久保建英がようやく復帰

 ラ・リーガ第15節、マジョルカ対ヘタフェが現地時間27日に行われ、スコアレスドローに終わっている。この試合では、日本代表MF久保建英が約2ヶ月ぶりに戦列復帰。ブランクを感じさせないプレーを披露した。そこで気になるのは、久保の今後の起用法である。(文:小澤祐作)

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 現地9月22日に行われたラ・リーガ第6節レアル・マドリード戦で負傷し、しばらく戦列を離れていた日本代表MF久保建英が、ようやく復帰を果たした。

 マジョルカを率いるルイス・ガルシア・プラサ監督はヘタフェ戦の先日会見で「15分〜20分間」久保を起用することを示唆していたが、その言葉通り、背番号17は68分に登場。約20分間のプレータイムが与えられていた。

 ジョルディ・ムブラに代わり右サイドに入った久保はタッチ数こそそこまで多くなかったが、ボールを持てば積極的に前を向いてパスを送ったり、ドリブルを仕掛けたりと、限られた出場時間でも随所でらしさを発揮。トップ下イ・ガンインと息の合ったコンビネーションも見せたりと、約2ヶ月間のブランクを大きく感じさせることはなかった。

 久保は結果的にゴールやアシストという数字を残すことはなかった。しかし、試合前日にルイス・ガルシア監督が「今大事なのはタケが良い状態になることだ」と話した通り、今はとにかく試合勘等を取り戻すことが最優先である。そういった意味で、久保にとってこの日の20分間は重要なものになったはずだ。

 今後しばらくは、久保の途中出場が続くだろう。スタメン復帰を果たせるとなれば、年明け1発目のバルセロナ戦が濃厚。早ければ12月19日のグラナダ戦ということもあるかもしれない。

 そこで気になるのが、久保の今後の起用法である。

イ・ガンインが中心に君臨

 マドリー戦で負傷した久保が不在の間、マジョルカの中心にはイ・ガンインが君臨した。トップ下で先発し、幅広い場所に顔を出してボールに触れ、味方を活かしながら攻撃のリズムを生む。今回のヘタフェ戦でも、そうした働きは非常によく目立っていた。

 そんなイ・ガンインと久保が今季マジョルカで共演した時間は計50分である。決して多い数字ではないしまだまだ未知数な部分も多いが、ここまで見る限り、彼らのプレーイメージに大きなズレなどを感じることはない。また、互いに技術力があってボールも保持できるので、チームとしての攻撃の幅は広がるだろう。

 しかし、ルイス・ガルシア監督はある部分を気にしている。『マルカ』によると、同指揮官はヘタフェ戦後、「タケとイ・ガンインが一緒にプレーすると多くのものを与えてくれるが、他の部分で失うものもある。彼らを見るのは素晴らしいことだが、自分たちの深みを奪ってしまう」とコメントしていたようだ。

 ラ・リーガの下位チームであるマジョルカは、基本的に攻められる時間が長く、必然的にカウンターに出る機会も多くなる。ただ、その場面でどちらかというとスペースより足下で勝負する久保とイ・ガンインが持ち味を発揮するのは難しい。それならば、縦突破が代名詞のムブラなどを2列目で起用し深さを作った方がいいという面は、確かにある。そうなると、久保とイ・ガンインはトップ下のポジションを争うことになるだろう。

 上記のことを踏まえると、配球力のあるイ・ガンインをダブルボランチの一角に置き、久保をトップ下、サイドにムブラやアントニオ・サンチェスを起用するというのは一案になる。しかしこの場合、気になるのは守備面だ。とくにイ・ガンインの場所が大きな穴になる可能性が高く、現実的とは言えない。

 やはり日韓の至宝が共演するなら、トップ下イ・ガンイン、右サイドに久保が現実的な形になるだろう。上記した通りボールは持てるし相性も良いので、決して悪い選択ではない。しかし、ルイス・ガルシア監督のいう「深さ」、そして守備面などを考えると、そこに難しさが生まれてくるのも事実。久保が復帰し、今後どういったチョイスになっていくのか注目だ。

(文:小澤祐作)