欧州主要リーグの23/24シーズン冬の移籍市場が幕を閉じた。今シーズンも様々なビッグディールがなされたが、日本人で最高額の移籍金が支払われた選手は誰だったのか。今回は23/24シーズン(昨夏・今冬)に移籍した日本人の移籍金をランキング形式で紹介する。※移籍金と成績はデータサイト『transfermarkt』を参照
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●10位:小柏剛
生年月日:1998年7月9日
移籍先:北海道コンサドーレ札幌→FC東京
移籍金:130万ユーロ(約1億8200万円)
2023リーグ戦成績:22試合6得点6アシスト(FC東京)

 日本人移籍金ランキングで10位となったのは、北海道コンサドーレ札幌からFC東京に移籍したFW小柏剛だ。移籍金は130万ユーロ(約1億8200万円)とされている。なお、このランキングでは唯一となる日本国内での移籍である。

 明治大学在学中にユニバーシアード競技大会へ出場した経験も持つなど、将来を嘱望されていた小柏は札幌でプロキャリアをスタートさせた。身長167cmとかなり小柄ながらJリーグ屈指のスピードを武器にゴールを奪ってきた。怪我によりシーズンを通しての出場が難しかった中で、札幌ではリーグ戦通算69試合出場15ゴール13アシストを記録している。

 昨シーズンを11位で終えたFC東京は今冬に積極的な補強を行なっている。怪我により辞退することとなったが、2021年に日本代表にも選出されるほどのポテンシャルを持つ小柏の加入は、その中でも最も注目を集めた移籍と言っていいだろう。ディエゴ・オリヴェイラや仲川輝人ら前線のタレントとともに、新天地ではどのようなプレーを見せるのか。

日本人移籍金ランキング1〜10位 全選手紹介
日本人移籍金ランキング1位
日本人移籍金ランキング2位

●9位:三竿健斗(みさお・けんと)
生年月日:1996年4月16日
移籍先:サンタ・クララ→ルーヴェン
移籍金:130万ユーロ(約1億8200万円)
23/24リーグ戦成績:10試合1得点1アシスト(ルーヴェン)

 昨夏に移籍金130万ユーロ(約1億8200万円)でベルギーのルーヴェンに移籍した三竿健斗が9位にランクインしている。三竿は22/23シーズンにポルトガルのサンタ・クララに移籍して欧州初挑戦を果たし、シーズン終了後に2部降格となったクラブを離れてベルギーへ渡った。

 ルーヴェンではリーグ戦第6節に途中出場して公式戦デビューし、第10節には先発出場を果たす。三竿は対人能力の高さを特徴にベルギーでも守備的MFとしてプレーしながら、第12節のアンデルレヒト戦では強烈なミドルシュートで先制点を奪うシーンも見せた。

 その後、第15節まではスタメンとして起用されていたが、以降は負傷により欠場が続いてしまい、ここまでリーグ戦の出場は10試合にとどまっている。現在は復帰を果たしているが、怪我まではルーベンで定位置を掴んでいただけに、残りのシーズンで巻き返しをはかりたいところだ。

●8位:川辺駿(かわべ・はやお)
生年月日:1995年9月8日
移籍先:ウォルヴァーハンプトン→スタンダール・リエージュ
移籍金:150万ユーロ(約2億1000万円)
23/24リーグ戦成績:21試合6得点2アシスト(スタンダール・リエージュ)

 昨夏にベルギーのスタンダール・リエージュに加入したMF川辺駿が8位にランクインした。この移籍に支払われた移籍金は150万ユーロ(約2億1000万円)とされている。

 川辺は2022/23シーズンまでプレミアリーグのウォルヴァーハンプトンからスイスの名門グラスホッパーへ期限付き移籍をしてプレーしてきた。グラスホッパーでの最終シーズンを33試合出場9ゴール8アシストの好成績で終えるも、プレミアリーグでプレーすることなくスタンダール・リエージュに完全移籍することとなった。

 その川辺はベルギーで好調を維持している。ここまでリーグ戦21試合出場6ゴール2アシストを記録しており、中盤でチームの攻撃を牽引している。その活躍により11月のクラブ月間MVPにも選出され、加入当時280万ユーロ(約3億9200万円)だった市場価値も現在は自己最高金額となる450万ユーロ(約6億3000万円)まで上昇した。

 日本代表では中盤から前線のタレントが豊富なこともありAFCアジアカップカタール2023の招集メンバーには選出されず、現状では代表定着とはなっていない。しかし川辺はヨーロッパで継続的な活躍を見せており、今後も注目すべき選手であろう。

●7位:横田大祐(よこた・だいすけ)
生年月日:2000年6月15日
移籍先:グールニク・ザブジェ→KAAヘント
移籍金:200万ユーロ(約2億8000万円)
23/24リーグ戦成績:18試合7得点1アシスト(グールニク・ザブジェ)

 ランキングの7位につけているのは今冬にKAAヘントに移籍した横田大祐だ。移籍金は200万ユーロ(約2億8000万円)とされている。横田はJリーグを経ずにヨーロッパでプロキャリアをスタートさせ、ベルギー強豪へのステップアップ移籍を果たした。

 横田はラトビアのヴァルミエラに在籍していた2022シーズンに33試合出場8ゴール10アシストの活躍でクラブのリーグ優勝に貢献。スピードやボールコントロール能力の高さを特徴とし、左右のWGや中盤でもプレーする器用さも見せた。2023年2月にポーランドのグールニク・ザブジェに移籍すると、2023/24シーズンは右WGとして躍動し、ヘントへ移籍するまでに18試合出場7ゴール1アシストの成績を残した。

 ヘントでは加入後リーグ戦全4試合にスタメン出場しているが、ここまでゴールは記録していない。クラブも1月以降は低調で、公式戦で勝利をあげることができずにいる。今やベルギーから多くの日本人が欧州主要リーグへ巣立っている。横田もクラブの苦境を救う活躍を見せてそれに続くことができるか。

●6位:橋岡大樹(はしおか・だいき)
生年月日:1999年5月17日
移籍先:シント=トロイデン→ルートン・タウン
移籍金:200万ユーロ(約2億8000万円)
23/24リーグ戦成績:18試合2得点2アシスト(シント=トロイデン)

 日本人選手が多く所属するシント=トロイデンからプレミアリーグのルートン・タウンへ今冬に移籍した橋岡大樹が6位にランクインした。移籍金は200万ユーロ(約2億8000万円)とされている。

 浦和レッズからシント=トロイデンへ移籍した橋岡は右のサイドバックやウィングバックとして移籍当初から定位置を掴んで主軸として試合に出場し続けた。橋岡は守備面に強みを持っている選手であるが、ベルギーではリーグ戦通算86試合に出場し13アシストを記録しており、チャンスメイクでもチームに貢献することができる。

 ルートン・タウンは3バックを採用しており、橋岡は右ウィングバックでの起用が予想される。現在ルートン・タウンは降格圏と1ポイント差の17位につけており、橋岡には残留に向けたプラスαとしての働きが求められるだろう。ここでさらなる成長を遂げることができれば、AFCアジアカップカタール2023では選外となった日本代表にも定着できる可能性が高まるだろう。

●5位:坂元達裕(さかもと・たつひろ)
生年月日:1996年10月22日
移籍先:KVオーステンデ→コヴェントリー
移籍金:225万ユーロ(約3億1500万円)
23/24リーグ戦成績:26試合7得点2アシスト(コヴェントリー)

 昨夏に移籍金225万ユーロ(約3億1500万円)でチャンピオンシップ(イングランド2部)のコヴェントリーに移籍したMF坂元達裕が5位にランクインしている。2022年1月にベルギーのKVオーステンデに移籍してからも、Jリーグで見せていたような鋭いドリブルを武器に継続的な活躍を見せていた。

 坂元はコヴェントリーでは加入当初こそ定位置を確保していたとは言えず、途中出場での起用が多くベンチを温めることもあった。しかし味方選手のシュートを相手GKが弾いたところに詰めてゴールを決めた第17節のミルウォール戦以降はスタメンに定着している。

 前所属のオーステンデではリーグ戦30試合出場0得点6アシストと、チャンスメイクでの数字が目立ったが、コヴェントリーではここまで26試合に出場し7ゴールをあげており、得点での貢献が大きくなっている。

 現在コヴェントリーはリーグ戦7位につけており、プレミアリーグへの昇格プレーオフ出場圏を争っている。シーズン後半戦に向けて、坂元はクラブのキーマンとなっていくだろう。

●4位:渡辺剛(わたなべ・つよし)
生年月日:1997年2月5日
移籍先:KVコルトレイク→KAAヘント
移籍金:350万ユーロ(約4億9000万円)
23/24リーグ戦成績:20試合2得点2アシスト(ヘント)

 4位にランクインしたのは日本代表CB渡辺剛だ。渡辺は前所属のコルトレイクでは2022/23シーズンをリーグ戦全試合フル出場で終え、サポーター選出のクラブ年間最優秀選手となった。その活躍により昨夏にベルギー強豪のKAAヘントへ移籍金350万ユーロ(約4億9000万円)でステップアップを果たしている。

 渡辺はヘントでも継続的に試合に出場し続けており、まさに鉄人ぶりを発揮している。AFCアジアカップカタール2023の代表メンバーに招集されるまではリーグ戦全試合にフル出場し、2ゴール2アシストをあげて攻撃面でもチームに貢献していた。代表選出により渡辺が離脱している間、ヘントは公式戦で一勝もあげることができておらず、渡辺復帰によって立て直しをはかりたいところだ。

 アジアカップでの出場はインドネシア代表戦の後半のみであった。しかし大会を通じてスタメンをはったCB陣のパフォーマンスは安定していたとは言い難く、今後の成長次第ではレギュラー争いに割って入ることができるだろう。

●3位:上田綺世(うえだ・あやせ)
生年月日:1998年8月28日
移籍先:セルクル・ブルッヘ→フェイエノールト
移籍金:800万ユーロ(約11億2000万円)
23/24リーグ戦成績:13試合1得点0アシスト(フェイエノールト)

 ベルギーのセルクル・ブルッヘで2022/23シーズンのリーグ戦をプレーオフ含め40試合出場22得点2アシストという好成績で終え、昨夏にオランダの名門フェイエノールトに加入した上田綺世が3位にランクインした。移籍金は800万ユーロ(約11億2000万円)とされている。

 フェイエノールトで背番号9を与えられた上田のプレーに注目が集まったが、ここまでリーグ戦では先発出場は無く、13試合の出場でゴールは1にとどまる。上田のライバルとなるメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスが19試合出場19ゴールという成績を残しているだけに、スタメン奪取は難しい状況だ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ではグループステージ5試合に出場するも、限られた出場時間の中でヨーロッパの強豪相手に得点することはできなかった。

 日本代表はAFCアジアカップカタール 2023でベスト8敗退となったが、上田は大会を通して4得点し、イラン代表戦ではポストプレーによって守田英正のゴールを演出するシーンも見せた。FWとして高い能力を持っているだけに、クラブでもシーズン終盤に巻き返しを見せたいところだ。

●2位:中村敬斗(なかむら・けいと)
生年月日:2000年7月28日
移籍先:LASKリンツ→スタッド・ランス
移籍金:1200万ユーロ(約16億8000万円)
23/24リーグ戦成績:12試合2得点1アシスト(スタッド・ランス)

 2位にランクインしたのは日本代表の左WG中村敬斗だ。中村はオーストリアのLASKリンツで2022/23シーズンをリーグ戦31試合出場14ゴール7アシストという好成績で終え、昨夏に移籍金1200万ユーロ(約16億8000万円)でリーグ・アンのスタッド・ランスに移籍した。

 移籍後の中村は怪我の影響で出場試合数をあまり伸ばすことができず、成績はここまで12試合出場2得点1アシストにとどまる。しかし出場した試合ではスタメンでの起用も多く、チームの主軸となっている。ドリブルでカットインして味方へのパスやシュートを放つなど、左サイドで存在感を発揮している。

 中村はAFCアジアカップカタール2023のベトナム代表戦で左サイドからカットインして放った華麗なコントロールショットにより勝ち越し弾を奪った。怪我により三笘薫が出場できなかった中で、試合の悪い流れを完全に断ち切って勝利に貢献した。

 中村はまだ23歳であり、クラブや代表での活躍によって評価を高めればより大きな移籍金で強豪クラブへ加入することもあり得るだろう。

●1位:遠藤航(えんどう・わたる)
生年月日:1993年2月9日
移籍先:シュトゥットガルト→リバプール
移籍金:2000万ユーロ(約28億円)
23/24リーグ戦成績:15試合1得点0アシスト(プレミアリーグ)

 ランキングの1位は日本代表のキャプテンである遠藤航だ。昨夏にリバプールがブンデスリーガのシュトゥットガルトから移籍金2000万ユーロ(約28億円)で獲得した。移籍当初は遠藤の加入に対して懐疑的な見方もあったが、現在はその評価を覆しつつある。

 遠藤はシーズン序盤こそ途中出場が多くプレー時間も限られていたが、持ち味の対人能力の高さをプレミアリーグでも徐々に発揮していく。第14節のフラム戦では途中出場から同点弾となる豪快なミドルシュートを決め、シュトゥットガルト在籍時にチームの苦境を何度も救った勝負強さをリバプールでも発揮した。

 チームメイトのアレクシス・マック・アリスターが負傷した影響もあり、フラム戦以降、遠藤はリーグ戦全試合にスタメン出場している。アンカーとしてフル出場した第17節マンチェスター・ユナイテッドとのビッグマッチでもデュエルの強さを見せつけて、相手の攻撃の芽を中盤から潰し、ボールを回収した。

 現在プレミアリーグ暫定1位のリバプールはシーズン終盤にかけて苛烈な優勝争いを繰り広げていくと思われる。遠藤がこれにどのように関わっていくのか注目だ。