19歳で42億円の価値!

 キリアン・ムバッペやアーリング・ハーランドを筆頭に、世界には数々の若きスター選手が存在する。既にトップチームで頭角を現し、世界中に認知されている選手もいるが、まだまだこれから出てくる逸材も数多くいる。ここでは、今まさに頭角を現しつつある若手選手をピックアップ。今回は20歳以下の選手を対象にオランダの逸材5人を紹介する。(ポジションは主に所属クラブのもの、市場価格は『transfermarkt』を参考)。

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MF:ライアン・フラーフェンベルフ(オランダ代表/アヤックス)
生年月日:2002年5月16日(19歳)
今季リーグ戦成績:18試合1得点2アシスト
市場価値:3500万ユーロ(約42億円)

 世界屈指の才能の宝庫として知られるオランダの名門アヤックスで、今最もビッグクラブの視線を集めているのがこの男と言えるだろう。2002年生まれの19歳という若さだが、すでにオランダ代表の常連メンバーであり、昨夏のユーロ2020(欧州選手権)にも出場。その市場価値は現在で3500万ユーロ(約42億円)となっている。

 2010年にアヤックスのアカデミーに入団すると、メキメキと進化。2018年、16歳の時には同アカデミーで最高の才能に与えられる「アブドゥルハーク・ヌーリ・トロフィー」を初受賞した。そして同年にはアヤックスとプロ契約を締結。16歳130日でエールディビジデビューを果たし、クラブOBであるクラレンス・セードルフの持っていた史上最年少記録(16歳242日)を更新した。昨季からは主力に完全定着しており、試合を重ねるごとに逞しく成長している。

 身長190cmという申し分ない体格を誇っているが、パワーよりも技術で存在感を示す選手。狭いエリアでボールを受けてコントロールし、味方にパスを捌いてリズムを生み出す能力が抜群に高いのだ。その姿はフランス代表MFポール・ポグバにそっくりであり、実際同選手と比較されることが非常に多い。今後しばらく、サッカー界を引っ張っていってくれるだろう。

元Jリーガーの父を持つ神童

MF:シャビ・シモンズ(U-19オランダ代表/パリ・サンジェルマン)
生年月日:2003年4月21日(18歳)
今季リーグ戦成績:1試合0得点0アシスト
市場価値:150万ユーロ(約1.8億円)

 かつて京都パープルサンガでもプレーした経験があるレジリオ・シモンズを父に持つオランダの神童だ。2010年にバルセロナのユースチームに加入するとその才能を余すことなく発揮してレベルアップし、チェルシーやレアル・マドリードといったクラブからも狙われるように。また、13歳の頃には『ナイキ』とスポンサー契約を結んでいるなど、早くから“異常”なほどの注目を浴びていた。

 2019年夏には活躍の場をバルセロナからフランスの絶対王者パリ・サンジェルマン(PSG)へと移している。昨年2月のクープ・ドゥ・フランスでトップチームデビューを飾っており、その2ヶ月後にはリーグ・アンデビューを果たした。今季はUEFAユースリーグで6試合3得点6アシストを記録と爆発。トップチームでは、クープ・ドゥ・フランスのヴァンヌ戦で初アシストをマークしている。

 本人が憧れるのはバルセロナのレジェンドであるシャビ・エルナンデスだが、そのプレースタイルは元スペイン代表MFとはやや異なる。ドリブル、パス、テクニックのすべてが高水準だが、運動量豊富に広範囲をカバーし果敢にゴール前へも飛び出していくなど、よりアグレッシブなMFなのだ。そのため、オランダ代表の先輩であるフレンキー・デ・ヨングのようと言われることもある。

驚異の攻撃的MF

MF:アントニ・ミランボ(U-17オランダ代表/フェイエノールト)
生年月日:2005年4月3日(16歳)
今季リーグ戦成績:0試合0得点0アシスト
市場価値:100万ユーロ(約1.2億円)

 過去に元日本代表MF小野伸二が在籍したフェイエノールトも、アヤックスと並んで世界屈指の育成クラブとして知られている。そんな同クラブで今、評価を急上昇させているのが、2005年生まれの16歳、アントニ・ミランボ。すでにフェイエノールト史上最高の才能と称されており、マンチェスター・ユナイテッドが早くから動向を追っているとされる驚異の逸材だ。

 フェイエノールトの下部組織に入団したのは9歳の時で、そこから驚異的なペースで階段を駆け上がっていった。U-13からU-18に昇格するまでわずか2年半しかかかっておらず、昨年8月にはUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ予選3回戦2ndレグ、ルツェルン戦でトップチームデビュー。16歳131日での出場は、ジョルジニオ・ワイナルドゥムを抜いてクラブ史上最年少記録となった。

 最も持ち味を発揮しやすいのはトップ下である。右足でボールを操る上手さは抜群で、得点力が高くチャンスを作り出す能力も非凡。それに加え身長180cmの体格を活かしたドリブルでの推進力にも長けている。プレースタイルが近いのは、同じフェイエノールト育ちのワイナルドゥムと言えるだろう。そんな16歳の今後の更なる成長に注目していきたい。

万能DF

DF:デバイン・レンシュ(オランダ代表/アヤックス)
生年月日:2003年1月18日(18歳)
今季リーグ戦成績:10試合1得点2アシスト
市場価値:1000万ユーロ(約12億円)

 マタイス・デ・リフト、スヴェン・ボトマン、ユリエン・ティンバー、ペール・スフールスなど、オランダには将来有望なDFが多く揃っている。その中の一人に、18歳のデバイン・レンシュも名を連ねるだろう。市場価値はすでに1000万ユーロ(約12億円)を記録しており、ユーロ2020(欧州選手権)終了後には嬉しいオランダ代表デビューも果たしている、注目の存在だ。

 レンシュは2016年にアヤックスの下部組織に入団し、順調に成長を遂げてきた。2020/21シーズンのプレシーズンマッチでは当時まだヨング・アヤックス(リザーブチーム)での出場がなかったにも関わらず、トップチームで数分間のプレーを任されている。その後、アカデミーで最も才能のある選手に贈られる「アブドゥルハーク・ヌーリ・トロフィー」を受賞。2020年11月にはエールディビジデビューを果たしており、以降トップチームでコンスタントに出場機会を得るようになった。

 アヤックスアカデミーの責任者であるサイード・ウアーリから「真のアヤックス・ディフェンダー」と評されたレンシュは、サイドバックでのプレーをメインとしてる。勇敢なドリブルで攻撃に厚みをもたらしたり、正確なポジショニングで相手攻撃陣を無力化できることが強みだ。また、SBだけでなくセンターバックや中盤の底も問題なく務めるなど実に万能。ちなみにアヤックスのチームメイトで同じくユーティリティーなDFダレイ・ブリントから多くのことを学んでいるという。

アヤックスの宝石

FW:ナジ・ユニュヴァル(U-19オランダ代表/アヤックスU-21)
生年月日:2003年6月13日(18歳)
今季リーグ戦成績:18試合9得点8アシスト
市場価値:300万ユーロ(約3.6億円)

 トルコ系オランダ人のナジ・ユニュヴァルは2011年よりアヤックスのアカデミーに所属しており、将来有望な若手として順調に成長を果たしてきた。2019年にはU-17オランダ代表としてUEFA U-17EURO(欧州選手権)に挑んでおり、全5試合中4試合に出場。決勝のU-17イタリア代表戦でゴールを決めるなど母国の優勝に大きく貢献し、評価を高めることになった。

 まだエールディビジデビューこそ果たしていないが、2019/20シーズンのKNVBカップ、ラウンド16のゲームでトップチームの一員としてプレーした。するとこの試合でいきなりゴールをゲッ了ト。トップデビュー戦で得点を決めたアヤックス史上最年少の選手となっている。そんなユニュヴァルはヨング・アヤックスに在籍する現在絶好調で、今季のエールステ・ディビジ(オランダ2部リーグ)では18試合の出場で9得点8アシストの成績を残している。

「アヤックスの宝石」とも称される同選手は右利きで、左ウイングを主戦場としている。足元の技術力は非常に高く、狭いエリアでも簡単にボールを失うことがとにかく少ない。また今季のリーグ戦成績が示す通り、得点力も高く決定的なパスでチャンスを作り出す能力も備わっている。ちなみにユニュヴァルはかつてアヤックスに在籍していたハキム・ツィエクと比較されることが多い。そんなツィエクについては「彼は素晴らしい選手だと思う」とコメントを残している。