私は最近、自分がメンター(育成者)を務める若い男女のグループとのセッションで、次のような状況にどのように対処するかを聞いた。

あなたは、フォーチュン・グローバル500に入る会社の女性役員。CEO直属の役員のほとんどが男性で、あなたは重要な会議から除外されている。会議に出席して意見を述べれば、同席する男性社員たちは、あなたを無視したり、あなたの話を遮ったり、言い伏せたり、あなたのアイデアを自分の手柄にしたりする。

私はショックを受けた様子のメンティー(被育成者)たちを見つめ、「あなたならどうしますか?」と訪ねた。

「ひどいですね!」。20代半ばの男性が首を振りながら言った。「その会社の男性たちは、なぜそんなに女性が怖いのでしょう?」。笑い声があがったが、またすぐにとても静かになった。

「私なら、なぜ自分が大切な会議から除外されているのか知りたいと思います」。ある女性メンティーが発言した。「もし仕事がきちんとできていて、知識もあるのなら、どうしてマネジメントチームの一員と見なされないのでしょう?」

これと似た状況がホワイトハウスの女性たちに起こったと伝えると、グループのメンバーたちは驚いた。オバマ大統領が就任した際、側近の3人に2人が男性で、女性たちは自分たちの声が無視されていると苦言を呈していた。

「彼女たちはどうしたのですか?」とのメンティーからの問いに、私はこう説明した。

「女性たちは会議中、『アンプリフィケーション(増幅)』と呼ばれるテクニックを使いました。ある女性が意見を言ったり、重要な点を指摘したりしたら、そのたびに他の女性が声を上げ、意見を繰り返し、それが良い意見、もしくは重要であると考える理由を説明したのです」

「女性たちも、他の女性が男性に話を遮られたり、言い伏せられたりしないよう、一丸となったでしょうね」。別のメンティーが言った。「会議中そんな扱いを受けたら、私ならすごく怒ると思います」

別の若い男性はこう続けた。「女性たちが協力し合ったことは、とてもいいと思います。でもそうせざるを得ない状況にあったというのは、悲しいですね」

ここで私は、焦点を組織の文化に移した次の質問をした。

インクルーシブ(包摂的)な環境を確保するため、管理職や従業員は性別にかかわらず何ができますか?

その後、ポジティブな組織文化を築くために積極的に取れる措置について、熱心で示唆に富んだ議論が行われ、次のような意見が出た。

・適切な人々を会議に参加させる。多様な人々は多様なアイデアにつながる。
・全員の意見を聞く。会議中、議題について各人に意見を求める。
・評価すべき部分はきちんと評価をする。
・他人に望む行いを自ら実践し、ロールモデルとなる。
・職場での非礼な行いは「絶対に許容しない」方針を採る。
・苛烈すぎる競争や、無礼を許す文化につながる行為は速やかに軽減策を取る。

結論はこうだ。組織文化には、内部の全ての人々が良くも悪くも影響を与える。どう振る舞うかの選択は、自分の個人的な人格を示すものだ。周囲がどんなにネガティブで混迷を極めていようと、落ち着いて、他人への理解と尊敬を示せる手本となろう。

Lisa Quast