日本のホープ

 キリアン・ムバッペやアーリング・ハーランドを筆頭に、世界には数々の若きスター選手が存在する。既にトップチームで頭角を現し、世界中に認知されている選手もいるが、まだまだこれから出てくる逸材も数多くいる。ここでは、今まさに頭角を現しつつある若手選手をピックアップ。今回は20歳以下の選手を対象に日本の逸材5人を紹介する。(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

———————————-

MF:藤田譲瑠チマ(U-23日本代表/横浜F・マリノス)
生年月日:2002年2月16日(19歳)
昨季リーグ戦:28試合1得点1アシスト(徳島ヴォルティス)
市場価値:50万ユーロ(6000万円)

 ナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた藤田譲瑠チマは、ジュニアユースから東京ヴェルディに在籍。2019年8月にトップチームに2種登録されると、11月に行われたJ2リーグ第41節の徳島ヴォルティス戦でトップチームデビューを果たした。

 同年に行われたU-17W杯に出場した藤田は、2020年に正式にトップチームに昇格。同シーズンの開幕戦でフル出場を果たすと、そのまま定位置を確保し、リーグ戦41試合に出場した。凄まじいスピードで成長するこのMFは、2021年1月に徳島ヴォルティスに移籍すると、東京五輪直前合宿のトレーニングパートナーにも名を連ねた。

 豊富な運動量や的確なパススキルだけでなく、高いサッカーIQと戦術理解度を持ち合わせる藤田は、徳島でも開幕からレギュラーに定着。昨季はリーグ戦28試合に出場し、第36節のFC東京戦では豪快なJ1初ゴールを突き刺した。パリ五輪世代の中心となり得るこのMFは、さらなるステップアップとして昨季リーグ2位の横浜F・マリノスへの移籍を果たしている。日本のホープとも呼べるこの男のプレーから目が離せない。

日本屈指の超逸材

MF:荒木遼太郎(日本代表/鹿島アントラーズ)
生年月日:2002年1月29日(19歳)
昨季リーグ戦:36試合10得点7アシスト
市場価値:55万ユーロ(6600万円)

 ロアッソ熊本のジュニアユースで頭角を現した荒木遼太郎は、ユース昇格ではなく高校進学を決断した。東福岡高校でもずば抜けた才能を発揮した荒木は、2018年に行われたAFC U-16選手権に出場。主力として優勝に貢献すると、卒業後に鹿島アントラーズに加入した。

 卓越したテクニックとパススキルを兼ね備える荒木は、1人で局面を打開できるだけでなく、相手の弱点を突くパスで決定機を演出することもできる。ゴール前で常に相手の脅威となるこのFWの実力は、すでにJリーグ屈指だ。

 プロ1年目から鹿島アントラーズで不動の存在となった荒木は、昨季リーグ戦36試合で10得点7アシストを記録。19歳にして圧巻の活躍を見せ、Jリーグベストヤングプレーヤーとなった。今月21日に行われるキリンチャレンジカップ2022に臨む日本代表にも選出された同選手は、将来を期待される日本の至宝だ。

パリ五輪世代のエース

FW:斉藤光毅(U-20日本代表/ロンメルSK)
生年月日:2001年8月10日(20歳)
今季リーグ戦:13試合3得点1アシスト
市場価値:100万ユーロ(1.2億円)

 横浜FCが生んだ逸材、斉藤光毅は各世代別代表で圧巻の活躍を見せてきた。2017年に出場した U-16インターナショナルドリームカップでは、3試合4得点を記録。第3節のギニア戦ではハットトリックを決めてU-16日本代表を優勝に導き、自身は得点王と大会MVPに輝いた。

 その活躍から同年に行われたFIFA U-17W杯に出場するメンバーにも選出された。翌年行われたAFC U-19選手権に最年少で選出された斉藤は、グループリーグ3試合連続得点。ベスト8進出に大きく貢献した。さらに、2019年に行われたFIFA U-20W杯にも出場。グループリーグ第3節のU-20イタリア代表戦で負傷により途中交代となったが、決勝トーナメント進出に貢献した。
 
 Jリーグでも横浜FCの主力となり、2020シーズンのリーグ戦32試合に出場した斉藤は、2021年にベルギーのロンメルSKに加入。トップチームデビューから約2年で欧州リーグに移籍を果たした。ロンメルSKでもすぐに出場機会を得た斉藤は、今季の開幕戦から2試合連続ゴール。スタメンの座を勝ち取ると、ここまで3得点1アシストを記録している。パリ五輪世代のエースとなるこのFWは、将来を大きく期待される逸材だ。

Jリーグ屈指の潰し屋

MF:松岡大起(日本代表/清水エスパルス)
生年月日:2001年6月1日(20歳)
昨季リーグ戦:
21試合0得点2アシスト(サガン鳥栖)
15試合0得点0アシスト(清水エスパルス)
市場価値:75万ユーロ(9000万円)

 サガン鳥栖の下部組織出身の松岡大起は、2018年に行われた天皇杯2回戦・多度津FC戦でトップチームデビュー。17歳にして公式戦初出場を果たすと、翌年3月に行われたJリーグ第2節のヴィッセル神戸戦でJ1デビューを果たした。

 同年6月にクラブ史上初となる高校3年生でのトップチーム昇格を果たした松岡は、1年目からリーグ戦23試合に出場。豊富な運動量と高いボール奪取能力を兼ね備えるこのMFは、J1デビュー後すぐにスタメンの座を勝ち取り、18歳にして不動の存在となった。

 昨季も開幕戦からスタメン出場し、チームの躍進の原動力となった。しかし、2021年8月に清水エスパルスに移籍。新天地でもすぐにスタメンの座を確保し、不動の存在となった松岡は、今月21日に行われるキリンチャレンジカップ2022に臨む日本代表に選出されている。着実に経験を積み、成長著しいこの20歳MFは、瞬く間にJリーグ屈指の選手となるだろう。

安定感抜群の逸材MF

MF:山本理仁(U-23日本代表/東京ヴェルディ)
生年月日:2001年12月12日(20歳)
昨季リーグ戦:30試合1得点0アシスト
市場価値:60万ユーロ(7200万円)

 幼少期から東京ヴェルディの下部組織に在籍した山本理仁は、2019年5月に行われたV・ファーレン長崎戦でJ2リーグ初出場。17歳にしてトップチームデビューを果たした。すると、同シーズンの第17節以降はスタメンに定着している。

 ボランチやサイドバック、さらにはセンターバックと複数のポジションをこなすことが出来る山本は、ルーキーとは思えない落着きを見せる。ユース在籍時に永井秀樹監督から「中村俊輔を超える」と評され、冷静な状況判断と正確なパスで試合をコントロールできる同選手は、瞬く間に不動の存在となった。

 2020年8月に行われた京都サンガF.C.戦では見事なコントロールシュートを突き刺し、プロ初ゴールを記録。プレーしているのはJ2だが、そのユーティリティ性と安定したプレーはまさにJリーグ屈指だ。近いうちにJ1クラブ、いや欧州のクラブへ移籍しても不思議ではない。