍。クラブ通算210試合出場は、スペイン人選手ではレイナに次ぐ出場試合数である。2004/05シーズンのCL優勝に貢献したアロンソは、リバプールサポーターにとって非常に大きな存在であり、15年に行われたチャリティ・マッチでアンフィールドに凱旋した時は、盛大な拍手で迎えられた。

スティーブン・ジェラード(元イングランド代表)
生年月日:1980年5月30日
在籍期間:98年夏〜15年夏
クラブ通算成績:710試合186得点150アシスト
代表通算成績:114試合21得点13アシスト

 リバプール史上最高の選手の1人に数えられるスティーブン・ジェラード。年齢が近いジェイミー・キャラガーやマイケル・オーウェンらと同じくリバプールの下部組織で、1998/99シーズンにトップチームデビューを飾った。

 2000/01シーズンは中盤の主力としてUEFAカップ、FAカップ、リーグカップのカップトレブル(三冠)を達成。2003/04シーズンからは主将に就任した。続く2004/05シーズンは決勝戦でACミランにPK戦の末に勝利し、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制覇。3点ビハインドという絶体絶命の状況から後半54分に反撃の狼煙を上げるヘディングシュートを決め、クラブに1983/84シーズン以来、ビッグイヤーの永久保持が認められる5度目のCL優勝のタイトルをもたらした。同年にはUEFA年間最優秀選手にも選出されている。

 エリア外から右足を振り抜く強烈なミドルシュートはジェラードの代名詞だ。退団する15年夏までリバプールの絶対的な選手として活躍し続け、クラブ史上3位となる公式戦710試合に出場。史上最長となる12年間主将を務めた。リバプール退団後はLAギャラクシーでプレーし、16年限りで現役を引退。17年にリバプールのアカデミーのコーチとして復帰し、18年5月からはレンジャーズの監督を務めている。

ジョーダン・ヘンダーソン(イングランド代表)
生年月日:1990年6月17日
在籍期間:11年夏〜
クラブ通算成績:400試合31得点52アシスト
代表通算成績:66試合1得点8アシスト

 現所属メンバーではクラブ最古参の頼れるキャプテンだ。サンダーランドの下部組織出身で2008/09シーズンにトップチームデビュー。ローン先のコベントリーより復帰した2009/10シーズンより主力に定着し、11年夏にリバプールへと引き抜かれた。

 加入から1年後、ブレンダン・ロジャーズがリバプールの新監督に就任すると当時フラムに所属していたクリント・デンプシーとのトレードが画策され、構想外を言い渡される。しかし、ヘンダーソンはこの移籍を拒絶し、リバプールでの熾烈なポジション争いに励んだ。その後、ロジャーズ監督の下で絶対的な主力に定着したヘンダーソンは、2014/15シーズン限りでリバプールを退団したジェラードから主将を継承した。

 それから卓越したリーダーシップでチームを牽引したヘンダーソンは、2018/19シーズンに2004/05シーズン以来となるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇に貢献。続く2019/20シーズンにはキャラガーやジェラードでも成し遂げることが出来なかったプレミアリーグ優勝を成し遂げた。21年夏にはクラブと新たに2025年夏までの長期契約を締結している。

FW紹介

モハメド・サラー(エジプト代表)
生年月日:1992年6月15日
在籍期間:17年夏〜
クラブ通算成績:211試合133得点49アシスト
代表通算成績:69試合43得点21アシスト

 加入した2017/18シーズンから毎シーズン、チーム得点王に輝いている現リバプールのエースだ。母国エジプトを20歳で飛び出し、バーゼル、チェルシー、フィオレンティーナ、ローマと欧州の名門を渡り歩き、17年夏にリバプールに加入した。

 ユルゲン・クロップ監督が掲げるハイプレスからのショートカウンターを志向するサッカーにフィットしたことで、サラーは得点を量産する。加入初年度にいきなりプレミアリーグで32ゴールを決め、リバプールの選手では2013/14シーズンのルイス・スアレス以来のリーグ得点王のタイトルを獲得した。同シーズンにはプレミアリーグの年間最優秀選手賞も受賞している。

 続く2018/19シーズンもリーグ得点王に輝くなど毎シーズン得点を量産し、同シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝ではチームを優勝に導く貴重なPKを決めた。続く2019/20シーズンのプレミアリーグ優勝にも大きく貢献。2021/22シーズン、第6節ブレントフォード戦でプレミアリーグ通算100ゴールを達成した。リバプールのレジェンド、ロジャー・ハント氏を上回るクラブ史上最速での100ゴール到達となった。

マイケル・オーウェン(元イングランド代表)
生年月日:1979年12月14日
在籍期間:97年夏〜04年夏
クラブ通算成績:297試合158得点50アシスト
代表通算成績:89試合40得点12アシスト

 2000年代前半のリバプールを牽引したのが「ワンダーボーイ」ことマイケル・オーウェンだ。1996/97シーズンに17歳の若さでトップチームデビューを飾ったオーウェンは、続く1997/98シーズンから2季連続でプレミアリーグ得点王のタイトルを獲得した。10代でプレミアリーグ得点王に輝いたのは歴史上オーウェンのみである。

 2000/01シーズンにリバプールはUEFAカップ、FAカップ、リーグカップのカップトレブル(三冠)を達成。全コンペディションで24ゴールを決め、三冠の立役者となったオーウェンは2001年のバロンドールを受賞した。2021年現在、リバプール史上唯一のバロンドーラーである。

 1998/99シーズン以降、毎シーズンチーム得点王に輝いていたオーウェンは、公式戦297試合158ゴール50アシストという圧倒的な成績を残して、04年夏にレアル・マドリードへと移籍を果たす。しかし、わずか1年でイングランドへ戻る決断をする。本人はリバプールへの復帰を希望したが、移籍金が折り合わずニューカッスルへと移籍した。その後はケガにも悩まされ、ストークに所属していた2012/13シーズンに33歳という若さで現役を退いた。

サディオ・マネ(セネガル代表)
生年月日:1992年4月10日
在籍期間:16年夏〜
クラブ通算成績:226試合101得点43アシスト
代表通算成績:73試合24得点18アシスト

 サラーと同じく現リバプールの攻撃陣を牽引する背番号10。フランスのメスでプロキャリアをスタートさせ、12年夏加入したオーストリアの名門ザルツブルクで一躍注目を浴びた。14年夏にサウサンプトンに移籍し、2シーズンに渡って主力として活躍した。

 16年夏にユルゲン・クロップ監督が強く希望し、リバプールが当時のアフリカ人史上最高額となる3400万ポンド(約51億円)の移籍金で獲得した。加入初年度の2016/17シーズンにリーグベストイレブンに選出されるなどすぐに主力に定着。17年夏にサラーが加入してからは、ロベルト・フィルミーノとの強力3トップでUEFAチャンピオンズリーグ(CL)やプレミアリーグを席巻した。

 背番号を10に変更した2018/19シーズンには22ゴールを決め、プレミアリーグの得点王を受賞。同シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝では貴重な先制点に繋がるPKを獲得し、2004/05シーズン以来のビッグイヤー獲得の立役者となった。続く2019/20シーズンもフル稼働し、プレミアリーグ優勝にも大きく貢献。2021/22シーズンの第5節クリスタル・パレス戦でリバプール通算100ゴールを達成するなど、現在もゴールを量産し続けている。