欧州主要リーグの22/23シーズンは後半戦に入っている。来季に向けた補強や契約の話題も増えてきた。ユベントスに在籍している選手で、来季構想から外れる可能性があるのは誰なのか。今回は、この夏に契約満了を迎える選手を除き、放出候補となり得る5選手をピックアップして紹介する。(データは『transfermarkt』を参照)
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●MF:レアンドロ・パレデス(アルゼンチン代表)

生年月日:1994年6月29日
契約期間:2023年6月30日まで(PSGから完全移籍オプション付きレンタル)
22/23リーグ戦成績:15試0得点0アシスト
22/23欧州カップ戦成績:5試合0得点1アシスト
22/23カップ戦成績:1試合0得点0アシスト

 レアンドロ・パレデスは昨年夏にユベントスに加入したが、ここまで大きく期待を裏切っている。

 パリ・サンジェルマンから完全移籍オプション付きのレンタルで加入しているパレデスは、ポール・ポグバに次いで、ユベントスで2番目の高給取り。それだけ中心選手として期待されていた。だが、加入直後は先発起用されていたものの、マヌエル・ロカテッリがこの位置でポジションを獲得。パレデスはベンチへと追いやられた。

 パレデスはここまでセリエAでの先発が5回あるが、そのうち4試合でユベントスは勝利を逃している。もちろんパレデスに全ての責任があるわけではないとしても、チームを勝利に導くインパクトを残していないのも事実だ。2月19日のスペツィア戦でこの悪い流れを断ちきって自身が先発した試合で初の白星を手にしたものの、パレデスに対する評価は低く、前半のみで交代を命じられている。

 このままいけば完全移籍オプションの行使は見送られる可能性が高い。これから真価を発揮できるだろうか。

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●DF:ダニエレ・ルガーニ(元イタリア代表)

生年月日:1994年7月29日
契約期間:2024年6月30日まで
22/23リーグ戦成績:4試合0点0アシスト
22/23欧州カップ戦成績:1試合0得点0アシスト
22/23カップ戦成績:1試合0得点0アシスト

 ダニエレ・ルガーニは、ユベントスの控えセンターバックだ。今季はここまでリーグ戦で4試合しか出場していない。

 現在28歳のルガーニが脚光を浴びたのは2014/15シーズン。エンポリでプレーしていた同選手は、リーグ戦全試合フル出場を達成。それも警告・退場が一度もないというセンターバックとしては信じがたい成果を残し、セリエAの年間ベストイレブンに選出され、ユース時代に過ごしたユベントスに復帰することが決まった。その後、レンタルでユベントスを離れる時期はあったが、一貫してユベントスの控えという位置を維持している。

 今季、フェデリコ・ガッティが飛躍しているユベントスの守備陣では、ルガーニの影はかなり薄くなっている。守備に人数をかけて速攻で仕留めるというスタイルのチームにおいて、ルガーニの対人強度ではやや厳しい。ビルドアップはそれなりに得意だが、その点では主将のレオナルド・ボヌッチが世界トップレベルにあり、ルガーニに出番はないだろう。

『transfermarkt』の市場価値は最新のもので250万ユーロ(約3億円)。これはピーク時の約10分の1で、エンポリ時代よりも低い数字だ。シーズンを通して活躍することができる年齢で、買い手はあるはず。控えとしても序列が高いわけではないため、放出も一つの案だ。

●DF:マッティア・デ・シリオ(イタリア代表)

生年月日:1992年10月20日
契約期間:2025年6月30日まで
22/23リーグ戦成績:12試0得点0アシスト
22/23欧州カップ戦成績:4試合0得点0アシスト
22/23カップ戦成績:1試合0得点0アシスト

 マッティア・デ・シリオはマッシミリアーノ・アッレグリ監督にとって重要な選手の一人だが、ユベントスに不可欠な選手かは微妙なところだ。

 デ・シリオはミランの下部組織で育ち、同クラブでトップデビュー。そのときの指揮官がアッレグリ監督だった。その後、2017年にユベントスへ移籍。2020/21シーズンはリヨンにレンタルで加わったが、現在もユベントスでプレーしている。

 30歳とベテランの域に入ってきたデ・シリオ。最大の特徴は、サイドの万能選手であること。3バックのウイングバック、4バックのサイドバックを左右ともこなせるため、デ・シリオはベンチ入りした全試合でピッチに立っている。

 ただ、クオリティーという点でユベントスが求めるレベルに達しているかは分からない。少なくともデ・シリオが違いをつくって勝利に導いた試合というのは思い浮かばないだろう。軽率な対応でピンチを招くこともしばしばだ。

 契約は2025年まで。30歳という年齢を考えると、放出するならタイミングは重要になりそうだ。

●FW:カイオ・ジョルジ(元U-20ブラジル代表)

生年月日:2002年1月24日
契約期間:2026年6月30日まで
22/23リーグ戦成績:なし
22/23欧州カップ戦成績:なし
22/23カップ戦成績:なし

 カイオ・ジョルジはまだ今季の公式戦出場がない若手FWだ。クラブとしては、一度イタリアから武者修行に出すことも視野に入れているかもしれない。

 ブラジル人のカイオ・ジョルジは、サントスの下部組織で育ち、2021年夏にユベントスへの移籍が決定した。与えられた背番号は「21」。現ローマのパウロ・ディバラがつけていた番号ということで期待の高さがうかがえる。

 イタリア1年目の2021/22シーズンはベンチスタートがメイン。出場機会は試合終盤の数分間というのがお決まりだった。そして2022年2月に右ひざの膝蓋(しつがい)腱を断裂。長期離脱を強いられて、現在もまだピッチに戻っていない。

 カイオ・ジョルジは最近、母国のクルゼイロへのレンタルが噂になった。実際、復帰したとしてもドゥシャン・ヴラホヴィッチ、アルカディウシュ・ミリク、モイーズ・キーンといったFWがいるため、コンスタントな出場機会を得るのは難しいことが予想される。21歳の有望株に一度旅をさせるということはあり得るだろう。

●MF:マティアス・スレ(U-20アルゼンチン代表)

生年月日:2003年4月15日
契約期間:2026年6月30日まで
22/23リーグ戦成績:9試合0得点0アシスト
22/23欧州カップ戦成績:4試合0得点0アシスト
22/23カップ戦成績:1試合0得点0アシスト

 マティアス・スレはアルゼンチン出身の19歳。ユベントスが期待する有望株だが、一回り大きくなるために一度放出する可能性はあるだろう。

 スレは2020年1月にアルゼンチンのベレス・サルスフィエルドからユベントスに移籍。2021年夏のプレシーズンマッチでトップチームデビューを飾った。同年11月30日のサレルニターナ戦でセリエAデビューを飾っているが、実はその前に大きな話題になった。

 それは、アルゼンチンA代表からの招集。デビューの機会はなかったものの、トップデビューがまだの若手が呼ばれたことで注目を集めている。

 左利きの右ウインガーであるスレは、今季のセリエAで9試合に起用されており、少しずつ起用の頻度は高まっているところ。ただ、今季で契約満了予定のアンヘル・ディ・マリアの後継者にはまだ早い印象も受ける。レギュラーとしてプレーできるクラブで経験を積むのは選択肢の一つになるはずだ。