最高峰の舞台で戦うサッカー選手は高額な年俸を受け取っているが、必ずしも額面通りの働きをピッチ上で見せているとは限らない。今回はマンチェスター・ユナイテッドの選手で、現在のサラリーに見合わない選手をピックアップして紹介する。(年俸は『capology』、リーグ戦成績は『transfermarkt』を参照)
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MF:カゼミーロ(ブラジル代表)
年俸:1820ポンド(約34億2160万円)
今季リーグ戦成績:8試合1得点0アシスト

 今季の不安定なパフォーマンスを見る限り、チーム最高年俸であるカゼミーロの給料は“高すぎる”と言わざるを得ない。

 昨夏にマンチェスター・ユナイテッドに加入した百戦錬磨のブラジル代表MFは、4-3-3のアンカーのレギュラーに定着。持ち前のカバーリングエリアの広さと無類の対人守備の強さで、中盤のフィルター役を担っていた。またリーグカップ決勝など大一番での重要なゴールも目立ち、エリック・テン・ハフ体制での初タイトル獲得にも大きく貢献していた。

 しかし、迎えた今季は開幕から不安定なパフォーマンスを連発。調子が上がらないのか守備強度が低下し、不用意なボールロストからカウンターを食らうこともしばしば。対人能力の低下はハッキリとスタッツに表れており、昨季はプレミアリーグで51.7%の地上戦勝率を誇っていたが、今季は現時点で43.3%に留まっている。

 この不調が一時的なものであればよいのだが、来年の2月に32歳の誕生日を迎えることを踏まえると後釜の成長は急務だろう。10月にカゼミーロが負傷離脱したタイミングで、幸いにも18歳のMFコビー・メイヌーが復帰を果たし、第13節エバートン戦で今季初先発を飾った。この新星が指揮官を納得させるパフォーマンスを披露することができれば、契約が切れる2026年夏を前に放出されるかもしれない。

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FW:マーカス・ラッシュフォード(イングランド代表)
年俸:1560ポンド(約29億3280万円)
今季リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト

 今季のマーカス・ラッシュフォードは得点力不足に悩まされている。

 現時点で、プレミアリーグの12試合では2得点1アシスト、公式戦17試合では2得点3アシストに留まっている。好調だった昨季の成績が公式戦56試合で30得点11アシストだったこと、そして30億円近い年俸を受け取っている背番号10だということを踏まえると、この成績では明らかに物足りない。

 そして「給料が高すぎる」という着眼点から見ると、ゴールを決められなくなるタイミングは最悪だった。というのも、シーズン30ゴールを決めた昨季終了直後に結んだ新契約での年俸が1560ポンド(約29億3280万円)であり、「高い給料を貰って満足した」と捉えられても言い訳は効かないだろう。

 本来、マンチェスター・ユナイテッドのようなビッグクラブであれば、もっと正当なポジション争いがあってもいいはずだ。しかし、現在の“赤い悪魔”にはラッシュフォードを脅かす存在が誰一人としていない。彼がゴールを決められなくても、起用し続けなければいけないほど選手層が薄い。直近のエバートン戦で約2ヶ月半ぶりにゴールネットを揺らしたが、このまま得点から遠ざかるのであればさらなる批判の的になってもおかしくない。今のマンチェスター・ユナイテッドには、彼のお尻に火をつける存在が必要だ。

FW:ジェイドン・サンチョ(イングランド代表)
年俸:1300ポンド(約24億4400万円)
今季リーグ戦成績:3試合0得点0アシスト

 かつて神童と騒がれたジェイドン・サンチョは、現在のマンチェスター・ユナイテッドで最大の不良債権となってしまっている。

 前所属のドルトムントではシーズン2桁ゴール2桁アシストを2度も記録するなど、圧巻のパフォーマンスを披露していたが、マンチェスター・ユナイテッド加入以降は沈黙。一昨季は3得点3アシスト、昨季は6得点3アシストと高い期待値を裏切るスタッツに終わっていた。

 迎えた3季目の今シーズンは過去の屈辱を晴らすことが期待されていたが、度重なる遅刻などの影響で「規律違反」と見なされトップチームから追放された。現在の音沙汰はほとんど報じられることなく、メディアに名前が載るときは移籍の噂ばかりだ。

 サンチョが戦力として計算できなくなったことも影響して、マンチェスター・ユナイテッドはFW陣の選手層に大きな不安を抱えている。新戦力を獲得するための資金源として、そして無駄に支払っている年俸1300ポンド(約24億4400万円)を浮かせるためにも、冬の移籍市場で放出される可能性もあるだろう。

DF:ラファエル・ヴァラン(元フランス代表)
年俸:1768ポンド(約33億2384万円)
今季リーグ戦成績:8試合1得点0アシスト

 マンチェスター・ユナイテッドで2季目を迎えたエリック・テン・ハフ監督からして、ラファエル・ヴァランの不調は想定外だっただろう。

 今季開幕戦で決勝ゴールを決めた元フランス代表DFだったが、レギュラーとしてプレーできるほどのパフォーマンスを発揮できていない。特に酷かったのがコペンハーゲンとのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ第4節で、負傷したジョニー・エバンスの代わりに16分から出場を果たすと、不用意なミスを連発。決勝点を献上した場面もヴァランのクリアミスが起点となっており、敗因の一つになってしまった。

 この試合でヴァランよりエバンスが先発起用されたことからもわかる通り、指揮官からの信頼度はかなり低い。逆に昨季まで4番手的な立場だったハリー・マグワイアが序列を上げており、この元フランス代表DFはビクトル・リンデロフやエバンスよりも評価が下落。直近のエバートン戦もマグワイアとリンデロフに先発の座を譲っており、チーム内で最も序列が低いCBとなってしまった。そんな選手の年俸が1768ポンド(約33億2384万円)というのはあまりに高額だろう。

FW:アントニー・マルシャル(元フランス代表)
年俸:1300ポンド(約24億4400万円)
今季リーグ戦成績:11試合1得点1アシスト

 今季は現時点で離脱はないが、アントニー・マルシャルは毎シーズンのように怪我に悩まされている。昨季は4つの異なる怪我を負って、何度も戦列を離れた。

 彼のような負傷癖のある選手はどうしても戦力としてカウントしづらい。その中で受け取っている年俸1300ポンド(約24億4400万円)は“高すぎる“と言っていいだろう。

 マルシャルが最後に主力として活躍をしたのは17ゴールを決めた2019/20シーズンにまで遡る。現在27歳とまだ老け込む年齢ではないが、その中で活躍ができていない現状は厳しいと言わざるを得ない。

 現在マンチェスター・ユナイテッドとマルシャルの間で結ばれている現行契約は今季終了後に満了となる。クラブは1年の契約延長オプションを行使するかどうか悩んでいるようだが、この稼働率と年俸を踏まえると買い手がつく可能性は低く、売却目的での契約延長は難しいだろう。契約満了での退団が現実的な路線になりそうだ。

【了】
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