GK紹介

2014年のブラジルワールドカップで3位入賞を果たしたオランダ代表だが、2016年のユーロ(欧州選手権)、2018年のロシアワールドカップと2大会連続で国際大会の出場を逃した。18年にロナルド・クーマンが代表監督に就任すると、フレンキー・デ・ヨングら若手が台頭し、19年に行われたUEFAネーションズリーグでは準優勝。今夏に行われたユーロ2020でもグループステージを突破し、暗黒期を脱しつつある。ユーロ終了後にはルイス・ファン・ハールを3度目となる代表監督に招聘。14年のワールドカップで3位に導いた老将に、来年に迫るカタールワールドカップ出場権獲得を託した。今回は、そんなオランダ代表の現在の主力メンバーをポジションごとに紹介していく(代表成績は2021年10月11日のジブラルタル代表戦終了時のもの)。

——————————————

ユスティン・バイロウ(フェイエノールト)
生年月日:1998年1月2日(23歳)
オランダ代表戦績:5試合/2失点

 ユーロ2020(欧州選手権)敗退後、ルイス・ファン・ハールが3度目となるオランダ代表監督に就任した。その中で新たに正GKに抜擢されているのが、23歳のユスティン・バイロウだ。フェイエノールトの下部組織出身で、オランダの各年代別代表で正GKを務めてきた。

 ユーロ2020ではマールテン・ステケレンブルフ、ティム・クルル、マルコ・ビゾットの3選手が招集されており、いずれも30歳超えとGKの高齢化が課題であった。ファン・ハールは早速GKの若返りに着手し、就任初戦にバイロウを初招集。以降、現在まで5試合連続でスタメン出場しており、久々に若手GKがオランダ代表のゴールマウスを守っている。

DF紹介

デンゼル・ダンフリース(インテル/イタリア)
生年月日:1996年4月18日(25歳)
オランダ代表戦績:28試合3得点4アシスト

 圧倒的なフィジカルを武器に攻守に躍動する右SBだ。18年夏から21年夏までプレーしたPSVでは、加入初年度から不動の右SVに定着。コンスタントに得点に関与し、2019/20シーズン後半からは主将を務めた。右SBの選手だが、身体能力が高く上背もあるため、セットプレーのターゲットとしても機能する。

 PSVでの活躍が評価され、18年9月にオランダ代表デビュー。当時、オランダ代表には絶対的な右SBが不在だったため、すぐにレギュラーに定着した。今夏に行われたユーロ2020(欧州選手権)では、グループステージ初戦から2試合連続で勝利に直結するゴールを記録。これらの活躍が評価され、大会終了後にインテルへとステップアップを果たした。

ステアファン・デ・フライ(インテル/イタリア)
生年月日:1992年2月5日(29歳)
オランダ代表戦績:54試合3得点1アシスト

 現オランダ代表のDFで最も代表歴が長い選手だ。17歳という若さでフェイエノールトのレギュラーに定着したデ・フライは、その後、ラツィオ、インテルと順当にキャリアを歩んでいる。キャリアの当初は右SBの選手だったこともあり、カバーリングエリアの広さに定評がある。

 12年8月に20歳でオランダ代表デビューを飾るとすぐにレギュラーに定着。14年に行われたブラジルワールドカップでは全7試合に先発出場した。フィルジル・ファン・ダイク、マタイス・デ・リフト、ナタン・アケとオランダ代表のCBには実力者が揃っているが、直近1年はデ・フライがスタメンの座を守り続けている。

フィルジル・ファン・ダイク(リバプール/イングランド)
生年月日:1991年7月8日(30歳)
オランダ代表戦績:42試合5得点0アシスト

 CBに求められる全ての能力を世界最高レベルに兼ね備えるオランダ代表の主将だ。オランダ代表の選手では珍しくアヤックス、PSV、フェイエノールトの3強に所属したことはない。現在所属しているリバプールでは守備の要としてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)とプレミアリーグ優勝に大きく貢献している。

 サウサンプトンに所属していた15年10月にオランダ代表デビュー。18年2月にロナルド・クーマンがオランダ代表監督に就任すると主将に任命された。2020/21シーズンに所属クラブで膝の前十字靭帯損傷した影響で、ユーロ2020(欧州選手権)の出場は逃したが、復帰した現在は再び主将として最終ラインを支えている。

ダレイ・ブリント(アヤックス)
生年月日:1990年3月9日(31歳)
オランダ代表戦績:86試合2得点10アシスト

 現役のオランダ人選手で最多の代表キャップ数を誇るのがダレイ・ブリントだ。元オランダ代表監督のダニー・ブリントの息子であり、父がプレーしたアヤックスの下部組織で育成された。元々は中盤の選手だったが、プロデビュー後はCBや両SBなど様々なポジションでプレーしている。

 13年2月にオランダ代表デビューを果たすと、すぐに左SBのレギュラーに定着。ブリントの代表デビュー以降、暫定監督を含めると8人がオランダ代表を指揮しているが、様々なポジションでプレー可能なポリバレント性も相まって、いずれの監督からも厚い信頼を得続けている。

MF紹介

フレンキー・デ・ヨング(バルセロナ/スペイン)
生年月日:1997年5月12日(24歳)
オランダ代表戦績:36試合1得点3アシスト

 オランダ代表の未来を担うであろう中盤のキープレイヤーだ。代表で主将を務めるファン・ダイクと同じヴィレムⅡの下部組織出身。足下の技術が高く、視野も広いため相手に寄せられたときの選択肢が豊富だ。そのためボールを失うことはほとんどない。

 18年9月に行われたヴェスレイ・スナイデルの代表引退試合でオランダ代表デビューを飾ると、あっという間にレギュラーに定着。その後、現在までオランダ代表は38試合を戦っているが、その間36試合に出場している。ケガが少なく、これまで代表ではフル稼働していたデ・ヨングだが、10月のクラシコでハムストリングを負傷。11月の代表戦は欠場する可能性もありそうだ。

ジョルジニオ・ワイナルドゥム(パリ・サンジェルマン/フランス)
生年月日:1990年11月11日(30歳)
オランダ代表戦績:83試合26得点9アシスト

 豊富な運動量と高いサッカーIQで中盤を牽引するオランダ代表の副主将だ。キャリアを通じて通算4度シーズン二桁ゴールを記録していることからわかるように、得点力のある選手だが、16年夏から21年夏まで所属していたリバプールでは強力3トップを陰から支える黒子に徹してプレーした。

 11年9月にオランダ代表デビューを飾ると、14年に行われたブラジルワールドカップでは全7試合に出場。直近のオランダ代表ではクラブとは対象的にゴールを量産しており、直近1年で8ゴールを記録している。また、ファン・ダイクが負傷離脱していた間はキャプテンマークを巻き、今夏のユーロ2020(欧州選手権)でも全試合に主将として出場した。

デイヴィ・クラーセン(アヤックス)
生年月日:1993年2月21日(28歳)
オランダ代表戦績:29試合8得点5アシスト

 完全復活を遂げた司令塔だ。アヤックスに所属していた2016年にオランダ年間最優秀選手賞を受賞し、17年にエバートンへ移籍した。しかし、イングランドの水に合わず、シーズン終盤にはリザーブチームへと降格した。1年でエバートンを退団し、ブレーメンを経て20年夏にアヤックスに復帰すると完全復活。シーズン12ゴールを決め、エールディビジ優勝に大きく貢献した。

 14年3月にオランダ代表デビュー。ユーロ2020(欧州選手権)直前の全8試合に出場していたが、本大会では急遽3-5-2のシステムを採用したこともあり出場機会は訪れなかった。ファン・ハールが再就任した21年9月以降は、4-3-3へとシステムを戻したこともあり、レギュラーに復帰。5試合で3ゴール2アシストとアピールに成功している。

FW紹介

ステフェン・ベルハイス(アヤックス)
生年月日:1991年12月19日(29歳)
オランダ代表戦績:33試合2得点11アシスト

 ワトフォードで構想外となり、16年にフェイエノールトに加入すると199試合で87得点とゴールを量産したベルハイス。しかし、直近数シーズンは優勝争いに絡めておらず、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場を希望して、21年夏に最大のライバルであるアヤックスに禁断の移籍を果たした。

 16年5月にオランダ代表デビューを飾ったが、長らく主力に定着することはなかった。転機となったのは、20年9月のフランク・デ・ブールの代表監督就任だ。すぐに右WGのレギュラーに定着し、結果を残したが、ユーロ2020(欧州選手権)では急遽3-5-2のシステムを採用したため出場機会は限定的だった。ファン・ハールが21年9月に再就任し、4-3-3のシステムに戻してからはレギュラーに返り咲いている。

メンフィス・デパイ(バルセロナ/スペイン)
生年月日:1994年2月13日(27歳)
オランダ代表通算成績:73試合35得点28アシスト

 現オランダ代表の絶対的なエースだ。15年夏に加入したマンチェスター・ユナイテッドではノーインパクトに終わったが、17年冬に加入したリヨンでは大活躍。驚異的なペースでゴールを量産し、21年夏にフリーでバルセロナへと移籍した。

 19歳でオランダ代表デビューを飾り、20歳で出場したブラジルワールドカップでは2ゴール1アシストを記録。ロビン・ファン・ペルシーやアリエン・ロッベンの代表引退後は、エースとして活躍している。21年9月にファン・ハールが再就任してからは、6試合で7ゴール4アシストと圧巻の活躍を披露。ファン・ペルシーが保持する代表最多得点記録「50」まで、残り15ゴールに迫っており、27歳という年齢を考えると更新の可能性も十分にありそうだ。

コーディ・ガクポ(PSV)
生年月日:1999年5月7日(22歳)
代表通算成績:4試合1得点1アシスト

 オランダ期待の高さとスピードを兼ね備える右WGだ。育成の名門PSVの下部組織出身で、2018/19シーズンにトップチームに定着。2020/21シーズンは公式戦二桁ゴールを記録し、ユーロ2020(欧州選手権)直前にオランダ代表にサプライズ招集された。

 ユーロ2020でオランダ代表デビューを飾り、9月に再就任したルイス・ファン・ハール体制ではレギュラーに定着。デビュー3戦目のモンテネグロ戦で代表初ゴールを決めた。同じ左WGにはアルノー・ダンジュマとノア・ラングといった好調な選手が揃っており、今後のポジション争いに注目が集ま

主な控えメンバー

マタイス・デ・リフト(ユベントス/イタリア)
生年月日:1999年8月12日(22歳)
代表通算成績:31試合2得点3アシスト

マルテン・デ・ローン(アタランタ/イタリア)
生年月日:1991年3月29日(30歳)
代表通算成績:28試合0得点1アシスト

ライアン・グラフェンベルフ(アヤックス)
生年月日:2002年5月16日(19歳)
代表通算成績:9試合1得点0アシスト

アルノー・ダンジュマ(ビジャレアル/スペイン)
生年月日:1997年1月31日(24歳)
代表通算成績:3試合2得点0アシスト

ドニエル・マレン(ドルトムント/ドイツ)
生年月日:1999年1月19日(22歳)
代表通算成績:16試合4得点3アシスト

 オランダ代表のCBのポジション争いは世界で最も熾烈かもしれない。レギュラーのフィルジル・ファン・ダイク、ステファン・デ・フライ以外にもマタイス・デ・リフト、ナタン・アケ、ユリエン・ティンバーらが控えている。誰がレギュラーの座を掴んでもおかしくはない選手層の厚さだ。

 ロナルド・クーマン、フランク・デ・ブール体制ではレギュラーに定着していたマルテン・デ・ローンだが、ルイス・ファン・ハール現体制となってからは序列を落としている。既にアヤックスで絶対的な選手であるライアン・グラフェンベルフも控えており、中盤のポジション争いはますます激化しそうだ。

 コーディ・ガクポの1番手起用が続いている左WGだが、ビジャレアルで絶好調のアルノー・ダンジュマがそのポジションを掴んでも不思議ではない。今夏にドルトムントへ移籍したドニエル・マレンは新天地での適応にやや苦しんでいるが、オランダ代表のエースの座を射止めてもおかしくはないポテンシャルの持ち主だ。