ブラジル代表の将来のディフェンスリーダー

 キリアン・ムバッペやアーリング・ハーランドを筆頭に、世界には数々の若きスター選手が存在する。既にトップチームで頭角を現し、世界中に認知されている選手もいるが、まだまだこれから出てくる逸材も数多くいる。ここでは、今まさに頭角を現しつつある若手選手をピックアップ。今回は20歳以下の選手を対象にブラジルの逸材5人を紹介する。(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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DF:カイキ・フェルナンデス(サントス)
生年月日:2004年1月12日(17歳)
昨季リーグ戦:15試合0得点0アシスト(ブラジル・セリエA)
市場価値:800万ユーロ(9.6億円)

 17歳という若さで名門サントスのレギュラーとしてプレーするカイキ・フェルナンデスは将来の成功を約束された選手と言っても過言ではない。年齢を感じさせない完成度の高いCBで身長は186cmとフィジカル的にも恵まれている。また、ブラジルの年代別代表では各世代で主将を務めており、リーダーシップにも優れている選手だ。

 サントスのアンダーカテゴリーを飛び級で昇格すると21年2月にトップチームデビュー。シーズン途中にハムストリングの負傷によって長期離脱も余儀なくされたが、デビューまもなく3-4-3の右CBのレギュラーに定着した。コパ・リベルタドーレスでは全10試合に先発起用されており、サントスが契約解除金を7000万ユーロ(約84億円)に設定していることからもその期待度の高さが伺える。

ドリブルが魅力の「攻撃的ボランチ」

MF:ダニーロ(パルメイラス)
生年月日:2001年4月29日(20歳)
昨季リーグ戦:22試合2得点1アシスト(ブラジル・セリエA)
市場価値:1800万ユーロ(21.6億円)

 パルメイラスは2020年から2021年にかけてコパ・リベルタドーレス2連覇を達成しているが、その中で20歳のダニーロの働きは見事だった。2020年大会は13試合中11試合、2021年大会は全13試合に出場しており、国内リーグとの過密日程という難しい状況でフル稼働の活躍を披露。パルメイラスでは39歳のベテラン、フェリペ・メロがCBで起用されることが増えてきており、代わりにダニーロがボランチの定位置を確保している。

 一般的な守備的MF同様に守備時は相手DFからボールを奪取するプレーが目立つが、前線でボールを受けると持ち前の攻撃センスを存分に見せつける。特に右サイドでボールを受けるとより持ち味を発揮し、FW顔負けのテクニックを武器にレフティならではのカットインから多くの好機を演出。積極的にドリブルで仕掛けるその姿はWGの選手にしか見えない。現代サッカーにおいてはボランチの選手にもボール保持時に機動力を求められているので、近い将来にも争奪戦となる可能性が高いだろう。

初の欧州移籍を果たした「カフー2世」

DF:ヴァンデルソン(モナコ)
生年月日:2001年6月21日(20歳)
昨季リーグ戦:30試合3得点2アシスト(ブラジル・セリエA)
市場価値:850万ユーロ(10.2億円)

 ヴァンデルソンは元ブラジル代表DFカフーやダニエウ・アウヴェスとも比較される期待の右SBだ。グレミオの下部組織出身で20年12月にトップチームデビューを飾ると、続く2021シーズンは開幕からスタメンに定着。スピードを活かしたドリブル突破とクロス精度に定評があり、デビューから半年弱でアーセナルやACミランからの関心が寄せられた。

 結果的にヴァンデルソンは2021シーズンに公式戦52試合に出場し、瞬く間にブラジルで注目を集める選手となった。一方でグレミオはリーグ戦で17位に終わり、17年ぶり3度目の2部降格が決定。こうした背景もあり、今冬に多くのクラブがヴァンデルソン獲得に興味を示し、結果的にフランス、リーグ・アンのモナコへと完全移籍を果たした。ジブリル・シディベ、ルベン・アギラールとライバルは強力だが、初の欧州移籍で結果を残すことはできるのだろうか。

シティが引き抜いた「NEXTネイマール」

FW:カイキ(マンチェスター・シティ)
生年月日:2003年6月11日(18歳)
昨季リーグ戦:11試合0得点0アシスト(ブラジル・セリエA)
市場価値:1400万ユーロ(16.8億円)

 2021年4月、マンチェスター・シティは当時17歳だったカイキをフルミネンセから1000万ユーロ(約12億円)という高額な移籍金で獲得することに合意した。利き足は左だが「NEXTネイマール」と期待される逸材で、細かいタッチと相手の逆を突くドリブルでチャンスを演出するアタッカーだ。

 獲得が合意された21年4月時点では2021シーズン終了後の22年1月にシティに合流する予定だったが、その予定を半年早めて21年9月にチームに合流。U-23チームでは既に結果を出しており、プレミアリーグでも2試合でベンチ入りを果たしている。今後はジローナやトロワなどのシティグループのクラブ、もしくは労働許可証が下りていることを踏まえるとEFL(2部以下)のクラブへローン移籍することが濃厚だろう。

ペレとネイマールを上回る若さでプロデビューを飾った超逸材

FW:アンジェロ・ガブリエル(サントス)
生年月日:2004年12月21日(17歳)
昨季リーグ戦:19試合0得点0アシスト(ブラジル・セリエA)
市場価値:1000万ユーロ(12億円)

 アンジェロ・ガブリエルは名門サントスの下部組織出身で、20年10月に15歳と10ヶ月4日という異例の若さでトップチームデビューを飾った。この年齢でのデビューはクラブのレジェンドである王様ペレやネイマールより早く、1958年に14歳と11ヶ月6日でデビューを飾った元ブラジル代表MFコウチーニョに次ぐ最年少記録である。

 2021シーズン、開幕からリーグ戦での出場機会こそ限定的だったが、コパ・リベルタドーレスでは多くの試合でスタメン起用された。4月に行われたサン・ロレンソ戦でトップチーム初ゴールを記録。16歳3ヶ月16日でのゴールは1960年から60年以上続くコパ・リベルタドーレスの歴史上、最年少での得点となった。こうしたカップ戦で着実に結果を残すと、徐々にリーグ戦でも起用頻度が増え、シーズン終盤は13試合連続で試合に出場。既にリバプールやレアル・マドリードが獲得に関心を寄せているこの超逸材は17歳となった今年、どのようなプレーを魅せてくれるのだろうか。