横浜F・マリノスの前田大然は、今季の明治安田生命J1リーグを3試合残した時点で、得点ランキングトップとなる21ゴールを記録している。6日のFC東京戦では3得点を挙げる活躍でチームを歴史的大勝に導いたが、今季のハットトリック達成はこれが2度目。1度目のハットトリックも凄かった。

 前田が大暴れしたのは、8月15日にホームで行われた大分トリニータ戦。マリノスは30分に右サイドでパスを回すと、岩田智輝のスルーパスに反応した仲川輝人がDFラインの裏を抜けた。ゴール脇のポケットから折り返すと、ゴール前に侵入してきた前田がゴールに流し込む。マリノスにとってはこれが先制点となった。

 トリニータはCKから同点に追いついたが、前半終了間際に守備陣の連係ミスからレオ・セアラにゴールを許してしまう。マリノスは1点リードで試合を折り返すと、55分には扇原貴宏のスルーパスに、前田が快速を飛ばして追いつく。ゴール前に送ったパスをレオ・セアラが受け、GKの股を抜くシュートでこの日2ゴール目を決めた。瞬時にスピードに乗る前田の快速が活かされたゴールだった。

 さらに75分には驚愕のゴールが生まれる。自陣右サイドでボールを持った水沼宏太が、DFラインの裏にロブパスを入れる。前田はこれを収めるや否や、ゴールに向かって浮き球のシュートを蹴った。前に出ていたGKは懸命に戻るも、伸ばした腕のわずか上を通り、ゴールへと吸い込まれた。前田のトラップが少しでもずれたり、シュートを放つ判断に少しでも迷いがあれば、このゴールは生まれていなかっただろう。

 J1得点ランキングでトップを走る前田は、カタールワールドカップアジア最終予選に臨む日本代表メンバーに選出された。前田の代表選出は19年6月のコパ・アメリカ(南米選手権)以来だが、このときは東京五輪世代中心のメンバー構成だったため、フルメンバーとしての招集という意味では初選出となる。Jリーグで躍動する韋駄天はアジアの舞台でどのようなパフォーマンスを見せるのだろうか。