インターネット通販大手の米アマゾンで洋服を買うことについて、多くの人たちはどのように考えているのだろうか。明けても暮れてもスマートフォンの画面を見つめ、買い物ばかりしているように見える22歳になる筆者の娘は、「絶対に買わない」という。

それは、「信用していないから」だそうだ。商品が「本物かどうか」「品質に疑いはないのか」という点に不安がある、というのが具体的な理由だ。そして、買い物はなるべく実店舗でしたいという。これは、ミレニアル世代の多くに共通する考え方だ。

だが、米金融大手モルガン・スタンレーが米国の成人約1000人を対象に今春行った調査では、消費者の約半数がこれとは違う考え方を示している。調査対象者の約46%が、「過去12か月にアマゾンで洋服を購入したと」回答した。ウォルマートのネット通販で購入した人が最も多く、アマゾンはそれに次ぐ第2位だった。

これまでにも報じられているとおり、アマゾンは食料品部門での市場シェアの拡大を目指している。高級スーバーチェーンの米ホールフーズ・マーケットを137億ドル(約1兆5100億円)で買収すると決めたのもそのためだ。だが、アマゾンが業績を上げる必要があるのは、アパレル部門も同様だ。

食料品部門よりはるかに大きな前進を遂げているアパレル部門だが、さらなる業績の向上目指し、アマゾンはすでに自社ブランドを立ち上げている。7月末には新たに、「ザ・フィックス(The Fix)」とのブランド名でフットウェアとハンドバッグを発売した。

同社は発表文でこのブランドについて、「アマゾン・ファッションの新たなプライベートブランド。手頃な価格で質の高い、トレンドを取り入れた靴やハンドバッグを提供する。商品の価格は49ドル〜69ドル(約5400〜7600円)で、新商品は随時追加していく」と説明している。

今年5月には、アマゾンは人工知能(AI)アシスタントの「アレクサ」を搭載したスピーカーにカメラを付けた「エコールック」を発表。ユーザーはこのカメラで自分を撮影して「ルックブック(写真のコレクション)」を作成し、アレクサから意見やアドバイスをもらうことができる。

こうしたアマゾンの一連の商品やテクノロジー、価格が全ての消費者の心をつかめるわけではないだろう。だが、アマゾンが起こす全ての行動は、同社の事業に弾みをつけ、顧客を獲得し、実店舗を苦境に追い込んでいる。

Laura Heller