●アウェイで3-0の快勝

  プレミアリーグ第8節、ブレントフォード対アーセナルが現地時間18日に行われ、0-3でアウェイチームが勝利した。今節は主将のマルティン・ウーデゴールが軽傷を負ったことで試合のメンバーから外れたが、その穴をどのようにして埋めて勝利を収めたのだろうか。なお、冨安健洋は86分から出場している。(文:安洋一郎)

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 エリザベス二世の崩御に伴い中断していたプレミアリーグがおよそ2週間ぶりに開催された。その間にアーセナルの負傷者事情は大きく変わっており、トーマス・パーティが第3節以来の復帰を果たし、前節終了時以降に軽傷を負っていたウィリアム・サリバも今節に標準を合わせて先発に名を連ねている。

 一方でオレクサンドル・ジンチェンコが再離脱し、主将のマルティン・ウーデゴールもトレーニングで軽傷を負ったため今節を欠場した。エミール・スミス=ロウも引き続き鼠径部に問題を抱えている。

 これまでのアーセナルはウーデゴールほどの影響力がある選手が欠場すると攻守においてチームが上手く回らなくなり、苦しい展開になりがちだったが、今節のブレントフォード戦はそれを全く感じさせないパフォーマンスを披露し、アウェイで3-0の完勝を収めた。

 どのようにしてウーデゴール不在の穴を埋めたのだろうか。

●ウーデゴールの穴を埋めた方法

 ウーデゴールの代わりにスタメンに名を連ねたのは今夏にアーセナルに加入したファビオ・ヴィエイラだった。高精度の左足のキックが持ち味のポルトガル人MFは、49分に美しい軌道のミドルシュートを叩き込むなどミケル・アルテタ監督の先発起用に応えて見せた。

 ヴィエイラの貢献度も高かったが、それ以上に抜群の存在感を見せていたのが、この試合でキャプテンマークを任されていたグラニト・ジャカだ。ダブルボランチの一角で出場していた昨季までとは異なり、今季からは左のインサイドハーフで出場しているジャカは、頻繁にハーフスペースを駆け上がって攻撃参加をするなど開幕から効果的なプレーを連発している。

 この試合でもキックオフ直後に味方とのワンツーを抜け出してガブリエウ・マルティネッリにビッグチャンスを提供し、28分には絶妙なピンポイントクロスからガブリエウ・ジェズスのゴールをアシストした。

 この一連のジャカの動きは今季のアーセナルの新たなストロングポイントであり、過去にキャプテンマークを地面に叩きつけて主将の座を追われた男が、これまで以上に欠かせない戦力となっている。

●重要性を再確認させられた選手とは?

 ウーデゴールは攻撃面における貢献度が高いのはもちろん、豊富な運動量を生かしたプレスバックも持ち味としている選手だ。ヴィエイラはウーデゴールほどの運動量と機動力がないため、守備における不安要素もあった。

 その不安要素を払拭したのが、今節より復帰したトーマスだった。守備範囲の広さを生かしてヴィエイラの背後のスペースを埋めて中盤を制圧していた。78分にアルベール・サンビ・ロコンガと交代になったのにも関わらず、チーム最多のパス本数を記録するなどビルドアップでの貢献度も大きく、アーセナルには彼のような選手が他にいないこともあり、その重要性が再確認できた試合となっている。

 ウーデゴールが欠場したのにも関わらず、3人の中盤の選手の活躍でその穴を完璧なまでに埋めた今節のアーセナルに対して、敵将トーマス・フランクも「ウーデゴールはいなかったが、代わりに入った選手がゴールを決めた。アーセナルは勝つべくして勝ったし、優勝候補だと思うよ」とこれ以上ない賛辞を送っている。

 トーマス・パーティやガブリエウ・ジェズス、ブカヨ・サカら絶対に欠かすことのできない選手もいるとはいえベストメンバー、もしくはそれに限りなく近い選手が揃えば抜群のクオリティを発揮することを今節も証明した。

 次節は無敗トッテナムとのノースロンドンダービー、その次はリバプールと強豪との連戦が続く。彼ら相手にも優位に試合を進めて勝利を収めることができれば、フランク監督が語ったように「優勝候補」と断言してよいだろう。(文:安洋一郎)