以下は読者のラージから寄せられた便りと、私からの回答だ。

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私は、キュービクル(間仕切りで区切られた従業員の個人スペース)がずらりと並んだ大きなオフィスに勤務しています。とても厳しい環境で、従業員の怒りが爆発することも多々あります。

私の席の数キュービクル先にはマイクがいて、よく会社の悪態をついています。電話の受話器をたたきつけて「こんな会社は〇〇だ」と口汚く叫ぶのです。

周りを見渡しても、特に誰も気にならないようです。「嫌なら辞めればいいのに」というのが私の本音ですが、黙っています。

他の多くの会社と同様、匿名で相談できる倫理ホットラインがありますが、彼を解雇させたくはないので、行き過ぎた対応のように思えます。しかし黙っていると良い気持ちがしません。

完璧な職場などありませんが、全体的には素晴らしい会社です。給料は良く、大半の従業員との関係も良好です。長年にわたり高評価されてきた会社でもあります。

対立は避けたいので本人に直接伝えるのははばかられます。彼の上司に直接相談するのも気が進みません。

どうすれば良いでしょうか?

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ラージヘ

マイクの行動が気に障るのは、あなたの人格が優れている証拠だ。雇用主の評判を大切にする、忠実な従業員だということを示している。

対立を避けたい気持ちは理解できるし、対立を好む人などいない。同僚との良い関係を維持することは大事だが、お気付きの通り、黙っていても不快な気持ちは消えず、悪化することさえある。

米調査会社クロールで倫理・コンプライアンス(法令順守)担当副社長を務めるジェームズ・セザラノは、こうした状況で行動を起こさない場合のリスクを説明している。従業員として満足し、キャリアの成長を望んでいるのなら、あなたはマイクの行動により「仕事に行きたくなくなり、業務の質が落ちてしまうかもしれない」とセザラノは言う。

マイクのしつこい悪口は、会社にも悪影響だ。セザラノによると、こうした言動により「不健全で敵対的な職場環境が生まれ、生産性低下も考えられる」と話す。マイクと直接話すことが大事だと彼は指摘している。

私は以前の記事で、相手に批判的フィードバックを効果的に与える方法として「褒め言葉のサンドイッチ」を紹介した。

マイクが怒っていないときにメールか対面で、職場の状況について話したいことがあると伝えよう。誰にも邪魔されず内密に話せる場所を確保し、まずは「最近ストレスが多いよね?」といった誠実かつ前向き、または思いやりのある言葉で切り出す。マイクはあなたを味方だと考え、その後も話を聞こうとするだろう。

ここで、自分の意見を伝えつつ相手を遠ざけないよう批判する。「これまでに何度かあったのだけど、君が会社について悪く言っているのを聞くと、いやな気持になるんだ。私はこの職場が好きだし、守りたいと思っている。もしかしたら上司が問題解決の手助けをしてくれるかもしれないよ」

マイクの方にも正当な不満があるかもしれないので、きちんと聞いてあげるのが筋だ。そして「あなたはいい人だから、私の気持ちを話すべきだと思った」と前向きな言葉で締め、彼の返事を待とう。

マイクは怒ってあなたの意見を拒絶するかもしれない。しかし彼が誠実な人であれば、話してくれたことに感謝するだろう。人格の優れた人は、倫理的知性のある批判を受け入れるものだ。

あるいはその場では拒絶しても、後にあなたの意見の正しさを認めてくれるかもしれない。

セザラノは、最悪なのは何も行動を起こさないことだと語る。何もしなければ同僚の悪口は止まらず、あなたがそれに同調しているようにも見えてしまう。「沈黙は同意と同じだ」(セザラノ)

マイクと直接話したくない場合は、匿名で倫理ホットラインを利用しても良い。彼が解雇されることを心配していたが、実際にそうなるとは限らない。

あなたが勇気を出し、実際に行動に移せることを祈っている。

Bruce Weinstein