個で勝ったPSG</h2> 

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)第4節、RBライプツィヒ対パリ・サンジェルマン(PSG)が現地時間3日に行われ、2-2の引き分け。リオネル・メッシ、マルコ・ヴェッラッティらを怪我で欠いたPSGは、試合終了間際に勝利を手放してしまった。(文:阿部勝教) 
 
——————————
 
 現地時間3日に行われたCL第4節、PSGはRBライプツィヒと対戦。チームの中核を担うヴェッラッティとCLでは絶好調のメッシを怪我で欠いたPSGは、結果的に勝ち点1を持ち帰ったが、高い位置から積極的にボールを奪いに来たRBライプツィヒに苦戦を強いられた。 
 
 RBライプツィヒは基本配置を3-4-3としつつも、守備時には5-3-2に変更。最前線でプレスをかけるアンドレ・シウヴァとクリストファー・エンクンクを起点にPSGをサイドに追い込むと、ウィングバックがポジションを1列前に上げ、数的優位を作ってボールを奪いに行った。 
 
 ヴェッラッティを怪我で欠き、スムーズにビルドアップできないPSGは試合開始からこの守備に捕まり、開始8分に失点。これで後手に回ってしまったPSGは、失点の直後にPKを献上。ジャンルイジ・ドンナルンマのセーブにより追加点は防いだが、厳しい試合展開を強いられた。 
 
 しかし、個々の能力で勝るPSGはアンヘル・ディ・マリアとネイマールの個人技からチャンスを演出。徐々にペースを掴むと最初の決定機を逃さず、21分にジョルジニオ・ワイナルドゥムが同点弾。さらに39分、コーナーキックから再びワイナルドゥムゴがールを奪い、前半の内に逆転に成功した。 
 
 試合開始直後から相手の戦術にはまり、前半はシュート4本に抑えられたPSGだが、フランスのスター軍団は個の能力で厳しい状況を打開してみせた。 
 
<h2>勝利は目前だったが…</h2>
 
 個で勝負するPSG、全員攻撃全員守備のRBライプツィヒと後半は両クラブ対照的なサッカーを展開。互いに決定機を作るもあと一歩が届かない状況が続いた。 
 
 負ければ決勝トーナメント進出が無くなるRBライプツィヒは試合終盤に猛攻撃。これに対し、第3節を終えた時点でグループ首位に立つPSGは、リスクを冒さず5バックで逃げ切りを選択した。 
 
 しかし、試合終了間際に悲劇が待ち受けていた。 
 
 後半アディショナルタイム、ペナルティーエリア内でプレスネル・キンペンベが相手選手に乗りかかってしまい、PKを献上。試合終了間際に追い付かれ、勝利を手放してしまった。 
  
 この結果により、PSGはグループ2位に転落。マンチェスター・シティに首位を明け渡すこととなった。 
 
 後半の早い段階で3点目を奪うことはできなかったが、終盤に5バックを選択したことが間違いだったわけではない。逃げ切りを狙うのであれば、守備に人数をかけるのは当然だ。 
 
 しかし、どこか中途半端だった。堅守速攻で3点目を狙いに行くのか、それともボールを回して時間を使うのか。チーム全体でその認識が共有できていないように見えた。 
 
 悲願のCL優勝を狙うのであれば、今回のような試合を勝ち切らないといけない。選手1人1人の問題なのか、監督の問題なのか。いずれにせよ勝ち上がっていくためには改善が必要だ。 
 
<h2>勝ち切れなかった要因は…</h2> 
 
 前述したようにチーム全体として認識が共有できていなかったこともあるが、この試合に勝ち切れなった要因はそれだけではない。 
 
 試合を通して顕著に表れたのはヴェッラッティ不在による中盤の機能不全だ。 
 
 いつもならビルドアップ時にヴェッラッティが後方に顔を出し、自らのドリブルや長短のパスでスムーズにボールを前に進めていく。だが、この試合ではアンカーに入ったダニーロ・ペレイラが軽率なミスを繰り返し、DFも受け手を探すのに時間がかかってしまっていた。 
 
 さらに、攻撃面ではほとんどが3トップの個人技。1点目の華麗な連係からワイナルドゥムがゴール奪ったが、その他に決定的な仕事はほとんど出来ていなかった。 
 
 守備でもセカンドボールを拾えず、奪ってからは軽率なミスでボールをロスト。相手のプレスが激しかったこともあるが、確実に自分たちのボールに出来ていればもっと楽に試合を進められたはずだ。 
 
 だが、ヴェッラッティ1人でこの問題が解決するわけではない。今夏の新加入選手も多いため、まだフィットするには時間が必要となるが、この先も改善されなければCL優勝は難しいだろう。 
 
(文:阿部勝教)