●劇的決勝弾で残留に一歩前進

 ラ・リーガ第37節、マジョルカ対ラージョ・バジェカーノが現地時間15日に行われ、2-1でホームチームが勝利している。これでマジョルカは1試合を残し降格圏を脱出した。しかし、日本代表MF久保建英にとっては厳しい現実にさらされていると言わざるを得ない。(文:小澤祐作)

 負ければ降格の可能性もあるという緊張感漂う試合で、マジョルカは最高の結果を手に入れた。

 前節、強豪セビージャから勝ち点1を奪うことに成功していたハビエル・アギーレ監督は、その試合と同じメンバーをこのラージョ・バジェカーノ戦で送り出していた。かなりの手応えがあった、ということなのだろう。

 マジョルカは立ち上がりラージョにボールを支配されたが、奪ってからのシンプルな縦への攻撃で応戦した。すると13分、左サイドのハウメ・コスタのピンポイントクロスをヴェダト・ムリキが頭で合わせ1点を奪取。第33節アラベス戦以来となる先制点だった。

 しかし、前半は耐えきったマジョルカだったが、60分に痛恨の失点。コーナーキックからパテ・シスにゴールネットを揺らされてしまった。

 その後は残留に向け後がないマジョルカが攻勢を強め、何度もラージョ陣内深くに侵入。しかし、何本かシュートを放つも、肝心のゴールが遠く、気づけば1-1のまま時計の針はアディショナルタイムに差し掛かっていた。

 それでも、ドラマは待っていた。

 92分、右サイドのパブロ・マフェオからクロスが入ると、ファーサイドでアブドン・プラッツがうまくコントロール。最後は左足を振り抜き、遠いサイドのゴールネットを揺らしたのである。

 劇的なゴールで勝ち越したマジョルカは、そのまま2-1で勝利。1試合を残し、残留圏となる17位に浮上している。

●久保建英の評価は…

 そんなドラマチックな展開となったラージョ戦、日本代表MF久保建英はベンチスタートだった。出番が訪れたのは1-1となった直後の64分。期待されたのはもちろん、得点やアシストといった部分だ。

 最終的に久保は目に見える結果を手に入れることは残念ながらできなかった。しかし、パフォーマンス自体はそこまで悪くなかったと言えるだろう。

 決められれば地獄、決めれば天国というシビアな展開の中、久保は落ち着いて試合に入っていた。なかなかボールに触れられない時間帯もあったが、持てば細かいタッチを繰り返しながら相手を引き付け、そこから味方を活かすといったプレーで攻撃のリズムを生んでいた。

 シュートへの積極性も見せた。71分にはCKのこぼれ球を拾い、左足で豪快なシュートを放っている。さらに85分には相手陣内中央でボールを持つと、ドリブルで仕掛け最後は右足でシュート。直近のゲームでは見られないような形だった。

 試合後にアギーレ監督は「選手交代が功を奏した」と話している。その言葉からも、久保はある程度監督の起用に応えられたと言っていいのではないだろうか。

●久保建英にとって厳しい現実。最終節で意地を…

 先述した通り、マジョルカはラージョ戦に勝利したことで降格圏を脱出している。最終節は勝利すれば自力で残留、引き分け以下でも18位カディスの結果次第では残留が決まることになる。

 一時は降格間違いなしとも思われたマジョルカがここまでの粘りを見せているのは素直にすごいことだが、久保個人にとっては厳しい現実になっていると言わざるを得ない。マジョルカはアギーレ体制になって3勝しているが、久保が先発していたのはその中の1試合のみ。スコアレスドローに終わったセビージャ戦も、日本人レフティーはベンチスタートだった。

 さらに、最後に先発したグラナダ戦で2-6と大敗を喫したのも印象が悪すぎる。圧倒的な成績を残せていればまた違ったかもしれないが、久保はここまでリーグ戦1得点のみ。途中起用でも納得するしかないというのが、なんとも厳しいところだ。チームは残留できれば成功かもしれないが、久保の評価は下がる一方である。

 セビージャ戦、ラージョ戦と結果が出たことで、運命の最終節オサスナ戦も恐らくアギーレ監督は同じメンバーを起用してくるだろう。来季へ繋げるためにも、久保には意地を示してほしいところだが…。

(文:小澤祐作)