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 パンデミックにより延期を余儀なくされた東京五輪(東京オリンピック)、ユーロ(欧州選手権)、コパ・アメリカ(南米選手権)が行われた2021年も幕を閉じた。今回は、2021年を彩った選手の中から、南米国籍限定のベストイレブンを選定した。(成績は2021年12月26日時点)

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ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン代表)
所属クラブ:インテル
生年月日:1997年8月22日(24歳)
リーグ戦成績:41試合22得点8アシスト
アルゼンチン代表成績:14試合6得点3アシスト

 昨季のセリエAでは17得点10アシストという申し分ない成績を残し、インテルに11年ぶり19回目となるスクデットをもたらした。そしてチームのエースであったロメル・ルカクが退団し、より一層点取り屋としての期待感が増した2021/22シーズンも好調を維持。リーグ戦17試合で得点ランキング4位となる11得点をマークし、インテルを「冬の王者」へと導いている。

 アルゼンチン代表での存在感も非凡なものがあった。コパ・アメリカ2021ではグループリーグ最終節、準々決勝、準決勝と3試合連続でゴールを記録するなど、28年ぶりとなる優勝に大きく貢献。FIFAワールドカップカタール2022・南米予選では2021年内に行われた9試合で3得点3アシストという成績を収めた。まだ24歳と若いストライカーは、今後もゴールネットを揺らし続けてくれるだろう。

リシャルリソン(ブラジル代表)
所属クラブ:エバートン
生年月日:1997年5月10日(24歳)
リーグ戦成績:34試合8得点2アシスト
ブラジル代表成績:9試合2得点1アシスト
五輪代表成績:6試合5得点1アシスト

 今年は“超多忙”だった。昨季エバートンでほぼフル稼働すると、その後休む間もなくブラジル代表としてコパ・アメリカ2021に参戦。同大会では主力として全試合でピッチに立ち、グループリーグ第2節ペルー代表戦では1得点1アシストと大活躍するなど、チームの準優勝に貢献した。そして、そこからオフに入るのではなく、今度は日本へ渡り東京五輪(東京オリンピック)に参戦した。

 4年に一度行われるスポーツの祭典では、グループリーグ第1節U-24ドイツ代表戦でハットトリックといきなり大爆発。同第3節U-24サウジアラビア代表戦でも2得点と結果を残しており、最終的に金メダルを獲得。個人としては大会得点王に輝くなど、エースとしての仕事を全うした。その後エバートンに戻り主力としてプレー。今季ここまでリーグ戦11試合で3得点2アシストを記録している。

MF

ブルーノ・ギマランイス(ブラジル代表)
所属クラブ:リヨン
生年月日:1997年11月16日(24歳)
リーグ戦成績:34試合2得点3アシスト
五輪代表成績:6試合0得点2アシスト

『NEXTファルカン』と称される男の存在価値はどんどん上昇していると言えるだろう。2020/21シーズンでキャリアハイとなるリーグ戦3得点をマーク。2021/22シーズンは、こちらもキャリアハイとなるリーグ戦3アシストをすでに記録中だ。また、9月に行われたFIFAワールドカップカタール2022・南米予選のチリ代表戦では、ブラジル代表として初めてのスタメン出場を果たすことになった。

 今年最大のハイライトは東京五輪(東京オリンピック)だ。非凡なパススキルと南米出身選手らしい激しい守備を武器に中盤で躍動し、過密な日程の中6試合で594分間プレー。最終的に2つのアシストを記録するなど、チームの金メダル獲得に大きく貢献することになった。大会後には「僕にバケーションはないよ!」と発言し、リヨンに戻ってすぐ練習に参加するなど、とにかくタフだった。

ロドリゴ・デ・パウル(アルゼンチン代表)
所属クラブ:アトレティコ・マドリード
生年月日:1994年5月24日(27歳)
リーグ戦成績:23試合6得点8アシスト(ウディネーゼ)
リーグ戦成績:17試合0得点2アシスト(アトレティコ・マドリード)
アルゼンチン代表成績:15試合2得点2アシスト

 キャプテン、そして10番としてプレーしたウディネーゼでは、2021年内のリーグ戦23試合で6得点8アシストと十分すぎる成績を収めた。そして夏に移籍金3500万ユーロ(約42億円)でアトレティコ・マドリードへとステップアップすると、同じアルゼンチン人のディエゴ・シメオネ監督の元でレギュラーに定着。チャンピオンズリーグ(CL)ベスト16入りなどに貢献している。

 アルゼンチン代表では今や絶対的な存在となっており、夏のコパ・アメリカ2021では6試合に出場。ブラジル代表とのファイナルではアンヘル・ディ・マリアの決勝ゴールをお膳立てするなど、母国の優勝へ高い貢献度を誇っていた。さらに、FIFAワールドカップカタール2022・南米予選では2021年内に行われた全試合でスタメン出場を達成。チームに本大会行きの切符をもたらしている。

リオネル・メッシ(アルゼンチン代表)
所属クラブ:パリ・サンジェルマン
生年月日:1987年6月24日(34歳)
リーグ戦成績:21試合23得点8アシスト(バルセロナ)
リーグ戦成績:11試合1得点5アシスト(パリ・サンジェルマン)
アルゼンチン代表成績:16試合9得点5アシスト

 今年で34歳となったが、やはり『世界最高の選手』ということに変わりはなかった。バルセロナではリーグ戦30得点15アシストと圧倒的な数字を残し、ラ・リーガ史上最多となる8回目の得点王を獲得した。その後バルセロナからパリ・サンジェルマン(PSG)へ電撃移籍。リーグ・アンではやや苦戦を強いられたものの、チャンピオンズリーグ(CL)では5試合で5得点とさすがの存在感を示した。

 ただ今年はなんと言ってもアルゼンチン代表での活躍だろう。コパ・アメリカ2021では主将としてチームを牽引し、4得点5アシストを記録。悲願の代表初タイトルを自らの手で手繰り寄せ、大会MVP、大会得点王、そして大会ベストイレブンに選出と個人タイトルも総なめとした。その活躍が大きく、11月には史上最多7度目となるバロンドールを獲得。サッカー界の歴史に新たな1ページを刻んだ。

ルイス・ディアス(コロンビア代表)
所属クラブ:ポルト
生年月日:1997年1月13日(24歳)
リーグ戦成績:36試合15得点6アシスト
コロンビア代表成績:15試合6得点0アシスト

 リバプールやバイエルン・ミュンヘンといったビッグクラブが狙っていると噂される24歳のアタッカーだ。コロンビア代表として臨んだ夏のコパ・アメリカ2021では左サイドのファーストチョイスとしてプレー。3位決定戦、ペルー代表戦の2ゴールなど全4得点をマークしてリオネル・メッシらと共に得点王に輝き、コロンビア代表からは唯一となる大会ベストイレブンに名を連ねることになった。

 2019年から在籍するポルトではこれまでリーグ戦6得点5アシストがキャリアハイとなっていたが、今季はすでに大幅更新している。ここまで2021/22シーズンのリーグ戦15試合を消化したが、直接得点に絡まなかった試合はわずか3つ。12得点4アシストという圧倒的な成績を残し、得点ランキングではダルウィン・ヌニェスに次ぐ2位につけているのだ。この調子が年明けも続くかは要注目である。

DF

マウリシオ・イスラ(チリ代表)
所属クラブ:フラメンゴ
生年月日:1988年6月12日(33歳)
リーグ戦成績:15試合0得点3アシスト
チリ代表成績:14試合1得点1アシスト

 かつてユベントスでもプレーしたDFは今年で33歳となったが、まだまだ元気である。チリ代表では相変わらずレギュラーの座を築いており、FIFAワールドカップカタール2022・南米予選では2021年内に行われた10試合中9試合に出場。夏のコパ・アメリカ2021では全試合でフル出場を達成し、チリ代表からは唯一となる大会ベストイレブンに名を連ねることになっている。

 また、所属するフラメンゴでも印象的な活躍を披露した。コパ・リベルタドーレスでは13試合中11試合でスタメン出場。バルセロナSCとの準決勝1stレグではスタジアムから「イスラ・コール」が沸き起こっていたなど、クラブの準優勝に大きく貢献している。その活躍もあり、ウルグアイ紙『エル・パイス』が選定する2021年の南米年間ベストイレブンの候補に名を連ねることになった。

ジエゴ・カルロス(ブラジル)
所属クラブ:セビージャ
生年月日:1993年3月15日(28歳)
リーグ戦成績:36試合3得点0アシスト
五輪代表成績:6試合0得点0アシスト

 ビッグクラブも注目するセビージャ所属のセンターバックは今年、大忙しだった。昨季はクラブで高い稼働率を誇りチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に貢献すると、夏には日本へ飛びオーバーエイジとして東京五輪(東京オリンピック)に参加。タイトなスケジュールの中で全試合フル出場を達成するなどダニエウ・アウベスらと共にチームを牽引し、金メダル獲得の立役者となった。

 そして日本での激闘を終えて所属クラブに戻ると、すぐにCBのファーストチョイスとしてプレー。今季リーグ戦18試合を消化した時点で欠場したのは累積警告による第9節セルタ戦のみとなっているなど疲労による長期離脱をすることもなく、セビージャのラ・リーガ2位という好成績での年越しに大きく貢献した。来年も引き続き活躍が求められる。

チアゴ・シウバ(ブラジル代表)
所属クラブ:チェルシー
生年月日:1984年9月22日(37歳)
リーグ戦成績:28試合2得点1アシスト
ブラジル代表成績:9試合0得点0アシスト

 今年で37歳とサッカー界では大ベテランの域にいるが、ピッチに立った際の頼もしさは今なお健在である。昨年夏にパリ・サンジェルマン(PSG)からチェルシーに移るとすぐに主力となり、ゲームキャプテンとしても存在感を誇示。そして今年5月には、ミラン時代にもPSG時代にも成し遂げられなかったチャンピオンズリーグ(CL)制覇を経験することになった。迎えた2021/22シーズンも重要なピースとして高い稼働率を誇っており、多くの勝利をサポーターにプレゼントしてきた。

 また、今年はブラジル代表での活躍ぶりも印象的だった。CL制覇後すぐにコパ・アメリカ2021に参戦。5試合でフル出場を果たすなどリーダーとしてスター軍団をまとめ上げ、ファイナル進出に大きく貢献している。また、FIFAワールドカップカタール2022・南米予選でも母国を牽引し、見事カタール行きの切符をもたらすことになった。

マルコス・アクーニャ(アルゼンチン代表)
所属クラブ:セビージャ
生年月日:1991年10月28日(30歳)
リーグ戦成績:34試合2得点5アシスト
アルゼンチン代表成績:11試合0得点0アシスト

 昨年夏にスポルティングCPから1125万ユーロ(約13.5億円)という移籍金でセビージャに加入した。これが自身にとって初の5大リーグ挑戦だったが、非凡なフィジカルとドリブルでの推進力などを武器に左サイドバックのファーストチョイスに定着。1年目でチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に貢献し、迎えた2021/22シーズンはDFながらすでにラ・リーガで1得点3アシストをマークしている。

 そして今年はクラブだけでなく、アルゼンチン代表でも確かな存在感を示した。夏のコパ・アメリカ2021では母国の28年ぶりとなる優勝に貢献。ファイナルの試合終了後には真っ先に主将リオネル・メッシの元へと駆け寄った。またFIFAワールドカップカタール2022・南米予選でもレギュラーとして奮闘。9月〜11月に行われた7試合中6試合に出場し、実に5試合でクリーンシートに貢献していた。

GK

エミリアーノ・マルティネス(アルゼンチン代表)
所属クラブ:アストン・ヴィラ
生年月日:1992年9月2日(29歳)
リーグ戦成績:41試合54失点
アルゼンチン代表成績:14試合4失点

 数年前までスポットライトを浴びるような存在ではなかったが、今では誰もが認めるワールドクラスのGKとなった。アーセナルで評価を高め移籍したアストン・ヴィラでファーストチョイスに君臨し、昨季はフル稼働、今季もここまでほぼ全ての試合でゴールマウスを守っている。また今年にはアルゼンチン代表デビューも果たしており、早くも正守護神に定着した。

 夏のコパ・アメリカ2021では全7試合中6試合に出場し、4度のクリーンシートを達成するなどアルゼンチン代表の28年ぶりとなる優勝に大きく貢献。個人としては大会ベストイレブンに選出された。さらにFIFAワールドカップカタール2022・南米予選でも活躍し、母国に本大会行きの切符をもたらしている。あのリオネル・メッシから「世界最高のGKの一人」と評されたのも当然の結果だろう。

フォーメーション

▽GK
エミリアーノ・マルティネス

▽DF
マウリシオ・イスラ
ジエゴ・カルロス
チアゴ・シウバ
マルコス・アクーニャ

▽MF
ブルーノ・ギマランイス
ロドリゴ・デ・パウル
リオネル・メッシ
ルイス・ディアス

▽FW
ラウタロ・マルティネス
リシャルリソン