10位:マンUで存在感を失い…

 100億円を超える移籍金(契約解除金)も珍しくなくなった今日のサッカー界で移籍金の高い歴代日本人は誰なのか。今回フットボールチャンネル編集部は、データサイト『transfermarkt』が算出した市場価値ランキングの最新版を紹介する。※移籍金は11月2日時点、価格が並んだ場合の順位はサイトに準拠

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MF:香川真司(元日本代表/PAOKテッサロニキ)
生年月日:1989年3月17日(32歳)
クラブ:マンチェスター・ユナイテッド→ドルトムント
移籍日:2014年8月31日(当時25歳)
移籍金:800万ユーロ(約9.6億円)

 ユルゲン・クロップ監督率いるドルトムントで中心的存在として活躍した香川真司は、2012年にマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を掴み取った。名将サー・アレックス・ファーガソン監督の元では怪我に苦しむ時期こそあったがおおむね満足いく出場時間を与えられ、第28節ノーリッジ戦ではアジア人選手初となるプレミアリーグでのハットトリックを達成。最終的に20試合6得点4アシストの成績で、加入1年目ながらチームの2シーズンぶりとなるリーグ制覇に貢献した。

 しかし、香川の獲得を希望したファーガソン監督がそのシーズン限りで退任。後任にデイビッド・モイーズ監督が就くと、日本人MFの状況が暗転する。日本代表戦の影響でチームへの合流が少し遅れたこともあって開幕からなかなか出番を得られず、その後もアピールの機会は限られてしまった。結果、ユナイテッドでの2年目は屈辱的な公式戦ノーゴールという成績に終わっている。

 そして迎えた3年目、新監督にルイス・ファン・ハールが就任したことで、香川は構想外に。出場機会を求め、移籍期限ギリギリで古巣ドルトムントに復帰することになった。その時の移籍金は800万ユーロ(約9.6億円)。ドルトムントからユナイテッドへ移籍した際(約19億円)の半額ほどだった。

9位:世界最強クラブに移籍も…

MF:南野拓実(日本代表/リバプール)
生年月日:1995年1月16日(26歳)
クラブ:ザルツブルク→リバプール
移籍日:2020年1月1日(当時24歳)
移籍金:850万ユーロ(約10億円)

 2015年にセレッソ大阪からザルツブルクへ旅立つと、オーストリアの地で急成長。2年目でリーグ戦二桁得点を叩き出し、3年目にはキャリアハイとなる同11得点をマークしている。その後も南野拓実はチームの主力として活躍。近年はファン・ヒチャンやアーリング・ブラウト・ハーランドらと共に攻撃を活性化させていた。

 そんな南野にとって大きな試合となったのが2019/20シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)・リバプール戦。アンフィールドで行われたこのゲームで1得点1アシストを記録と大活躍し、世界に衝撃を与えたのである。そしてこの結果によって一気に注目の的となった日本代表戦士は、2020年1月よりユルゲン・クロップ監督率いるチームの一員となることが決まった。

 しかし、850万ユーロ(約10億円)という移籍金でリバプール入りした南野だが、やはりサディオ・マネ、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノら超強力なライバルを前に出番は限定的。昨年にはディオゴ・ジョタも加わったことで、その立場はさらに厳しいものとなってしまった。今のところ、リバプールサポーターを納得させるほどの活躍は見せられていない。

8位:まったく記憶に残らず

FW:武藤嘉紀(日本代表/ヴィッセル神戸)
生年月日:1992年7月15日(29歳)
クラブ:マインツ→ニューカッスル
移籍日:2018年8月2日(当時26歳)
移籍金:1070万ユーロ(約12.8億円)

 FC東京で日本を代表するFWに成長した武藤嘉紀が海外初挑戦を決断したのは2015年のこと。移籍先はマインツだった。同クラブでは加入後からコンスタントに出場機会を確保。2017/18シーズンにはブンデスリーガ第33節ドルトムント戦で決勝ゴールをマークしてチームを残留へと導いており、最終的にドイツでのキャリアハイとなる公式戦10得点を叩き出すなど結果を残していた。

 その活躍が認められ、2018年にイングランドのニューカッスルへプレーの場を移す。移籍金は1070万ユーロ(約13億円)だった。武藤は開幕から数試合でベンチスタートとなったが、リーグ初先発を飾った第8節マンチェスター・ユナイテッド戦でさっそくゴールを奪取。そこから、ギアは上がっていくかに思われた。

 しかし、以降の武藤は怪我の影響などもあって沈黙。結果的にニューカッスル在籍は2年間となるのだが、公式戦での得点は上記したユナイテッド戦、そして2019/20シーズンのカラバオカップ2回戦、レスター戦であげた2得点のみとなった。1070万ユーロ(約13億円)の移籍金も虚しく、ニューカッスルではまったく記憶に残らなかった。

7位:クラブの歴史に名を刻んだ男

FW:岡崎慎司(元日本代表/FCカルタヘナ)
生年月日:1986年4月16日(35歳)
クラブ:マインツ→レスター
移籍日:2015年7月1日(当時29歳)
移籍金:1100万ユーロ(約13.2億円)

 日本代表で通算50得点をマークしてきたFWが7位にランクインした。清水エスパルスで得点を量産すると、2011年に活躍の場を海外へ移し、シュツットガルト、マインツそれぞれでプレーしている。とくにマインツでのパフォーマンスは印象的で、2シーズン連続のリーグ戦二桁得点を記録したことで評価を高めていた。

 そして2015年、後に運命のクラブとなるレスターに加入。移籍金は当時プレミアリーグ所属クラブに移籍した日本人選手としては2番目に高額な1100万ユーロ(約13.2億円)だった。そして、ここでは開幕からレギュラーとしてプレー。決して多くの得点を奪ったわけではないが、豊富な運動量を駆使した献身的な守備などで貢献し、1年目ながらチームを奇跡のプレミアリーグ制覇へと導くことになった。

 2017/18シーズンは終盤に怪我を負い、2018/19シーズンはブレンダン・ロジャース監督の元で出場機会を失うなど、レスターでの最後の2年間は苦労したが、それでもジェイミー・ヴァーディーやエンゴロ・カンテ、リヤド・マフレズらと共にクラブ史、そしてサッカー史にその名を刻んだ岡崎慎司。振り返ると、1100万ユーロ(約13.2億円)という移籍金はレスターにとってバーゲン価格だったと言えるはずだ。

6位:輝きを失ったドリブラー

MF:中島翔哉(日本代表/ポルティモネンセ)
生年月日:1994年8月23日(27歳)
クラブ:アル・ドゥハイル→ポルト
移籍日:2019年7月5日(当時24歳)
移籍金:1200万ユーロ(約14.4億円)

 日本屈指のドリブラーである中島翔哉は順調にステップアップを刻んでいるかに思えた。FC東京からポルティモネンセへ渡り、1年目でリーグ戦10得点12アシストの活躍。2年目は負傷離脱した期間もあったが、同13試合で5得点6アシストをマークするなど、その成長ぶりは驚異的だった。

 2019年にはカタールのアル・ドゥハイルへ加入。移籍金3500万ユーロ(約42億円)は日本人史上最高額だった。そのわずか5ヶ月後にはポルトガル屈指の強豪ポルトへ移籍。移籍金は1200万ユーロ(約14.4億円)で契約期間は5年、そして背番号は「10」と期待値は大きかった。

 しかし、中島の順調なステップアップはここでストップすることに。ポルトではあまり出場機会に恵まれず、新型コロナウイルス感染拡大による中断明け後しばらくは個人の事情でチームに合流することもなかった。昨季ようやく実戦復帰したが、やはりプレータイムは限られており、冬にはアル・アインへレンタル。そして現在は古巣ポルティモネンセへ期限付きで戻っているなど、中島は非常に厳しい時期を過ごしている。