GK紹介

ブラジル代表は今夏のコパ・アメリカ(南米選手権)で準優勝という結果に終わったが、カタールワールドカップ出場をかけた南米予選では首位を独走している。ダニエウ・アウベスやチアゴ・シウバといった大ベテランもまだ現役だが、新たなタレントが続々と台頭している。今回は、そんなブラジル代表の現在の主力メンバーをポジションごとに紹介していく(代表成績は2021年10月15日のウルグアイ代表戦終了時のもの)。
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エデルソン(マンチェスター・シティ/イングランド)
生年月日:1993年8月17日(28歳)
代表成績:17試合8失点

 ブラジル代表の正GKは誰かという問いに対する答えは、現状では2人いるというのが正解だろう。エデルソンとアリソンという世界屈指のGKをブラジル代表は抱えている。9月のワールドカップ予選では、プレミアリーグに所属する選手を召集できなかったため、両者は2試合を欠場したが、10月はアリソンがベネズエラ代表戦とコロンビア代表戦、エデルソンがウルグアイ代表戦に起用されている。

 一足先に代表デビューしていたアリソンが通算出場数では上回り、2018年のワールドカップと2019年のコパ・アメリカ(南米選手権)でも全試合に起用された。しかし、大会後はアリソンの負傷があり、復帰後もエデルソンとの併用が続いている。コパ・アメリカ以降で見ると、アリソンが7試合、エデルソンが12試合に起用されている。

 DFラインの裏の広大なエリアをカバーすることができ、キックの技術も正確な2人。至近距離からのセービングにも優れており、どちらもハイレベルのパフォーマンスを見せている。指揮官にとっては嬉しい悩みで、どちらかが怪我をしても大きな穴とはならないだろう。

<h2>DF紹介

ダニーロ(ユベントス/イタリア)
生年月日:1991年7月15日(30歳)
代表成績:42試合1得点6アシスト

 安定感のある守備力を武器に、ダニーロはブラジル代表の右サイドバックを担う。ポルト、レアル・マドリード、マンチェスター・シティと、各国のビッグクラブを渡り歩いてきたキャリアは本物で、ユベントスでは毎シーズン指揮官が交代する中で、様々なポジションを経験した。

 このポジションの最大のライバルは22歳のエメルソン・ロイヤルになる。22歳のエメルソンは今季からプレーするトッテナムで定位置を確保しているが、ブラジル代表での序列は30歳のダニーロが上となっている。

エデル・ミリトン(レアル・マドリード/スペイン)
生年月日:1998年1月18日(23歳)
代表成績:18試合1得点0アシスト

 昨シーズン、エデル・ミリトンはレアル・マドリードで長期離脱したセルヒオ・ラモスとラファエル・ヴァランの穴を埋めるべく奮闘した。その活躍もあってブラジル代表での立ち位置も変わり、今夏のコパ・アメリカ(南米選手権)では3試合に先発。以降もマルキーニョスとともにセンターバックに入っている。

 細かいミスも試合経験とともに減っており、鋭いタックルやスピードには自信を持っている。同胞のチアゴ・シウバはミリトンを「レアル・マドリードの柱になると確信している」と評している。37歳のチアゴ・シウバもいまだ現役のブラジル代表だが、ミリトンが今後のチームを担っていくことになるだろう。

マルキーニョス(パリ・サンジェルマン/フランス)
生年月日:1994年5月14日(27歳)
代表成績:62試合4得点2アシスト

 マルキーニョスは10代の頃から国内で注目を集める存在で、19歳のときに代表デビューを果たしている。ブラジル代表の中では古参の1人で、2016年のチッチ監督就任以降の最終ラインを支え続けてきた。年齢的にもキャリアのピークを迎え、所属するパリ・サンジェルマンではチアゴ・シウバから受け継いだキャプテンマークを昨季から巻いている。

 攻守においてハイスペックで、守備、攻撃、身体能力など、あらゆる能力に秀でている。パスの精度の高さや対人守備能力を活かして守備的MFを務めることもできるが、ブラジル代表では不動のセンターバックとして守備陣を統率する。

アレックス・サンドロ(ユベントス/イタリア)
生年月日:1991年1月26日(30歳)
代表成績:33試合2得点0アシスト

 ユベントス在籍6年目のアレックス・サンドロは、ブラジル代表の左サイドバックを担っている。スピードと強さを兼ね備えたサンドロは、セリエAで守備に磨きをかけた。フェリペ・ルイスやマルセロがいたため代表での出場はそれほど多くないが、クラブで築き上げてきたキャリアは素晴らしい。キャリアの円熟期を迎え、代表とクラブにおいて欠かせない存在となっている。

 ブラジル代表の左サイドバックは激戦区で、サンドロの実績をもってしても安泰ではない。東京五輪の優勝メンバーとなった24歳のギリェルメ・アラーナは10月のベネズエラ代表戦でデビュー。レナン・ロディやアレックス・テレスといったタレントも控えている。

<h2>MF紹介

カゼミーロ(レアル・マドリード/スペイン)
生年月日:1992年2月23日(29歳)
代表成績:58試合4得点2アシスト

 中盤の底でチームを支えるのがカゼミーロだ。チッチ監督の下でレギュラーを張り続け、チアゴ・シウバが不在の試合ではキャプテンを任されている。的確なポジショニングからピンチの芽を摘み、セットプレーでは得点源としての役割も担う。レアル・マドリードでの立場と同様に、ブラジル代表にも欠かせない存在となっている。

 今夏のコパ・アメリカ(南米選手権)やワールドカップ南米予選でも主力としてプレーしているが、10月はメンバーから外れた。理由は親知らずによる感染症で、南米予選3試合はファビーニョが代役を務めた。これまで、ファビーニョとカゼミーロが同時に先発で起用されたことはほとんどなく、ファビーニョがバックアップを務めるという豪華な陣容になっている。

フレッジ(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
生年月日:1993年3月5日(28歳)
代表成績:21試合0得点2アシスト

 マンチェスター・ユナイテッドに加入した18/19シーズンは適応に苦しんだものの、翌シーズン以降は実力を発揮しているフレッジ。18年夏のロシアワールドカップのメンバーには滑り込んだものの、ブラジル代表に居場所を確保したのは2021年になってからだ。9月は新型コロナウイルスの影響で招集を見送られたが、今夏のコパ・アメリカ(南米選手権)以降は主力として定着しつつある。

 広いエリアをカバーできる走力とボールを刈り取る守備力は魅力だが、その立場が安泰とまでは言えない。フレッジが不在だった9月の2試合ではマルセイユのジェルソンがデビューしている。東京五輪でU-24ブラジル代表を頂点へと導いたドウグラス・ルイスも控えており、カゼミーロの相棒をめぐる争いはし烈を極める。

ネイマール(パリ・サンジェルマン/フランス)
生年月日:1992年2月5日(29歳)
代表成績:115試合70得点51アシスト

 ネイマールは18歳でデビューして以降、ワールドカップには2度出場。ブラジル代表は2019年のコパ・アメリカ(南米選手権)で優勝しているが、ネイマールは怪我でこの大会を欠場。14年のワールドカップは怪我で準決勝以降の2試合を欠場し、キャプテンとして出場した翌年のコパ・アメリカでは累積警告と退場処分により2試合で出場停止となるなど、重要な局面ではいつもいない。今夏のコパ・アメリカでは2得点を挙げたが、アルゼンチン代表に敗れて優勝に手が届かなかった。

 ネイマールに関する話題は、ピッチ内外を問わず絶えないが、ブラジル代表における存在の大きさは115試合70得点という数字が表している。ネイマールにとってブラジル代表の優勝は悲願となっているが、来年のワールドカップが最後のチャンスとなる可能性を示唆している。南米予選でブラジル代表は首位を走っているが、ネイマールは大舞台で輝くことができるのだろうか。

FW紹介

ガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・シティ/イングランド)
生年月日:1997年4月3日(24歳)
代表成績:50試合18得点13アシスト

 ブラジル代表は右ウイングを固定できていないが、前線の1枠にはガブリエウ・ジェズスが名を連ねる。2016年の代表デビュー戦でいきなり2得点を決め、チッチ監督の信頼を掴んだ。24歳にしてキャップ数は50試合に到達している。

 元々はセンターフォワードが定位置だが、2019年のコパ・アメリカ(南米選手権)で右ウイングという新境地を開拓した。マンチェスター・シティでは右ウイングで起用される機会が増えており、ブラジル代表では2つのポジションをこなしている。

ガブリエウ・バルボーザ(フラメンゴ/ブラジル)
生年月日:1996年8月30日(25歳)
代表成績:17試合5得点0アシスト

 ガブリエウ・バルボーザは2016年5月の代表デビュー戦でいきなりゴールを決め、直後のコパ・アメリカ(南米選手権)でもゴールを挙げた。しかし、大会後にチッチ監督が就任すると、代表から遠ざかる時期が続いた。しかし、今年6月以降は常に招集されており、今夏のコパ・アメリカや南米予選でもコンスタントに先発している。

 20歳でインテルに移籍したが、たった1年プレーしただけでレンタルに出されてしまった。ベンフィカを経て母国に戻ると、生き返ったかのようにゴールを決め続けた。そのまま欧州に戻ることなく、昨年1月にフラメンゴへ完全移籍。ブラジルでの活躍を認められ、ブラジル代表にも居場所を与えられている。

ルーカス・パケタ(オリンピック・リヨン/フランス)
生年月日:1997年8月27日(24歳)
代表成績:26試合5得点0アシスト

 21歳の時に移籍したACミランではインパクトを残せなかったが、昨季からプレーするリヨンでは存在感を放っている。2年目の今季は背番号10を背負い、攻撃の中心として活躍している。

 ブラジル代表ではコパ・アメリカ(南米選手権)でポジションを掴んだ。準々決勝では途中出場から決勝点となるスーパーゴールを決め、続く準決勝でも決勝点を決めている。9月と10月の南米予選ではサイドでプレーすることが多く、ネイマールとともにブラジル代表に創造性をもたらしている。

主な控えメンバー

アリソン(リバプール/イングランド)
生年月日:1992年10月2日(29歳)
代表成績:49試合19失点

チアゴ・シウバ(チェルシー/イングランド)
生年月日:1984年9月22日(37歳)
代表成績:101試合7得点3アシスト

ファビーニョ(リバプール/イングランド)
生年月日:1993年10月23日(28歳)
代表成績:20試合0得点1アシスト

ドウグラス・ルイス(アストン・ヴィラ/イングランド)
生年月日:1998年5月9日(23歳)
代表成績:9試合0得点0アシスト

ヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード/スペイン)
生年月日:2000年7月12日(21歳)
代表成績:7試合0得点0アシスト

 ブラジル代表の正GK争いは、史上最高級にハイレベルな戦いだ。現政権下ではアリソンが正GKに据えられることが多かったが、19年のコパ・アメリカ以降は併用が続いている。チアゴ・シウバは37歳となった今でもブラジル代表に名を連ねており、10月には通算100試合出場を達成している。

 リバプールでは不動の存在となっているファビーニョも、ブラジル代表ではカゼミーロがいるため通算20試合出場に留まっている。中盤のタレントは豊富で、アストン・ヴィラで欠かせない存在となったドウグラス・ルイスらもチャンスをうかがう。

 前線には各年代のタレントが揃う。エベルトン・リベイロはブラジル国内で長く活躍するベテランで、昨年からコンスタントにプレーしている。アントニーやヴィニシウス・ジュニオールも将来のセレソン(ブラジル代表)を担う素質のあるアタッカーだ。