2月23日、明治安田Jリーグの2024シーズンが幕を開けた。欧州の移籍市場が閉じた後も新天地が決まらない“フリーの選手”は多く、移籍金が必要ではないため、日本のチームも触手を伸ばしやすい。今回は、Jリーグのクラブも獲得が可能な6人のフリー選手をピックアップして紹介する。(成績は『transfermarkt』を参照)。

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FW:ユルゲン・ロカディア(キュラソー)
生年月日:1993年11月7日(30歳)
前所属:滄州雄獅(中国)
昨季リーグ成績:24試合7得点6アシスト

 近年ブライトン産の選手が大きな話題を集めている。現在もプレーする三笘薫をはじめ、昨季まで所属していたアレクシス・マック・アリスター(現リバプール)、モイセス・カイセド(現チェルシー)らは、青と白のユニフォームに袖を通してから評価を高めた。

 一方、中にはブライトンへの移籍がキャリアの低迷に繋がってしまったケースもある。その代表格が2018年1月に当時のクラブレコードである1700万ユーロ(約23.8億円)で加入したユルゲン・ロカディアだろう。18歳で迎えたエールディビジデビュー戦でハットトリックを達成した193cmの大型FWは、名門PSVのエースとして2017/18シーズンは前半戦だけで9ゴールを奪う活躍を披露していた。

 しかし、ブライトン加入後は怪我に悩まされ続けた。2年目の2018/19シーズンには背番号9を与えられるなど期待をされていたが、ほとんどがベンチからのスタートで、プレミアリーグでは通算35試合で3ゴールに留まった。2019年夏にグレアム・ポッターが監督に就任すると構想外となり、ローン移籍で放出された期間を経て、2022年1月にフリーでボーフムへと移籍。そのボーフムでも半年で契約満了となっている。

 そんな“未完の大器“が直近で活躍の場に選んでいるのがアジアだ。一昨年8月から昨年4月まではイランの名門ペルセポリス、そこから昨年末までは中国の滄州雄獅でプレーした。現在は契約満了に伴いフリーとなっており、個人でトレーニングを続けているそうだ。ペルセポリスでは6ゴール、滄州雄獅では7ゴール6アシストと得点にも絡めている。JリーグのクラブでFWの火力不足に気になるクラブはオファーしてみてはいかがだろうか。

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MF:オゲネカロ・エテボ(ナイジェリア)
生年月日:1995年11月9日(28歳)
前所属:ストーク・シティ(イングランド)
昨季リーグ成績:17試合0得点0アシスト(アリス・テッサロニキ)

 今からおよそ8年前、リオデジャネイロオリンピックで日本代表に“悪夢”を見せたのがオゲネカロ・エテボである。オリンピックに臨むナイジェリア代表の一員としてサムライブルーと対戦した攻撃的MFは、66分までに圧巻の4ゴールを記録。グループリーグ初戦で、5-4の打ち合いを制する立役者となっていた。

 当時ポルトガルのフェイレンセでプレーしていたエテボは、2017/18シーズン後半はラ・リーガに所属していたラス・パルマスへローン移籍。同時期からナイジェリア代表で主力に定着すると、シーズン終了後に行われたロシアワールドカップでは全3試合でフル出場を果たす。大会終了後にはチャンピオンシップに降格したばかりで、1年でのプレミアリーグ復帰を目指していたストーク・シティに完全移籍で引き抜かれた。

 順調にキャリアアップを果たしていたかと思われたエテボだが、そこからやや伸び悩んでいる。ストーク移籍が結果的に失敗に終わると、構想外となったことでヘタフェやガラタサライ、ワトフォードなど毎シーズンのようにローン生活が続いた。昨季はギリシャのアリス・テッサロニキで主力としてプレーしたが、シーズン終了後に保有元のストークと契約満了に伴い退団している。

 フリーとなってから半年が経過した今冬の移籍市場では、トルコのアダナ・デミルスポルへ加入間近と一部報道では伝えられていた。しかし、メディカルチェックで問題が発生した模様で契約には至らず、現在も無所属が続いている。まだ28歳と年齢的には問題がなく、近年の成績を見ても即戦力として十二分に計算できる選手なため、Jリーグを含めた複数のクラブで争奪戦となっても不思議ではない。

DF:シュコドラン・ムスタフィ(ドイツ)
生年月日:1992年4月17日(31歳)
前所属:レバンテ(スペイン)
昨季リーグ成績:3試合1得点0アシスト

 シュコドラン・ムスタフィは、22歳の若さでワールドカップを制し、欧州4大リーグとも呼ばれるセリエA、ラ・リーガ、プレミアリーグ、ブンデスリーガの全てで主力選手としてプレーした経験を持つ。これだけのプロフィールを持つ選手は、世界中探してもほとんどいないだろう。しかし、31歳となった現在の彼はどのクラブにも所属をしていない。

 エバートンでプロキャリアをスタートさせたムスタフィは、サンプドリア時代にドイツ代表としてブラジルワールドカップ優勝を経験。その後プレーしたバレンシアで評価を高めると、2016年夏に4100万ユーロ(約49.2億円)の移籍金でアーセナルに引き抜かれた。アーセン・ヴェンゲル政権の最後の期間を主力選手としてプレーしている。

 しかし、ウナイ・エメリ、ミケル・アルテタの両スペイン人監督の下で序列を下げると、2021年2月に契約解除という形でアーセナルを退団。その後、契約したシャルケも半年で去り、同年夏に加入したレバンテでも怪我の影響で主力に定着できなかった。そして2023年夏に契約満了という形でレバンテを退団し、無所属となっている。

 ムスタフィは昨年末にドイツ『Sky Sports』のインタビューに応じており、レバンテ時代は踵の怪我に悩まされたと明かしていた。リハビリは順調に進んでいるようで、「今はコンディションを整え、またプロのサッカー選手としてプレーするチャンスが巡ってくることを願っている。それが今の目標だ」と現役続行に強い意欲を示していた。今月には一部メディアからセリエAで最下位に沈むサレルニターナと契約する可能性が報じられたが、まだ加入には至っておらず、フリーの状態が続いている。経験豊富なCBの次なる新天地はどこになるのだろうか。

FW:カルロス・ベラ(メキシコ)
生年月日:1989年3月1日(34歳)
前所属:ロサンゼルスFC(アメリカ)
昨季リーグ成績:34試合9得点12アシスト

 今オフに注目を集めているのが、昨季までロサンゼルスFCで主将を務めていた元メキシコ代表FWカルロス・ベラの去就である。ロサンゼルスFCとの再契約やヨーロッパへの帰還、母国メキシコや中東のクラブへの移籍など、多くの噂が飛び交っている。

 2005年に行われたU-17ワールドカップで得点王に輝いた“神童”は、同年11月に名門アーセナルと契約した。アーセン・ヴェンゲル監督が率いるチームでは主力に定着できなかったが、2011年夏に加入したレアル・ソシエダでは絶対的なエースとして大活躍。個人としては3シーズンで2桁ゴールを達成し、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得にも大きく貢献した。

 2018年にMLSへと参入したロサンゼルスFCでは、クラブ史上初の特別指定選手として契約すると、2年目の2019シーズンは31試合で34ゴールを決めて得点王に輝いた。契約満了となった昨季までの5年間で188試合93ゴールという異次元のペースで得点を重ねて、3つのトロフィーを獲得するなど、クラブのレジェンドとしてチームを去った。

 昨季限りでロサンゼルスFCを離れたベラだが、クラブとしては今季も契約することを望んでいるようだ。ただ、34歳で迎えた昨季もMLSで全試合に出場して9得点12アシストを記録した点取り屋の需要は世界中のクラブからある。よりお金のあるリーグからの関心が強いため、Jリーグクラブとしては契約することが容易ではないだろうが、その得点力が魅力であることは間違いない。

DF:ダルベルト(ブラジル)
生年月日:1993年9月8日(30歳)
前所属:インテルナシオナル(ブラジル)
昨季リーグ成績:9試合0得点0アシスト

 かつてインテルでプレーした長友佑都(現FC東京)がポジション争いを繰り広げた若手SBを覚えているだろうか。当時23歳だったダルベルトは、現在無所属となっている。

 ダルベルトは2017年夏に2100万ユーロ(約29.4億円)の移籍金でニースからインテルへと完全移籍した。この金額的にもクラブは彼を主力選手として計算していたが、長友とダニーロ・ダンブロージオとのポジション争いに勝てず、翌シーズンはクワドォー・アサモアの加入によってさらに立場が厳しくなった。

 インテルで早々に構想外となったダルベルトだが、ローン移籍先ではまずまずの結果を残している。2019/20シーズンにプレーしたフィオレンティーナと2021/22シーズンにプレーしたカリアリでは不動のスタメンに定着。特にフィオレンティーナでは1シーズンで8アシストを記録するなど、彼のキャリアで最も成功したシーズンを送った。

 しかし、彼のキャリアを狂わせてしまったのが、2022/23シーズン開幕前の大怪我である。個人トレーニング中に膝の前十字靭帯を損傷してしまい、そのまま同シーズンは全休に。そして契約満了でインテルを退団した。契約最終シーズンにアピールの機会を失ったダルベルトは、2023年9月に母国ブラジルのインテルナシオナルと契約をしたが、半年のみで退団という形に。これからキャリアの再起を目指す30歳の左SBにオファーを出すクラブは現れるのだろうか。

MF:アミン・ユネス(元ドイツ代表)
生年月日:1993年8月6日(30歳)
前所属:アル・イテファク(サウジアラビア)
昨季リーグ成績:10試合0得点2アシスト(ユトレヒト)

 かつて名門アヤックスでエースナンバーの11を背負い、一時はドイツ代表でも常連となっていたアミン・ユネスも現在フリーの選手の1人だ。ボルシア・メンヒェングラートバッハの下部組織出身の同選手は、2015年夏に加入したアヤックスでブレイク。左サイドの張った位置からのテクニカルなドリブルでファイナルサードに進入し、質の高いプレーからゴールとアシストを量産していた。

 2018年夏にナポリへとステップアップを果たすなど順調なキャリアを歩んでいると思われたユネスだが、怪我が彼のキャリアを難しいものにしてしまった。イタリアの名門に加入した時点でアキレス腱の怪我からのリハビリ中だった元ドイツ代表MFは、その後も細かい負傷離脱を繰り返した。その結果、主力に定着できないまま2020年夏の移籍市場にて、2年契約のローン移籍でフランクフルトへ放出された。

 フランクフルト移籍後は復活をみせ、2021年3月には4年ぶりにドイツ代表へと復帰。しかし、これも長くは続かなかった。2年目にクラブと給与を巡って揉めると、契約満了の半年前にローン契約が打ち切りに。直後に移籍したサウジアラビアのアル・イテファクでは馴染むことができず、半年後にローン移籍したオランダのユトレヒトではヘンク・フレイザー監督の暴行事件に巻き込まれる波乱のシーズンとなってしまった。

 2023年夏に外国人枠の関係もあって保有元のアル・イテファクと契約解除をすると、それ以降はフリーの状態が続いている。怪我が多いのは懸念事項だが、現在30歳とまだ老け込む年齢ではなく、自慢のテクニックも健在だ。Jリーグのクラブが、日本人が多いデュッセルドルフ出身のウインガーにオファーを出してみても面白いかもしれない。

【了】

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