最下位ニューカッスルに快勝

プレミアリーグ第13節、アーセナル対ニューカッスルが現地時間27日に行われ2-0でホームチームが勝利した。アーセナルの冨安健洋は先発フル出場。66分には移籍後初となるアシストを記録し、快勝に大きく貢献している。(文:安洋一郎)

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 シュート本数は24対9、ポゼッション率は66%対34%。このスタッツから明らかなように、アーセナルはホームでニューカッスル相手にゲームを支配した。前節、リバプールに0-4の惨敗を喫したアーセナルだが、今節は未勝利のニューカッスルに2-0の快勝を収めている。

 試合は前半からアーセナルがボールを支配し、ニューカッスル陣内に押し込む展開に。対するニューカッスルは、4-4-2の右WGで先発出場していたライアン・フレイザーも守備時には最終ラインに吸収されてプレーするなど、後ろに重心を置く戦術をチョイス。堅い守備からアラン・サン=マクシマンやカラム・ウィルソンのドリブルとスピードを活かしたカウンターからゴールを狙った。

 このカウンターに立ちはだかったのが、冨安健洋らアーセナルDF陣だった。今季、プレミアリーグで最も長い距離をドリブルしているサン=マクシマンと同サイドで対峙した冨安は、出足の早いタックルでカウンターを阻止。ニューカッスルで攻撃の軸を担っているサン=マクシマンにほとんど仕事をさせなかった。

 56分にブカヨ・サカの今季2点目となるゴールで先制したアーセナルだが、前半は後ろに重心を置くニューカッスル相手にかなり攻めあぐねていた。特に痛恨だったのは、41分にピエール=エメリク・オーバメヤンが決定機を逃したシーン。ゴールまで1m弱の位置にいたオーバメヤンだが、自身の前にこぼれてきたボールを枠内に収めることができず、シュートはポストを直撃した。

冨安が攻撃面で存在感を発揮できた要因とは

 1-0で迎えた66分、これまで攻撃が課題とされていた冨安健洋が遂にゴールに絡む。

 CBのベン・ホワイトから右サイドのライン際でボールを受けた冨安が、ダイレクトで浮き球のパスを前線に供給。直前に負傷のサカに代わって投入されたガブリエウ・マルティネッリがこれをボレーで合わせて、アーセナルが追加点を奪うことに成功した。

 見事なダイレクトプレーの連発でゴールに絡んだ冨安。アシストの場面以外にも、今節ニューカッスル戦では試合を通じてシュート3本、キーパス3本、クロス5本と攻撃面で今季最高のパフォーマンスを披露した。(データは『SofaScore』を参照)

 冨安がこれだけ攻撃面で存在感を発揮できた要因は、対峙したサン=マクシマンの守備とアーセナルの右WGのポジショニングにあった。

 31分に冨安カットインから左足でシュートを放ったシーンと45+1分にスミス=ロウへとクロスが渡ったシーンを見れば明らかなのだが、守備意識の低いサン=マクシマンは冨安を完全にフリーにしてしまっている。

 右WGで先発出場したサカと交代で入ったマルティネッリは、いずれも中央に絞ってプレーしており、サン=マクシマンの守備が遅れた場合、冨安がかなりの頻度で大外のラインでフリーとなって攻撃参加することができていた。

高評価も、新たに指摘された課題とは…

 ニューカッスルの攻撃のキーマンであるサン=マクシマンを完封した上に1アシストを記録した冨安健洋。前述した通り、シュート3本、キーパス3本、クロス5本と課題とされていた攻撃面で今季最高のパフォーマンスを披露した。

 これらの活躍から、地元紙『London Evening Standard』では、「アーセナル加入以降、冨安は最高のパフォーマンスだった」と、チーム最高点タイの8点の評価となっている。

 アーセナルのミケル・アルテタ監督も、「マルティネッリの動き出しと冨安のパスは見事だった」とアシストを記録したシーンについて高い評価を与えている。

 だが、冨安には”ある課題”があると、10点満点の採点で6点と及第点に留まった地元紙『Football.London』では評されている。

 それはクロスの精度だ。今節、チーム最多の5本のクロスを上げた冨安だが、成功したのは前半終了間際の1本のみ。シーズンを通じて見ても、10試合でわずか5本のクロス成功に留まっている。アシストという形で結果を残した冨安だが、攻撃面ではまだ改善の余地がありそうだ。

(文:安洋一郎)