10番を託された“世界”を知る男

 U-22日本代表は今月26日と28日に、AFC U23アジアカップ予選でカンボジアと香港と対戦する。パリ五輪世代の第一歩とも言える大会には、冨樫剛一監督が「理想のメンバー」と評価する23人が参加することになった。そこで今回は、19日に発表されたU-22日本代表メンバーの中からAFC U23アジアカップ予選の2試合で活躍が期待される5選手を紹介する。

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郷家友太(ごうけ・ゆうた/MF 10)

所属クラブ:ヴィッセル神戸
生年月日:1999年6月10日(22歳)
代表歴:U-18、U-19、U-20、U-23候補

 東京五輪に向けたU-23代表候補にも選ばれていた万能型のMFだ。ヴィッセル神戸では公式戦出場が100試合を超えており、各世代別代表の常連。今回のU-22代表メンバーの中では、U-20ワールドカップ出場を経験している唯一の選手でもある。

 パリ五輪世代が中心のチームに“オーバーエイジ”のような形で招集され、冨樫剛一監督も「ゴールまでのアイディアの部分、ゴールに直結するプレー」に期待を寄せる。中盤より前で全てのポジションをこなすことができ、183cmの長身を生かした空中戦もお手の物。ロングスローという武器も秘める。

 基本技術のレベルが高く、ビルドアップからチャンスメイクまで幅広く絡む攻撃の軸になりそう。豊富な国際経験を後輩たちに伝えてチームを束ねる役割も求められる。背番号10が期待の表れだ。

ボンバーヘッドが目印。規格外の原石

チェイス・アンリ(ちぇいす・あんり/DF 22)

所属クラブ:尚志高校
生年月日:2004年3月24日(17歳)
代表歴:U-16候補、U-17、U-18候補、U-20候補

 圧倒的な身体能力を武器に対面するアタッカーを封殺する、センターバックの原石だ。同世代の他の選手に比べ経験の浅さは否めず、プレーもまだ荒削りだが、怪物級のポテンシャルを秘める逸材なのは間違いない。

 U-16日本代表候補に初めて選ばれたのが2020年で、そこから驚異的なスピードでステップアップを果たし、10月に“3世代上”のU-22日本代表候補に選ばれたことからも才能の大きさがうかがえる。

 中学1年生まで父の母国・アメリカで生活していたこともあり、日本語より英語の方が得意。今年7月にはオランダの名門AZアルクマールのU-23チームやドイツの強豪ボルシアMGのU-19チームに練習参加して、さらに大きく成長を遂げた。海外志向が強く、将来は世界トップレベルで戦える素養を備えている。U-22日本代表として国際経験を積んだ後、どこまで駆け上がっていくか楽しみでしかない。

宇佐美&堂安の系譜を継ぐ稲妻ドリブラー

中村仁郎(なかむら・じろう/MF 19)

所属クラブ:ガンバ大阪ユース
生年月日:2003年8月22日(18歳)
代表歴:U-16、U-18候補、U-20候補

 来季からガンバ大阪のトップチーム昇格が内定している期待のドリブラーだ。2020年に2種登録選手としてJ1リーグ戦でデビューを果たした。高校2年生でのJ1デビューは、クラブにとって宇佐美貴史や堂安律以来だった。

 今季トップチームでの公式戦出場はないが、昨年までにJリーグで30試合以上の経験を持っている。ガンバ大阪U-23の一員として、2019年のJ3リーグ戦で18試合出場3得点3アシスト、2020年も15試合に出場し2得点2アシストを記録していた。

 身長166cmは今回のU-22日本代表の中で2番目に低いが、懐に入り込むような切れ味鋭い高速ドリブルで大柄なDFも手玉に取る。ガンバが育成組織から輩出してきた左利きテクニシャンの系譜に連なる選手でもあるが、憧れるのは2歳上で同じレフティーの久保建英だ。

アタッキング・フットボールで揉まれる頭脳派DF

角田涼太朗(つのだ・りょうたろう/DF 4)

所属クラブ:横浜F・マリノス
生年月日:1999年6月27日(22歳)
代表歴:U-18、U-19、U-20

 まだ筑波大学の4年生だが、卒業を待たず半年前倒しで横浜F・マリノスとプロ契約を締結。同学年の選手たちに先駆けてプロの世界へと足を踏み入れた。貴重な左利きのセンターバックで、サイドバックとしてプレーできる機動力も備える。

 マリノスではチアゴ・マルチンスら経験豊富な選手たちの後塵を拝して出番を得られていないが、Jエリートリーグを中心に実戦経験を積んでいるところ。左足から繰り出す精度の高いパスでビルドアップに積極的に関わり、アタッキング・フットボールへの高い適性を示してきた。

 今回のAFC U23アジアカップ予選ではパリ五輪世代が中心のチームに“オーバーエイジ”的に招集され、ディフェンスリーダーとしての役割も期待される。大きな国際大会への出場歴はなく、角田自身にとっても国際経験を積む貴重な機会になるはずだ。

Jリーグで台頭する高卒2年目ストライカー

細谷真大(ほそや・まお/FW 9)

所属クラブ:柏レイソル
生年月日:2001年9月7日(20歳)
代表歴:U-18候補

 柏レイソルの育成組織出身で、高校3年次に2種登録選手としてJリーグデビュー。2020年にトップチームへ昇格したが、プロ1年目はJ1で2試合出場にとどまった。ところが2021年になると、途中出場が中心ながらコンスタントに起用されるようになり、10月19日時点でリーグ戦3得点を記録している。

 これまで世代別代表ではU-18代表の候補止まりだったが、今年8月にはU-20代表候補合宿に招集され、10月にもU-22代表候補合宿に参加。U-20日本大学選抜候補との練習試合では2得点を挙げて2-1での勝利に大きく貢献した。

 今大会では背番号9を託され、エースストライカーとして活躍が期待される。8月のU-20代表候補合宿では「結果を出し続け、守備でも攻撃でも貢献できるような、チームに絶対に必要な選手になりたい」と語っていた20歳が、日本をAFC U23アジアカップ本大会へと導くか。