明治安田生命Jリーグ開幕に向けて各クラブは準備を進めているが、今季の所属先が決まっていない選手もいる。チームの成績にダイレクトに響く外国籍選手の去就はオフの注目ポイントだが、昨季限りで契約満了となった選手も多い。今回は、25日時点で無所属の外国籍選手を5人紹介する。

ガブリエル・シャビエル
生年月日:1993年7月15日(29歳)
2022在籍クラブ:北海道コンサドーレ札幌
2022リーグ戦成績:26試合3得点
Jリーグ通算成績:148試合23得点

 2017年夏に名古屋グランパスに加入したガブリエル・シャビエルは、たった16試合で7得点14アシストという驚異的な数字をたたき出した。その後も卓越したテクニックを武器に名古屋の攻撃の中心となり、4年半でリーグ戦122試合に出場した。

 2021シーズン限りで名古屋との契約が満了となり、チャナティップを失った北海道コンサドーレ札幌に加入した。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下では時に最前線でプレーすることも。しかし、昨季は怪我もありベストパフォーマンスとは言えない1年を過ごした。

 札幌は今年1月7日に24選手との契約更新を一挙に発表したが、同日にシャビエルの退団も発表されることとなった。ブラジルメディア『iG Esporte』が今月上旬に伝えたところによると、母国でプレーする可能性もあるという。その天才的な技術を日本で見ることはできないのだろうか。

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MF:レオ・シルバ
生年月日:1985年12月24日(37歳)
2022在籍クラブ:名古屋グランパス
2022リーグ戦成績:33試合1得点
Jリーグ通算成績:290試合25得点

 2013年に来日し、Jリーグで10シーズンプレーしたレオ・シルバは昨季限りで名古屋グランパスとの契約が満了した。アルビレックス新潟に4年、鹿島アントラーズに5年在籍し、昨季は名古屋グランパスでプレーしていた。

 ベテランらしい落ち着いたゲームメイクと、衰え知らずの球際の強さ、そして豊富な運動量が武器で、鹿島では2018年にAFCチャンピオンズリーグ優勝を経験。名古屋に加入した昨季も最終節を除く33試合出場とフル稼働し、37歳という年齢を感じさせない溌剌としたプレーを見せていた。

 ブラジルラジオ局『Radio Mirante AM』が行ったインタビューでレオ・シルバはあと1年プレーした後に引退するつもりであることを明かしている。Jクラブからのオファーもあるそうだが、本人は故郷のモト・クラブでプレーしたいという願望もあるようだ。

MF:エドゥアルド・ネット
生年月日:1988年10月24日(34歳)
2022在籍クラブ:大分トリニータ
2022リーグ戦成績:22試合2得点
Jリーグ通算成績:122試合7得点

 Jリーグ優勝を知るエドゥアルド・ネットは、今季プレーする場所が決まっていない。2022シーズンは大分トリニータでプレーしたが、シーズン終了後に契約満了が発表されていた。

 日本にやってきたのは2016年。川崎フロンターレに加入し、翌年にはリーグ優勝に貢献した。攻撃の組み立てに長けたボランチで、時に無謀とも思える縦パスで攻撃の起点となった。川崎で優勝した翌年には、川崎時代に薫陶を受けた風間八宏監督のラブコールに応える形でシーズン途中に名古屋に加入する。しかし、翌19年は股関節の負傷で出遅れ、来日が5月までずれ込んだ。さらに成績不振により9月に風間監督が解任され、ネットは翌20年2月に契約を解除してブラジルに帰ることとなった。

 ブラジルに帰ってプレーを続けたネットが再び日本にやってきたのは2022年。大分トリニータの新体制発表会見でサプライズ発表された。しかし、昨季は怪我に悩まされ、先発出場はわずか6試合に留まっていた。キャリアの分岐点ともなり得る34歳となったネットは、どのような決断を下すのだろうか。

FW:ボージャン・クルキッチ
生年月日:1990年8月28日(32歳)
2022在籍クラブ:ヴィッセル神戸
2022リーグ戦成績:14試合0得点1アシスト
Jリーグ通算成績:20試合1得点1アシスト

 バルセロナで背番号11をつけた男がヴィッセル神戸に加入したのは2021年8月。少年時代からその才能を高く評価されたボージャン・クルキッチは伸び悩み、ローマやACミラン、アヤックス、ストーク・シティなど実に6ヶ国8クラブを渡り歩き、7ヶ国目の日本へたどり着いた。

 尊敬するアンドレス・イニエスタと再会し、Jリーグデビューから4試合目で初ゴールをマークした。しかし、10月の試合中に右ハムストリングの肉離れで全治8週間と診断され、スペインに帰国している。昨季は開幕から出場を重ねていたが、7月の試合中に左膝内側半月板を損傷。バルセロナで手術が行われた。9月には練習に復帰していたが、実践復帰は叶わず。昨季は得点ゼロという結果に終わり、12月末に契約満了が発表されている。

 バルセロナ時代を知る者たちからすれば、「コンディションさえ万全ならば…」といった思いもあるだろう。日本やスペイン以外のメディアもその去就の行方を報じるほど、注目度は高いが、32歳となったボージャンが次に輝く場所はまだ決まっていない。

FW:ウェリントン
生年月日:1988年2月11日(34歳)
2022在籍クラブ:湘南ベルマーレ
2022リーグ戦成績:27試合2得点
Jリーグ通算成績:233試合73得点

 ヘディングという唯一無二の武器を持つウェリントンは、今季終了とともに湘南ベルマーレを離れることとなった。直近2年間でリーグ戦8得点に留まったが、2年連続で清水エスパルスから劇的なゴールを奪い、チームが残留を決める上では貴重な働きを見せた。

 初来日は2013年6月だった。ブラジルの強豪インテルナシオナル出身で、20歳でドイツのホッフェンハイムと契約した経歴を持つ。25歳のときに残留争いで劣勢に立たされた湘南に加入し、16試合3得点という結果を残すもチームは降格。それでも翌年は、勝ち点101という圧倒的な強さでJ1復帰を決めた湘南で20得点をたたき出している。

 2015シーズンからはアビスパ福岡でプレーし、2018シーズンはJ2で17得点を記録する。18年にはヴィッセル神戸に移籍したが、外国籍選手の登録枠という事情もあり、出場機会が限られた。2020シーズンは母国に帰り、ボタフォゴでプレーしたが、直近2シーズンは湘南でプレー。サポーターを喜ばせてきた強烈なゴールを、今季はどこで見ることができるのだろうか。