●念願のCL優勝に向けて大型補強

 2022/23シーズンの移籍市場でも多くの移籍が成立したが、プレミアリーグのビッグクラブはどのような動きをみせたのか。今回はジョゼップ・グアルディオラ監督の下でプレミアリーグ連覇を成し遂げたマンチェスター・シティ補強動向を分析する。(文:安洋一郎)

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 “今季こそクラブに初のビッグイヤーを”

 マンチェスター・シティの今夏の補強からはそんなメッセージが受け取れる。

 補強の目玉は何と言ってもドルトムントから獲得したアーリング・ハーランドだ。父アルフ・インゲ・ハーランドもシティでプレーしており、親子でブルーのユニフォームに袖を通すこととなった。

 このノルウェー人ストライカーはプレミアリーグ開幕6試合で10ゴールを記録しており、そのうち2試合でハットトリックを達成するなど既にチームに欠かせない存在となっている。セルヒオ・アグエロ以降、絶対的なエースが不在だったシティは、最前線の選手が頻繁に中盤に降りてきてゲームを組み立てる0トップを採用するなどチーム全体でゴールを目指すサッカーを展開していたが、早くも新ストライカーの登場でそのスタイルから変わりつつある。毎年のように戦術や人選をアップデートすることでマンネリ化を防いでいるジョゼップ・グアルディオラの手腕はさすがとしか言いようがない。

 一方でチームを去った者もいる。特にインパクトが大きかったのがラヒーム・スターリングのチェルシー移籍とガブリエウ・ジェズスのアーセナル移籍だ。国内のクラブに放出したのは驚きだったが、シティとの契約が残り1年だった両選手を前者は5620万ユーロ(約67.4億円)、後者は5220万ユーロ(約62.6億円)と高額な移籍金で売却できたのはポジティブに捉えるべきだろう。

 他にもオレクサンドル・ジンチェンコとフェルナンジーニョもチームを去ったが、彼らの後釜の確保に成功している。左SBは当初、マルク・ククレジャが獲得リストのトップにいたが、高額な移籍金を前に争奪戦から手を引き、アンデルレヒトで頭角を現していたセルヒオ・ゴメスを獲得した。ジンチェンコ同様に元々は中盤の選手であり、彼同様にボール保持での局面での活躍が期待される。フェルナンジーニョの後釜にはフィリップスを獲得。基本的にはロドリの控えだが、守備固めの際にはロドリと併用する形で中盤に2枚のフィルターを並べることも可能だ。

●ファインプレーだった移籍市場最終日の補強

 そしてファインプレーだったのが移籍市場最終日のマヌエル・アカンジの獲得だ。昨季終盤にチームのために怪我をしながら試合に出場し続けたアイメリク・ラポルテがその代償を追う形で予定より復帰が遅れている。ナタン・アケやジョン・ストーンズらも軽傷を負うなど最終ラインの選手層に不安がある中で即戦力級のCBを獲得できたのは大きい。

 メインポジションをSBとする選手がカイル・ウォーカー、ジョアン・カンセロ、ゴメスの3名しかいないのは不安だが、アカンジの加入によってアケを左SB、ストーンズを右SBの控えとしても計算しやすい状況となった。

 また今冬にリーベルから完全移籍で獲得していたフリアン・アルバレスが今季より合流しており、ストライカー、右WGの両ポジションで計算できる選手として開幕から結果を残し続けている。昨季ブンデスリーガで1位のセーブ数を記録し、配球を得意としているドイツ人GKシュテフェン・オルテガをフリーで獲得できたのも高評価だ。