10位:元Jリーグ得点王

 100億円を超える移籍金(契約解除金)も珍しくなくなった今日のサッカー界で市場価値の高いJリーガーは誰なのか。今回フットボールチャンネル編集部は、データサイト『transfermarkt』が算出した市場価値ランキングの最新版を紹介する。※市場価値、成績は11月30日時点、価格が並んだ場合の順位はサイトに準拠

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FW:マルコス・ジュニオール(ブラジル/横浜F・マリノス)
生年月日:1993年1月19日(28歳)
市場価値:190万ユーロ(約2.3億円)
2020リーグ戦成績:28試合11得点1アシスト

 マルコス・ジュニオールは横浜F・マリノスで最も高い市場価値を持つ選手とされている。マリノスに加入した2019年にJリーグ得点王に輝き、15年ぶりのリーグ優勝に貢献。アタッキングサードにおける輝きは今季も変わらず、ここまでJ1で9得点5アシストを記録とゴールに絡み続けている。

 ブラジルの名門フルミネンセの下部組織出身で、全国選手権では6シーズンで139試合に出場した。ブラジルの世代別代表でもプレーした経験もある。167cmとひと際小柄だが、繊細なボールタッチと両足から繰り出される多彩なキックが魅力。アンジェ・ポステコグルー監督就任2年目の19年、マリノスは多くの新加入選手を迎えたが、その1人がマルコス・ジュニオールだった。

 序盤は左サイドや1トップなど様々なポジションを経験したが、トップ下に固定された中盤以降の輝きは圧巻だった。漫画『ドラゴンボール』の登場人物であるクリリンに風貌がそっくりで、「かめはめ波」のゴールパフォーマンスは名物に。市場価値はフルミネンセ時代とマリノスで得点王を獲得した19年12月の250万ユーロ(約3億円)が最高値。市場価値の高さがJリーグ屈指のチャンスメイカーであることを証明している。

9位:衝撃のデビューを果たした点取り屋

FW:キャスパー・ユンカー(デンマーク/浦和レッズ)
生年月日:1994年3月5日(27歳)
市場価値:200万ユーロ(約2.4億円)
2020リーグ戦成績:25試合27得点11アシスト(FKボデ/グリムト)

 今年4月1日に浦和レッズへの加入合意が発表されたキャスパー・ユンカーは前半戦の救世主となった。公式戦デビューとなった翌月5日のルヴァンカップではわずか9分で初ゴールを記録。続く9日にはリーグ戦初出場で初ゴールを記録している。デビューから公式戦9試合9得点という活躍を見せ、5月のリーグ月間MVPにも選出された。端正なルックスを持つ長身ストライカーが信頼を得るのに時間はかからなかった。

 母国ではさしたる実績を残していなかったが、海外移籍がキャリアを大きく左右した。デンマーク出身のユンカーは2019年夏に母国を離れてノルウェーに渡り、翌年1月にFKボデ/グリムトに加入。27ゴールを挙げて得点王と最優秀選手賞に輝き、昨夏のUEFAヨーロッパリーグ予選ではACミランからゴールを決めている。

 大ブレイクとなった2020年には、市場価値も大きく上昇している。シーズン序盤は47万5000ユーロ(約5700万円)だったが、シーズン終了後には4倍以上となる200万ユーロ(約2.4億円)まで上昇。今夏は欧州主要リーグからも獲得に動いたと報じられ、今オフには国内でも狙うクラブがあるとも報じられている。

8位:常勝軍団の主力となった苦労人

MF:ディエゴ・ピトゥカ(ブラジル/鹿島アントラーズ)
生年月日:1992年8月15日(29歳)
市場価値:220万ユーロ(約2.6億円)
2020リーグ戦成績:27試合1得点3アシスト(サントス)

 今季、鹿島アントラーズにサントスの主力として活躍していたディエゴ・ピトゥカが加わった。南米王者を決めるリベルタドーレスカップでは準決勝でゴールを決め、チームを決勝へと導いている。

 鹿島ではボランチを主戦場に、ゲームメイク役を担う。セットプレーでも威力を発揮する左足のキックが武器で、サイドバックやサイドハーフでもプレーできる万能性を備えている。社会情勢の影響で来日が遅れ、序盤戦は途中出場が続いていたが、後半戦はほとんどの試合で先発起用されている。

 20代前半のほとんどを下部リーグで過ごした苦労人だったが、サントスでその才能が全国に知れ渡った。最高額は鹿島加入時で、28歳だったにもかかわらず市場価値は240万ユーロ(約2.9億円)となっている。得点やアシストといった数字に表れないところに対する評価も高く、そういった部分が市場価値に反映していると考えていいだろう。

7位:世界が知るMF

MF:アンドレス・イニエスタ(スペイン/ヴィッセル神戸)
生年月日:1984年5月11日(37歳)
市場価値:230万ユーロ(約2.8億円)
2020リーグ戦成績:24試合4得点6アシスト

 ヴィッセル神戸在籍4年目を迎えたアンドレス・イニエスタ。5月には37歳となったが、その技術は今もトップレベルだ。10月2日の浦和レッズ戦ではGKの逆を突く芸術的なFK弾を決めるなど、今季も存在感を放っている。

 言わずと知れたバルセロナのレジェンドで、9度のリーグ優勝と4度のUEFAチャンピオンズリーグ制覇を経験している。スペイン代表でもユーロ(欧州選手権)連覇に貢献し、2010年のワールドカップでは延長にもつれ込んだ決勝戦で試合を決めるゴールを奪った。卓越したプレービジョンとテクニックは、世界中の人々を魅了し続けている。

 市場価値が最も高かったのは、ユーロ連覇を成し遂げた直後の2012年8月で、7000万ユーロ(約84億円)だった。神戸に加入したときは1000万ユーロ(約12億円)で、34歳という年齢を考えれば突出した金額と言えるだろう。37歳を迎えた現在も、Jリーグではトップレベルの市場価値を持っている。

6位:Jリーグで復活を目指す男

FW:武藤嘉紀(日本/ヴィッセル神戸)
生年月日:1992年7月15日(29歳)
市場価値:250万ユーロ(約3億円)
20/21リーグ戦成績:26試合1得点2アシスト(エイバル)

 武藤嘉紀は今夏、6年ぶりにJリーグに帰ってきた。2015年夏にFC東京からドイツのマインツに完全移籍。3年後にはニューカッスルへ完全移籍するも、プレミアリーグではわずか1ゴールに終わった。20/21シーズンは再起をかけてエイバルに期限付き移籍するも、公式戦では3得点のみ。ニューカッスルとの契約が満了となった今年8月に、ヴィッセル神戸への加入が発表された。リーグ戦5試合目で初得点を決めると、そこから3試合連続でゴールを記録している。

 慶応大学在学中にJリーグデビューし、FC東京では14年から翌年夏に移籍するまでの1年半で23得点を挙げた。スピードをはじめとする抜群の身体能力が武器。ハビエル・アギーレ監督時代の14年9月に日本代表デビューし、18年のロシアワールドカップにも出場している。

 欧州では酸いも甘いも味わったが、それは市場価値にも表れている。マインツに加入した15年7月は250万ユーロ(約3億円)だったが、ワールドカップに出場し、ニューカッスル加入後の18年8月には1000万ユーロ(約12億円)まで上昇。しかし、その後は下降の一途をたどり、マインツ加入時と同じ250万ユーロまで下がっている。まだベテランと呼ぶには早い年齢であるだけに、Jリーグでの活躍次第では再上昇するかもしれない。