GK紹介

 2003年にロマン・アブラモビッチがオーナーとなって以降、数々のタイトルを獲得しているチェルシー。ジョゼ・モウリーニョやカルロ・アンチェロッティ、アントニオ・コンテなど数々の名将が監督を務めた。直近のトーマス・トゥヘルが率いるチェルシーは、監督就任わずか半年でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)を制するなど圧倒的な強さを誇っている。今回、フットボールチャンネルでは21世紀にチェルシーで大活躍した11名の選手をピックアップ。クラブの歴史に名を刻んだ選手たちを紹介していく。(選手の成績は2021年10月4日現在)

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ペトル・チェフ(元チェコ代表)
生年月日:1982年5月20日
在籍期間:04年夏〜15年夏
クラブ通算成績:494試合0得点
代表通算成績:124試合0得点

 プレミアリーグ記録となる202試合でクリーンシートを達成しているのがペトル・チェフだ。加入した2004/05シーズンから正GKに定着すると、神がかったセービングを連発。プレミアリーグ35試合で13失点という驚異的なスタッツを記録し、チームの半世紀ぶりとなるリーグ優勝に貢献した。

 2006年に頭蓋骨陥没骨折の選手生命を揺るがす大怪我を負うが、ヘッドギアを着用して翌年に復帰。PK戦までもつれた2011/12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝バイエルン戦では、2つのPKを止めてクラブ史上初のCL優勝のタイトルをもたらした。

 在籍した11シーズンで4度のプレミアリーグ優勝など合計15のタイトルを獲得したチェフ。現役引退後はチェルシーのテクニカルアドバイザーとして活動しており、新型コロナウイルスの予防措置としてプレミアリーグの登録メンバーに入ったことでも話題となった。

DF紹介

セサル・アスピリクエタ(スペイン代表)
生年月日:1989年8月28日
在籍期間:12年夏〜
クラブ通算成績:439試合14得点56アシスト
代表通算成績:32試合1得点1アシスト

 在籍10年目を迎えた、現所属ではクラブ最古参のキャプテンだ。12年夏にマルセイユからチェルシーに加入すると、すぐに右SBのレギュラーに定着。誰よりも練習に取り組む姿勢は数々の監督から高く評価されており、19年夏のガリー・ケイヒル退団以降はキャプテンを務めている。

 戦術理解度が高く、ジョゼ・モウリーニョの下では左SB、アントニオ・コンテとトーマス・トゥヘルの下では3バックの右CBでプレーしている。本職以外のポジションでも高いレベルでタスクをこなせることが、主力に定着し続けている理由だろう。

 トゥヘルがシーズン途中に新監督に就任した2020/21シーズンは、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝に進出。マンチェスター・シティとのイングランド対決を制し、クラブに11年ぶりのCLタイトルをもたらした。チェルシーが前回CLを制したのはアスピリクエタが加入する直前だったため、自身にとっては初のビッグイヤー獲得となった。

リカルド・カルバーリョ(元ポルトガル代表)
生年月日:1978年5月18日
在籍期間:04年夏〜10年夏
クラブ通算成績:210試合11得点6アシスト
代表通算成績:90試合5得点3アシスト

 2000年代中盤から後半にかけて、チェルシーの守備陣を支えていたのがリカルド・カルバーリョだ。ポルトに所属していた2003/04シーズンは、ジョゼ・モウリーニョの下でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝を達成。04年夏に同監督と共にチェルシーに加入した。

 加入初年度の2004/05シーズンは、プレミアリーグでわずか15失点とジョン・テリー、ペトル・チェフらと強固なディフェンスラインを形成。50年ぶりとなるリーグ優勝を成し遂げ、リーグカップとの二冠を達成した。続く2005/06シーズンもプレミアリーグを制覇。徐々にケガによる負傷離脱が増えるも、在籍最終年となる2009/10シーズンまで主力としてプレーした。

 10年夏に恩師モウリーニョが監督に就任したレアル・マドリードへ移籍した。チェルシーに在籍した6シーズンで獲得したタイトルは計10個。3度のプレミアリーグ優勝やFAカップ優勝に大きく貢献した。現在はマルセイユでアシスタント・コーチを務めている。

ジョン・テリー(元イングランド代表)
生年月日:1980年12月7日
在籍期間:98年夏〜17年夏
クラブ通算成績:713試合67得点29アシスト
代表通算成績:78試合6得点3アシスト

 チェルシーのレジェンドと聞いて、真っ先に名前が挙がるのがジョン・テリーだ。95年にウェストハムの下部組織からチェルシーの下部組織に移籍。1998/99シーズンにトップチームデビューを飾り、クラウディオ・ラニエリが率いていた2000/01シーズンより出場機会を増やした。

 04年夏にジョゼ・モウリーニョがチェルシーの監督に就任すると、高いリーダーシップを買われて主将に就任。2004/05シーズンはペトル・チェフ、リカルド・カルバーリョらと共に強固なディフェンスラインを形成し、主将としてクラブに半世紀ぶりのリーグタイトルをもたらした。また、同シーズンのPFA年間最優秀選手賞を受賞した。

 その後も多くの外国人スター選手が在籍した多国籍のチームを主将としてまとめ続けた。決勝には出場停止のために出場できなかったが、2011/12シーズンにはクラブ史上初のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝を達成。クラブ歴代3位の公式戦717試合に出場し、計17のタイトルを獲得した。現役を引退した現在は、監督を目指しており、将来的にチェルシーを率いる野望を掲げている。

アシュリー・コール(元イングランド代表)
生年月日:1980年12月20日
在籍期間:06年夏〜14年夏
クラブ通算成績:338試合7得点38アシスト
代表通算成績:107試合0得点7アシスト

 チェルシーの左SBと言えばアシュリー・コールだろう。下部組織時代から過ごしたアーセナルでトップチームデビューを飾り、2003/04シーズンの無敗優勝などに貢献。06年夏にウィリアム・ギャラス+金銭のトレードでチェルシーに移籍した。

 加入後すぐにレギュラーとなると、4度のFAカップ優勝やクラブ史上初となるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝などのタイトル獲得に大きく貢献。FAカップ通算優勝回数7回は史上最多だ。抜群のスピードを活かしたプレーで攻守に躍動し、全盛期は「世界最高の左SB」と評価された。

 2013/14シーズン途中にセサル・アスピリクエタにポジションを奪われ、同シーズン限りでチェルシーを退団した。現役最後のチームとなったダービーでは、元チームメイトのフランク・ランパードの下でプレー。現役引退後はユースのコーチとしてチェルシーに復帰している。

MF紹介

クロード・マケレレ(元フランス代表)
生年月日:1972年2月18日
在籍期間:03年夏〜08年夏
クラブ通算成績:217試合2得点5アシスト
代表通算成績:73試合0得点3アシスト

 抜群のカバーリングエリアの広さで中盤の守備を支えていたのがクロード・マケレレだ。00年から所属していたレアル・マドリードでは、2度のラ・リーガ優勝やUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝など数々のタイトルを獲得。しかし、給与面でフロレンティーノ・ペレス会長と揉めて、03年夏にチェルシーに加入した。

 監督のジョゼ・モウリーニョをはじめ、ペトル・チェフやリカルド・カルバーリョが加入した2004/05シーズンは、プレミアリーグで36試合に出場。失点をわずか15に抑え、チームの半世紀ぶりのリーグタイトル獲得に大きく貢献した。続く2005/06シーズンもプレミアリーグを制し、クラブ史上初のリーグ2連覇を達成した。

「1人で2人分のスペースを守る」と言われた守備範囲の広さで、黒子としてチームを支えたマケレレ。現役引退後はベルギーのオイペンなどで監督を務めていたが、19年夏にユースのテクニカルメンターとしてチェルシーに復帰した。現在はU-18チームでコーチを務めている。

マイケル・エッシェン(元ガーナ代表)
生年月日:1982年12月3日
在籍期間:05年夏〜14年冬
クラブ通算成績:258試合25得点18アシスト
代表通算成績:58試合9得点4アシスト

 ガーナ人史上最高の選手と評価されるマイケル・エッシェン。03年夏から所属していたリヨンでリーグ・アン最優秀選手賞を受賞するなど評価を高め、05年夏に当時では破格の3800万ユーロ(約50億円)の移籍金でチェルシーに加入した。

 抜群の身体能力を活かしたプレーでジョゼ・モウリーニョ監督の信頼を掴むと、加入初年度にプレミアリーグ優勝を経験。2008/09シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準決勝セカンドレグ、バルセロナ戦ではチームのシーズン最優秀ゴールに輝く強烈なダイレクトボレーシュートを決めた。

 12年夏に恩師モウリーニョ率いるレアル・マドリードへレンタル移籍し、翌年に一緒にチェルシーに復帰するも、出場機会を得ることは出来なかった。その後、ギリシャ、インドネシア、アゼルバイジャンでのプレーを経て20年に現役を引退。現在はデンマークのノアシェランでアシスタント・コーチを務めている。

フランク・ランパード(元イングランド代表)
生年月日:1978年6月20日
在籍期間:01年夏〜14年夏
クラブ通算成績:648試合211得点150アシスト
代表通算成績:106試合29得点6アシスト

 中盤の選手ながら、クラブ史上最多得点記録となる211ゴールを決めている、言わずとしれたレジェンドだ。下部組織から所属していたウェストハムで頭角を現し、99年には21歳の若さでイングランド代表に選出。01年夏にチェルシーに移籍する。

 MF離れの得点力の持ち主で、2003/04シーズンからは10シーズン連続でプレミアリーグ2桁ゴールを記録している。チェルシーが半世紀ぶりにリーグ優勝を成し遂げた2005年には、バロンドールの投票でロナウジーニョに次ぐ2位の投票数を獲得した。自身3度目のプレミアリーグ優勝となった2009/10シーズンは22ゴールを決め、クラブの年間最優秀選手賞にも輝いた。

 3度のプレミアリーグ優勝やクラブ史上初のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝に中心メンバーとして貢献したランパード。現役引退後は2部のダービー・カウンティで指導者キャリアをスタートさせ、19年夏にチェルシーに監督として復帰した。補強禁止処分という厳しい環境の中で、若手選手を積極起用してCL出場圏内の4位に導いた。翌2020/21シーズン途中に成績不振により解任された。

FW紹介

ジョー・コール(元イングランド代表)
生年月日:1981年11月8日
在籍期間:03年夏〜10年夏
クラブ通算成績:281試合40得点42アシスト
代表通算成績:89試合40得点14アシスト

 イングランドが誇るファンタジスタだ。ジョン・テリーやフランク・ランパードと同じくウェストハムの下部組織出身で、17歳でトップチームデビュー。主将も務めたが、チームが降格したことに伴い03年夏にチェルシーに移籍した。

 背番号10が与えられ、すぐに主力に定着。2004/05シーズンにジョゼ・モウリーニョが監督に就任すると、本職のトップ下だけでなく右WGでも起用されるようになった。得意のドリブルも冴え渡り、キャリアハイの8ゴールを決めてプレミアリーグ優勝に貢献。続く2005/06シーズンはプレミアリーグのベストイレブン、2007/08シーズンはチェルシーの年間最優秀選手賞を受賞するなど主力として活躍した。

 プレミアリーグとFAカップを3度ずつ制覇するなど2000年代のチェルシーを牽引し、10年夏に契約満了に伴いリバプールへと移籍した。その後はウェストハムやアストン・ビラなどでプレーし、18年11月に現役を引退した。直後にユースのコーチとしてチェルシーに復帰している。

ディディエ・ドログバ(元コートジボワール代表)
生年月日:1978年3月11日
在籍期間:04年夏〜12年夏、14年夏〜15年夏
クラブ通算成績:381試合164得点87アシスト
代表通算成績:105試合65得点11アシスト

 21世紀のチェルシーのエースと言えばディディエ・ドログバだろう。マルセイユに所属していた2003/04シーズンにUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でチェルシーと対戦。この時にジョゼ・モウリーニョに目をつけられ、翌2004年夏に当時のクラブ史上最高額の3600万ユーロ(47億円)の移籍金でチェルシーに加入した。

 チェルシーでは加入初年度から2桁ゴールを記録し、プレミアリーグの優勝に貢献。2006/07シーズンはプレミアリーグで20ゴールを決め、自身初のリーグ得点王に輝いた。同年のアフリカ年間最優秀選手賞も受賞している。2011/12シーズンのCL決勝では、1点ビハインドの状況で貴重な同点ゴールを決め、チームはPK戦の末に勝利。クラブ史上初のCL優勝の立役者となった。

 12年夏、CL優勝を置き土産にチェルシーを退団するも、わずか1シーズンの在籍となったが14年夏に電撃復帰した。チェルシーでは2度のプレミアリーグ得点王に輝くなど、在籍9シーズンでフランク・ランパードに次ぐ164ゴールを記録。チームの大エースとして数々のタイトル獲得に貢献した。

エデン・アザール(ベルギー代表)
生年月日:1991年1月7日
在籍期間:12年夏〜19年夏
クラブ通算成績:352試合110得点92アシスト
代表通算成績:114試合33得点35アシスト

 2010年代のチェルシーを牽引したのがエデン・アザールだ。リールでプロデビューを果たし、2010/11シーズンからは2年連続でリーグ・アン最優秀選手賞を受賞。12年夏にチェルシーへと移籍した。

 ドリブル、ゴール、パス、全ての能力が世界トップクラスで、チェルシーでは加入直後から絶対的な主力に定着した。プレミアリーグ優勝を成し遂げた2014/15シーズンは、14ゴール8アシストの大活躍でPFA年間最優秀選手賞など個人タイトルを総ナメした。在籍最終年となった2018/19シーズンは、プレミアリーグで16ゴール15アシストを記録。ゴール、アシスト共にチェルシーでの最多のスタッツとなった。

 19年夏にレアル・マドリードへと移籍し、8年間プレーしたチェルシーを退団した。リーグベストイレブンとチェルシー年間最優秀選手賞をそれぞれ4度受賞するなど、2010年代のチェルシーとプレミアリーグを代表する選手だ。