●ブライトンが今季初黒星

 プレミアリーグ第5節、フルハム対ブライトンが現地時間30日に行われ、2-1でアウェイチームは敗戦した。日本代表MF三笘薫は63分から途中出場。チームは敗れたが、流れを変える圧巻のプレーを見せた。(文:阿部勝教)

 今季のブライトンは、リーグ戦第4節を終えた時点で4位。3勝1敗の無敗と、最高のスタートを切っていたが、今節では昇格組のフルハム相手に前半から苦戦を強いられた。

 ブライトンのグレアム・ポッター監督は、この試合で3-2-3-2というフォーメーションを採用。ビルアップ時には3バックが大きく開き、ハーフスペースにボランチのモイセス・カイセドとアレクシス・マック・アリスターが入る戦術を取っていた。しかし、これがハマらなかった。

 後方でゆっくり回してビルドアップを図るブライトンに対し、4-2-3-1でこの試合に臨んだフルハムは、前線からのプレスを決行。チーム全体が高い位置を維持し、1トップのアレクサンダル・ミトロヴィッチが主導となり、1.5列目の3選手は相手ボランチの2選手をケアしつつ、機を見てミトロヴィッチが追い込んだCBへプレスを行っていた。

 このフルハムの守備により、ブライトンはなかなか相手ゴール前まで運ぶことが出来ず。30分以降は、サイドを起点とした攻撃で何度かチャンスを作ったが、前半はボール保持率54.8%と相手を上回りながらも、シュートはわずか2本に終わってしまった。

 後半に入ってもこの悪い流れは変わらず、48分に先制点を奪われると、55分にはオウンゴール。60分にマック・アリスターがPKを決めて1点を返したが、依然として試合はフルハムペースだった。

 そこで、ポッター監督は63分に三笘薫を投入。すると、日本代表MFが試合の流れを変えた。

●三笘が魅せた圧巻のプレーとは…

 左サイドハーフに入った三笘は、投入直後から圧巻のプレーを連発した。

 68分、三笘がサイドライン際で相手DF2人を引き付けてパスを出すと、オーバーラップしてきたマーチがクロス。左サイドからチャンスを作ると、70分にはレアンドロ・トロサールとのワンツーで抜け出し、相手ゴールに迫った。

 さらに、直後の71分の場面では、パスカル・グロスとのパス交換から、ハーフスペースでフリーになっていたトロサールへラストパス。相手DF間を抜く鋭いパスで決定機を演出すると、78分にはペナルティーエリア手前から、相手DFラインの裏へ抜け出したグロスへのピンポイントクロスを上げるなど、チームが苦戦する中で立て続けにチャンスを作ってみせた。

 レンタルから復帰後まだ間もなく、今季のリーグ戦出場はデビューを飾った第2節から3試合で計27分のみと少ない。だが、チームメイトとの連係に問題は無く、この試合では最も相手の脅威となっていた。これは77分以降、ボールを持った三笘に対して2人でマークを行っていたフルハムの守備を見れば明らかだろう。

 三笘の活躍によりブライトンは息を吹き返したが、その後も得点を奪えず2-1で敗戦。今季初黒星を喫してしまった。

 結果として三笘はチームを勝利に導くことは出来なかったが、現地メディア『デイリー・メール』は、三笘にチーム内で最高タイ評価の「6」を与えている。

 また、この試合では三笘の成長が垣間見えた。

●この試合で見えた三笘の成長とは…

 その成長が垣間見せた点というのが、状況判断の良さと視野の広さだ。

 前述した71分の場面、スムーズなファーストタッチで相手DFの前に出たため、体を入れれば抜けたようにも見えたが、その先にはCBが待ち構えていた。そのため、無理やりドリブルを続けて入れば、ボールを奪われ、カウンターを食らいかねなかった。

 また、78分のシーンでは、相手DFの背後に動き出したグロスを見逃さずにクロスを配球。

 攻撃だけでなく、守備の場面ではむやみに飛び込まず、相手の動きを見てから体を入れてボールを奪うなど、落ち着いた状況判断で的確に対処できていた。

 三笘の最大の武器と言えば、周知のとおりドリブルだ。だが、この試合でドリブルを試みたのは1回のみ。落ち着いた状況判断と視野の広さを活かしたチャンスメイクと、得意のドリブルでプレーに緩急を持たせることが出来れば、三笘は相手にとってより脅威的な存在となり得る。

 この試合で評価が上がったことは間違いないだろう。あとは結果を残すのみだが、果たして初ゴールはいつになるか。今後数試合で結果を残すことが出来れば、定位置確保もそう遠くはないだろう。

(文:阿部勝教)