小売最大手の米ウォルマートは、ネット通販大手の米アマゾンとの戦いを効率的に進めるための積極的な取り組みを推進している。食料品販売における両社の競争は、アマゾンが高級スーパーチェーンの米ホールフーズ買収を発表したことから、ますます激しさを増している。



ウォルマートとアマゾンの双方にとって、顧客を獲得し、市場シェアを拡大する上で鍵を握る重要な点の一つが、買い物客にとっての「便利さ」だといえる。より効率的な店舗での買い物を目指すウォルマートは7月上旬、インターネットを通じて注文した商品を実店舗で受け取るための「自動商品受取機」を米国内の複数の店舗に設置していく計画を発表した。



「ピックアップ」タワーと名付けたこのキオスクタワーは、注文された商品をベルトコンベアーで運び出すため、人手を必要としない。さらに、受け取りにかかる時間を大幅に削減することができる。ウォルマートは昨年から国内の一部店舗で、このタワーを試験的に導入していた。



「便利さ」提供するイノベーションが鍵


成長を続ける食料品市場において、ウォルマートとアマゾンが国内外で市場シェアを拡大していくために必要なのは、技術革新だ。



米国では、個人消費の20%近くを食料品が占めている。米食品マーケティング協会(FMI)によれば、消費者1人当たりの食料消費支出は1週間当たり平均107ドル(約1万1900円)。年間およそ同5500ドル(約61万5000円)となっている。米国の食料品市場は、6000億ドル規模に上る。



複数の調査から、米国では向こう10年内に消費者の70%以上がネット販売で食料品を購入するようになると見込まれている。また、2016〜25年の食料品のネット通販売上高の年平均成長率(CAGR)は、甘く見積もっても20%とされる。

こうしたトレンドが示すのは、消費者が食料品の買い物についてはオンラインで注文し、実店舗で受け取る「クリック&コレクト」の利便性を認めており、利用頻度を高めていくだろうということだ。



「ピックアップ」タワーをはじめとするウォルマートの革新的な製品・サービスへの投資は、同社が買い物の利便性という点でアマゾンに対抗していく上で、成果を上げていくだろう。



ウォルマートにとって、食料品は売上高の増加に大きく貢献する部門だ。消費者が食料品の購入について利便性を重視する傾向は、今後も変わらないと見られる。利便性を向上させ、買い物にかかる時間の節約につながる革新的なテクノロジーは長期的に、ウォルマートの売上高増加に貢献していくと考えられる。

Great Speculations