●まさかの連敗で5位に後退

 プレミアリーグ第37節、ニューカッスル対アーセナルが現地時間16日に行われ、アウェイチームが2-0で敗戦。アーセナルはまさかの2連敗を喫し、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場圏外の5位に後退した。この試合に先発出場した冨安健洋は、38分に負傷。交代を余儀なくされたが、日本代表DFがフル出場できていれば結果は変わったのだろうか。(文:阿部勝教)

「我々は負けるに値した」

 試合後にミケル・アルテタ監督がそう話したように、この日のアーセナルのパフォーマンスは、明らかに低調だった。

 ニューカッスルのハイプレスに苦しみ自陣ですらボールが持てない。セカンドボールも拾えない。アーロン・ラムズデールが前線にロングボールを配球してもすぐにロストするなど、やりたいことは何も出来ず、中堅クラブ対ビッグクラブという立場は、完全に逆転していた。

 データサイト『SofaScore』によると、ニューカッスルのシュート16本に対してアーセナルは11本、ビッグチャンス数は2回に対して0回、タックル成功数は17回に対して15回など、アウェイチームは攻守においてほぼ全てのスタッツで相手を下回った。

 その結果、アーセナルはアウェイで2-0の敗戦。まさかの連敗を喫してしまったことで、トッテナムに抜かれ、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場圏外の5位に後退することとなってしまった。

 一体なぜアーセナルは低調なパフォーマンスに終わってしまったのだろうか。

●アーセナルの穴となったのは

 ニューカッスルの90分通して高いパフォーマンスをみせたこともあるが、”アーセナルがダメだった”という方が正しいだろう。

 自陣で不用意なミスを連発。ニューカッスルにハイプレスを仕掛けられているにも関わらず、緩いパスで何度もインターセプトされていた。8分にはラムズデールの蹴ったボールを相手FWに触られ、あわや失点といった場面すらあった。

 アーセナルはチーム全体のパフォーマンスが低かったわけだが、中でもグラニト・ジャカとモハメド・エルネニーのダブルボランチは穴となっていた。

 ボランチの1人が高い位置までプレスに出ると、そのスペースを突かれてチャンスを作られていた。

 14分の場面がまさにこれだ。CBからパスを受けたジョエリントンにエルネニーが引き出されると、空いたスペースにブルーノ・ギマランイスに入られ、チャンスを作られている。

 また、先制点を決められた場面では、エルネニーのマークが軽率だった。ジョエリントンのマークに付いていたにも関わらず、プレスが遅れ、簡単に振り切られると鋭いクロスを上げられ、オウンゴールを招いてしまっている。これにより対応が遅れると鋭いクロスを上げられ、オウンゴールを招いてしまっている。

 この2人が機能しなかったために、ギマランイスやジョエリントンに自由を与えてしまい、90分間通して主導権を握られたアーセナルは上手く攻撃も機能せず、2-0の敗戦を喫した。

●冨安がいれば…

 直近2試合で冨安健洋は左サイドバックを任されていたが、この試合では右サイドバックでスタメン出場。ニューカッスルのエース、アラン・サン=マクシマンのマークを任された。

 対人守備に定評のある冨安は、プレミア屈指のドリブラー相手に粘り強い守備で何とか付いていき、自由を与えていなかった。

 また、ベン・ホワイトがプレスに出た際は瞬時にカバーに入るなど、試合序盤からバタついたチームを支えていた。しかし、38分にアクシデント発生。冨安は右のハムストリングを抑えながらピッチに倒れ込み、負傷交代となってしまった。

 冨安がピッチを去った後、アーセナルは後半に右サイドからチャンスを作られて2失点を喫したが、日本代表DFがフル出場していたら結果は変わっていたかもしれない。

 データサイト『WhoScored.com』によると、冨安が出場していた38分まではニューカッスルのシュート3本に対してアーセナルは6本をマーク。ボール保持率は29%と相手を下回っていたが、空中戦勝利数とタックル数では相手を上回るなど、カウンターからチャンスを作れていた。

 しかし、冨安が交代して以降は、ニューカッスルのシュート13本に対してアーセナルは5本。ボール保持率は65%と相手を上回ったが、空中戦勝利数とタックル数を相手を下回るなど、戦況が完全に逆転している。

 データを見ても冨安の交代がターニングポイントだったことは明らかだ。プレミアリーグは残すところ後1節。アーセナルは2連敗により、4位トッテナムと勝ち点差「2」の5位となっている。得失点差を考えると、事実上アーセナルがCLに出場するためには最終節に勝利した上で、トッテナムが負ける必要がある。果たしてアーセナルは来季のCL出場権を獲得することができるだろうか。

(文:阿部勝教)