IT技術を農業に活用するのがアグテック(AgTech)だが、この分野で注目のスタートアップ企業がTrace Genomicsだ。同社は農家の人々向けに、土壌の健康度を測定するヘルスキットの提供を約1年前から開始した。

ヘルスキットに土のサンプルを入れてTrace Genomicsに送ると、土壌のDNA解析が行われ、どのような微生物が存在するかが判明する。農場主らにとって、土の中にどのような微生物が居るかは非常に重要な情報だ。

「土の中には有用な微生物も居れば、疫病の原因となるものも居る。正確なデータを知ることは効率的な農場運営に非常に役立つ」とTrace Genomics 共同創業者のDiane Wuは言う。

ここ1年で同社は様々な農場でリサーチを重ねてきた。「レタスや苺、ナッツ、大豆やトウモロコシなど、様々な作物の生育現場のデータを取得してきた」と、もう一人の共同創業者のPoornima Parameswaranは言う。

「生産者が我々に尋ねる質問は2パターンに分類できる。その一つは”なぜ、農地の一部の生産性が低いのか”というもの。もう一つの疑問は”自分の農地はどこまで受容性があるのか。次のシーズンには別の作物を植えても構わないのだろうか、といったものだ」

これまでTrace Genomicsは1万件の異なる土壌サンプルをテストした。同社の顧客には有名イチゴ農園のDriscollも居る。

「カリフォルニア州のサリナス地区のレタス農園では、我が社のテクノロジーで疫病対策を行う試みが始まった。現地ではフサリウム菌による立ち枯れが広まっていたが、これまで有効な対策手段は存在しなかった。今年から現地の農家らと共同で、土壌のフサリウム菌の実地テストを行い、正確なデータを取得しようとしている」

これまで約1年間の実績を持つTrace Genomicsだが、共同創業者の2名は「我々のチャレンジはまだ始まったばかりだ」と述べる。

「今後は農家との信頼関係をさらに深めていきたい。幅広いジャンルの農業に役立つ、土壌のデータベースの作成を開始する」とParameswaranは述べた。

Alex Knapp