ベルギー1部リーグ所属のシント=トロイデンVV(STVV)は11日、元日本代表MF香川真司の加入内定記者会見を行った。

 香川は昨年1月からギリシャ1部リーグのPAOKテッサロニキに在籍していたが、今季は外国籍枠などの関係で事実上の戦力外に。そして昨年12月に双方合意のもとでPAOKとの契約を解除し、無所属となっていた。

 そんな中、STVVの立石敬之CEOから獲得オファーが届き「思いであったり情熱であったりを感じましたし、そして何よりもそこでプレーしたいという気持ちになった」と加入を決断。香川にとってキャリア初のベルギーリーグ参戦が決まった。

 昨年はDF長友佑都やDF酒井宏樹、FW大迫勇也など長くヨーロッパでプレーしていた日本代表選手たちがJリーグに復帰し、大きな話題となった。そして、古巣セレッソ大阪からの関心が一部メディアで報じられるなど、香川にもJリーグ復帰の噂が絶えなかった。

 ボルシア・ドルトムントやマンチェスター・ユナイテッドなどでプレーしてきた日本代表の“元10番”は「昨年夏にJリーグに復帰する選手も増えて非常に盛り上がっているなか、僕自身も正直考えるところはありました」と明かす。

 それでもヨーロッパで挑戦を続ける決断に至ったのは「ヨーロッパに残ってチャレンジしたい気持ちの方がシンプルに上回った」から。選手として常に成長し続けることへの意欲が、香川をSTVV移籍へと突き動かした。

「海外で本当にたくさんの経験をさせてもらいました。いいこともそうですし、どちらかというと悪い経験、うまくいかないことが多く、厳しい壁にぶち当たることが大半でしたけど、その都度その壁を乗り越えてやってきたと思うし、だからこそ厳しい逆境が人を大きく成長させるというのを僕は体現してきたと思うので、今回もそれに打ち克たなければいけない。

自分自身、今の状況では終われない。昨年1年の悔しさを非常に強く感じていますので、これを(乗り越えられると)自分自身の力でまた証明していくしかないかなと。何よりその環境がヨーロッパにはあると強く感じていますので、だからこそ僕はそこでチャレンジしたいし、そこでの成長度は非常に大きなものがあると経験しているので、これからもそういうチャレンジを続けていきたいと思います」

 PAOKでは昨季後半戦にリーグ戦5試合と国内カップ戦3試合に出場したものの、プレーオフでは一度も出番を与えられなかった。今季はUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ予選で3試合、リーグ開幕戦で1試合に出場したものの、昨年9月下旬以降は公式戦から遠ざかっている。ゆえに香川は「ただ単純にプレーしたい。そして自分の力を改めて証明したい気持ちが非常に強い」と、新たな環境での挑戦に意欲を燃やしている。

 そして「今年はワールドカップイヤーでもあるので、そこの目標は常に持っています。この1年の成績、自分のパフォーマンスは経験上、非常に重要視されてくると思っているので、そこは自分に非常に期待しています」と、日本代表復帰とカタールワールドカップへの強い思いも口にした。

 香川は13日にベルギー入りし、現地でのメディカルチェックを経てSTVVとの正式契約を締結する見込みとなっている。背番号も現地入りしてから発表される予定だ。試合でプレーできるコンディションを取り戻し、ベルギーリーグで躍動する香川の姿を楽しみにしたい。

(取材・文:舩木渉)