サッカー日本代表は12日、大阪府内で練習を行った。14日にはキリンカップサッカー2022の第2戦、チュニジア代表戦が控えている。

 頼もしい選手がチーム練習に帰ってきた。合宿初日からずっと別メニュー調整となり、3試合連続でベンチ外になっていたDF冨安健洋が11日から全体練習に参加。12日も他の選手たちと同じメニューを全てこなした。

「1月と3月は代表に来られていなかったので、万全の状態で帰ってこられたわけではないですけど、本当にこの場に帰ってきたかったですし、みんなと充実した時間を過ごせているかなと思います」

 12日の練習を前にオンラインで取材に応じた冨安は、昨年11月以来となる日本代表復帰を心から喜んでいるようだった。負傷の影響で複数試合を欠場することになってもチームに残ったのには、彼なりの考えと重要な意味があったとも明かす。

「みんなと一緒に時間を過ごして、ミーティングに入ったり、監督やスタッフとコミュニケーションを取ったりするのも最後まで離脱しなかった理由です。今回のワールドカップは11月にあるので、事前キャンプで長い時間を取れない。今回は(ワールドカップ)直前のキャンプより長い時間が取れるということで、離脱せずに最後までいさせてもらった感じですね」

 2021/22シーズンは負傷に悩まされた。ボローニャ時代も何度か離脱する時期があったものの、プレミアリーグ参戦1年目はふくらはぎや太ももを痛めて長期離脱することに。後半戦はほとんどアーセナルの戦いに貢献できなかった。

 それでも冨安は現状を「ポジティブ」に捉えている。なぜだろうか。

「1月と2月はふくらはぎで、今回はハムストリングでした。ふくらはぎは本当に苦しみましたし、何をしたらいいのかわからない状況でかなりしんどかったです。でも、それでいろいろ試行錯誤して、今回もハムストリングを怪我しましたけど、場所が変わったという意味では、(体の)使うところが変わって、体の使い方などがいい方向に変わっているんじゃないかなと、ポジティブに捉えたいと思っています」

 世界屈指の強度が求められるプレミアリーグに1年目から適応できたものの、高出力でプレーし続けた結果、筋肉系の負傷が続いてしまった。来季以降は繰り返さないために、冨安はもがいている。

「シンプルに1シーズン通してプレーできる状態でなかったので、サッカー選手としてまだまだやらなければいけないことがあると思います。手を抜くわけではないですけど、常に100%、120%の力でやっているところを80%くらいの力でうまくやるというか。

他の選手を見ていると、最後まで(足を)つったりもしないですし、高いインテシティを保ったまま1試合やり切って、それで1シーズンしっかりやり切っている選手ばかり。僕もプレミアリーグ1年目なので、そこは予想はしていて、もちろん他の選手も通っている道です。

次のシーズン、その先も考えると、80%くらいの力でやるには、自分の100%の力が高いレベルにないといけない。手を抜くみたいな感じで捉えてほしくはないんですけど、周りを見ていると、負傷を防ぐ意味でもそうなっていかないといけないなと思っています」

 冨安はアーセナルに移籍して「最初の数試合はかなりしんどかった」と振り返るが、すぐに右サイドバックとして主力に定着。周囲からの評価もすこぶる高く、「だんだんプレミアリーグに慣れてきた感覚を持っていた」中で立て続けにふくらはぎを痛めた。

「そこからは本当に負のサイクルでしたし、復帰して、戦術練習だけやって、試合をやって、また休んで……みたいな感じだったので、次のシーズンに向けてまたしっかり準備していかないといけないなという気持ちでいます」

 実戦復帰は目前まで迫っているが、無理は禁物だろう。14日のチュニジア代表戦でピッチに立てたとしても、約5ヶ月後のカタールワールドカップに向けて再負傷のリスクだけは絶対に避けなければならない。

 森保一監督は冨安の右サイドバック起用も想定しそうだが、ギリギリまで難しい判断を迫られそうだ。

(取材・文:舩木渉)