●バルセロナは完封負けだったが…

 チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ第2節、バイエルン・ミュンヘン対バルセロナが現地時間13日に行われ、2-0でホームチームが勝利した。バルセロナもチャンスは作れていたが、結果として完封負け。その差はどこにあったのだろうか。(文:小澤祐作)

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 “苦手意識”はそう簡単に克服できないか。

 天敵バイエルン・ミュンヘンと激突したバルセロナは、0-2で敗北。今夏大型補強を敢行し、調子も良かっただけに期待感は高かったが、終わってみれば完封負けだった。

 これで対バイエルン戦は5連敗。直近3試合はすべて無得点と、ドイツ王者との相性は最悪だ。

 UEFA公式サイトによるスタッツを見ると、支配率は47%:53%、シュート数13本:18本、パス本数478本:544本、パス成功率83%:88%となっている。総走行距離はバイエルンの119.5kmに対しバルセロナは117.9kmだった。

 このスタッツを見ても明らかな通り、バルセロナは完封負けこそしたものの、そこまで圧倒されていたわけではない。少なくとも、インテンシティーの欠片もなく2-8と敗れた2019/20シーズンのような姿はどこにもなかった。

 明暗を分けたのは、本当にわずかな差だった。では、その“差”とは一体どこにあったのだろうか。

●リーグ戦と違ったのは?

 バルセロナは前半、効果的なプレスでバイエルンを苦しめ、ビルドアップ時のミスを誘い、ロングボールも多々蹴らせている。そこでしっかりと回収し、自分たちのチャンスへと繋げることが出来ていた。

 エリック・ガルシアではなくアンドレアス・クリステンセン、ジョルディ・アルバやアレックス・バルデではなくマルコス・アロンソと、この日のバルセロナは高さのある駒を最終ラインに配置していた。このことからも、前から圧力をかけ、相手に長いボールを強制させる狙いを持っていたことが分かる。シャビ・エルナンデス監督にとって、理想的なゲームへの入りだったことは確かだ。

 しかし、“結果”だけが足りなかった。古巣との対戦となったロベルト・レバンドフスキは、気合いが入り過ぎていたか、らしくない決定機逸があり、ドンピシャのヘディングシュートもGKマヌエル・ノイアーに阻まれてしまった。ペドリも9分に絶好のチャンスを迎えていたが、これを決めきれなかった。

 後半に入ってもバルセロナは何度かチャンスを作っている。しかし、ハフィーニャのシュートは枠に飛ばず、ペドリはドフリーでのシュートをポストに当てた。ウスマン・デンベレのドリブルはラ・リーガと違ってあまり通用せず、レバンドフスキはダヨ・ウパメカノのMOM級の対応を前に苦戦と、ここまでほぼ全ての試合で3得点以上を奪ってきたバルセロナの攻撃陣は、バイエルンDF陣を前に普段と違ったような姿を見せてしまっていた。

 一方のバイエルンは前半こそ無得点に終わるも、後半に訪れたチャンスをしっかりと仕留め2点を奪取している。非常にシンプルではあるが、決めるか、決めないかのわずかな差が、この日の勝敗を大きく分けたと言っていい。決定力という個の問題を1人ではなく複数人が抱えていたことは、シャビ監督にとって痛恨だった。

●バルセロナが突かれた弱点は?

 もう1つバルセロナとバイエルンの間に差を感じたのは、弱点を突く正確性と徹底ぶりだろうか。

 バイエルンのボール保持時、バルセロナは中盤のペドリ、ガビ、そしてセルヒオ・ブスケッツにも高い位置を取らせていた。相手を圧縮する意味では当然悪いことではないのだが、当然ながら本来ブスケッツがいるスペースは空く。これがバルセロナの弱点だった。

 前半からブスケッツのいないエリアを使われることは少なくなかった。27分には、誰も捕まえられなかったジャマル・ムシアラに縦パスが入り、その落としを受けたレロイ・サネがブスケッツのいないスペースに侵入。そして左サイドのサディオ・マネに展開され、最後はノゼア・マズラウィのチャンスに繋げられた。

 54分の2失点目も、上記のシーンに似てなくはなかった。またも中盤でムシアラを捕まえられず前向きでボールを持たせてしまうと、ブスケッツのいないスペースにサネがランニング。ガビは懸命に戻っていたが、流石に間に合わなかった。また、この時クリステンセンはボール保持者に対応、ロナルド・アラウホはやや右に流れていたトーマス・ミュラーを気にしていたため、アラウホとジュール・クンデの間が大きく空くことに。そこへサネに走られ、最後はムシアラのパスからそのままゴールネットを揺らされた。

 バイエルンを圧縮するためにリスクを冒してでもブスケッツを高い位置に出したバルセロナ。それにより浮かび上がる弱点を何度も突いて結果を出したバイエルンは流石で、こうした大舞台で勝てるかそうでないかの差が出たと言える。

 2-8と大敗した時のような大きな差はないが、まだ細かな差がある。それが重なった結果が、今回の0-2というスコアに繋がったと言えるだろう。シャビ監督は今後、どのような采配でその差を埋めていくのだろうか。

(文:小澤祐作)