無駄遣い…。レアル、給料が高すぎる5人(1)

 サッカー選手を評価する指標はさまざま存在しており、そのうちの一つが「年俸」である。だが、ピッチでの働きが必ずしも年俸にあらわれるわけではない。今回はレアル・マドリードの選手で、現在のサラリーに見合わない選手をピックアップして紹介する。(年俸は『Salary Sport』、リーグ戦成績は『transfermarkt』を参照)
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FW:マルコ・アセンシオ
生年月日:1996年1月21日
年俸:711.8万ユーロ(約8.5億円)
今季リーグ戦成績:12試合1得点3アシスト

 スペイン代表のマルコ・アセンシオは、レアル・マドリードで給料が高い選手の一人だ。

 今季でレアル・マドリード加入7シーズン目のアセンシオは、昨年夏に移籍が話題になったものの最終的に残留。711.8万ユーロ(約8.5億円)の年俸を受け取っている。

 アセンシオは今季のリーグ戦で1ゴール3アシストを記録しているが、先発での出場はわずか3回で、出場時間は319分。このプレータイムで一定の結果を残すところはさすがだとしても、かかっているコストを考えると割高感が拭えない。カタールワールドカップでスペイン代表の10番を背負った男であることをふまえるとなおさら物足りなさがある。

『transfermarkt』の市場価値は、2018年末に8000万ユーロ(約96億円)まで上昇したが、その後は右肩下がりで最新のものは2500万ユーロ(約30億円)。27歳という年齢も考えると、もっと衝撃的な活躍に期待したくなる。

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FW:エデン・アザール
生年月日:1991年1月7日
年俸:2316万ユーロ(約28.0億円)
今季リーグ戦成績:3試合0得点0アシスト

 ベルギー代表のエデン・アザールは、レアル・マドリードでコストパフォーマンスが悪い選手の筆頭だ。今季はまだリーグ戦で3試合しか出場していない。

 アザールは2019年夏に1億1500万ユーロ(約138億円)の移籍金でチェルシーからレアル・マドリードに移籍したが、これが大失敗。アザールは夢の舞台にたどり着いたが、夢の舞台で活躍することはできずにいる。

 チェルシー時代に魅せたキレのある突破は全く見られず、体型からにじみ出る自己管理不足はたびたび非難の的になってきた。

『transfermarkt』の市場価値は、最新のものが750万ユーロ(約9億円)となっている。1億1500万ユーロ(約138億円)でやってきた男は今のレアル・マドリードで最高年俸を受け取っているが、それにふさわしい働きをしていると言う人は誰一人いないだろう。

FW:マリアーノ
生年月日:1993年8月1日
年俸:639.3万ユーロ(約7.7億円)
今季リーグ戦成績:4試合0得点0アシスト

 レアル・マドリードの下部組織で育ったマリアーノは、明らかに現状の活躍よりも多くの給料を受け取っている選手だ。

 2011年にレアル・マドリードの下部組織に加入したマリアーノは、2017年夏にフランスのリヨンへ移籍。リヨンではリーグアン34試合に出て18ゴールと活躍した。そして、レアル・マドリード復帰。ラウールやクリスティアーノ・ロナウドがつけた背番号7を託された。

 ただ、復帰後はレギュラー争いに絡めない日々が続いた。1年後にはエデン・アザールの加入に伴い、背番号を24に変更。2020年3月のバルセロナ戦では後半アディショナルタイムに起用されてすぐにゴールを決めるというサプライズもあったが、やはり定位置を奪えるほどの力は見せていない。

 今季はここまでラ・リーガの出場時間が20分。サッカー選手はピッチにいる時間で給料が決まるわけではない。これが控えFWであるマリアーノの役割だとしても、リヨンから復帰したときの期待感はずいぶん前に消えている。

DF:アルバロ・オドリオソラ
生年月日:1995年12月14日
年俸:639.3万ユーロ(約7.7億円)
今季リーグ戦成績:なし

 アルバロ・オドリオソラは、レアル・マドリードで戦力になっていない。それでも639.3万ユーロ(約7.7億円)の年俸だ。

 2018年にレアル・マドリードの一員になったオドリオソラは、バイエルン・ミュンヘンとフィオレンティーナへのレンタルを経験。今季レアル・マドリードに戻ってきた。

 フィオレンティーナではコンスタントにプレーしていたが、やはりレアル・マドリードではそうもいかなかった。本来はダニエル・カルバハルの控えとして右サイドバックを務めることが期待されたが、今季の出場はカップ戦1試合のみとなっている。

 今季はカルバハルのパフォーマンスがやや不安定だが、その際もルーカス・バスケスが起用されることが多い。ルーカス・バスケスが外れる場合もナチョなど本職外の選手が使われており、オドリオソラは信頼されていない様子だ。

DF:ナチョ
生年月日:1990年1月18日
年俸:802.2万ユーロ(約9.6億円)
今季リーグ戦成績:8試合0得点0アシスト

 レアル・マドリードで高い給料を受け取っている一人がナチョだ。年俸はFWロドリゴとほぼ同じで802.2万ユーロ(約9.6億円)とされている。ただ、出場時間だけでは計れない価値を持っていることも確かだろう。

 ナチョは2001年にレアル・マドリードの下部組織に加入。2011年にトップデビューを飾り、今もチームに残り続けている。

 世界中から超一流が集まるレアル・マドリードにおいて、ナチョは「平凡」な部類に入るかもしれない。それでも、複数ポジションをそつなくこなす器用さは一級品。その上、クラブへの愛情に疑問の余地はなく、レアル・マドリードのようなビッグクラブがベンチに一人は置いておきたい重要な駒となっている。

 控えの選手にこれだけの額を投じられるのは、世界有数のビッグクラブだからこそ。裏を返せば、ナチョがベンチにいることの価値を分かっているからこそ、レアル・マドリードはビッグクラブなのかもしれない。